826
雨の音は艶めいた空気に似合います。肌を重ねた後しどけなく眠りについた人が、朝方に夢か現かも分からない状態で雨音を耳に拾って「ああ、雨が降ってる…」とだけぼんやり実感するも身近にある心音の方に意識を上書きされて「でも、もうなんでもいいや」と幸せな気持ちで再び眠りに落ちるのが好きです
827
傘の中に2人入って、雨音で邪魔されないよう背伸びして恋人の耳に「キスしてもいい?」と囁き落とす姿は可愛らしいですね。「見られるから…」と呟いた相手にニッと笑いかけて「平気」と言うなり傘を傾けて素早く唇を重ね、状況の理解が追いつかず固まる恋人に「平気だったでしょ?」とまた囁けば良い
828
身長差がある2人を際立たせるのは、背伸びですよね。低身長が背伸びして高身長の耳に「キスしたいな」と囁いて、真っ赤になりながら頷いた相手に背伸びして唇を重ねるのは可愛らしいです。キスをした後に恥ずかしそうな高身長の顔を見上げて「君は背以外は子供だよね」と低身長が幸せそうにすれば素敵
829
腕力ある人が腕力ない人に抵抗できない倒錯には魅せられます。腕力ある側が腕力ない側を組み敷いて「嫌と口では言うけれど、本当に嫌ならあなたは抵抗できるはずでしょう?」と囁かれれば、身体から力が抜けて血の巡りが早くなって、自分が抵抗できない理由はひとつしかないのだと思い知ってほしいです
830
社会に追い詰められて一緒に逃げて新たな生活を始めた2人が、「いつかまたもとの世界に引きずり戻されてしまうかもしれない」と内心恐れながら、その恐怖と昔の話はお互い一切口にせず、最初から普通の恋人たちであったかのようにひっそりささやかな幸せを受け止めて生きていく姿の薄暗さに惹かれます
831
社会に追い詰められて逃げて新たな生活を始める2人も好きですが、社会に追い詰められて本気で2人で逃げようと飛び出したのに、遠い場所まで来たら現実が押し寄せてきて「…帰ろう」と泣いてうずくまる人と、その身体を抱きしめて「うん…君と短い夢が見れて幸せだった」と泣いて笑う人たちが好きです
832
甘いものが好きな人は寂しがり屋という俗説は夢が広がりますね。口では「君がいなくても平気」と強がってみせるけれど、本当は相手に心身ともに依存しきってしまっているから1人きりの時は甘いものについ手を伸ばしてしまって「太ったら、君のせいだと言ってやろう」と呟く不器用な人が可愛らしいです
833
甘いものが好きな人が恋人に「甘いものが好きな人は寂しがり屋なんだって。君も?」と聞きかじりの知識でからかわれたら、とろける笑顔を浮かべて「そう思うなら甘いものが必要ないぐらい、君の愛でたっぷり満たしてよ」と囁いて、これ以上からかえないように相手の口を甘い唇で封じてしまえば良いです
834
人に愛された経験がなかったから、初めて自分に「愛してる」と告げてくれた相手がずっと自分のことを愛してくれるとはどうしても信じられなくて、よく「愛してる?」と尋ねては「愛してるよ」と笑って返されると、詰めていた息をほうっと吐き出し「よかったぁ」と幸せそうな顔をする人がいじらしいです
835
人に愛された経験がなかったから、初めて自分に「愛している」と告げてくれた相手のことも感情も信用できなくて、「愛してるよ」と告げられる度に苦しげな顔をして押し黙り「君の愛を信じられる自分であったらよかったのに」と泣きたくなる人が、相手の愛を信用できるように変わるまでを見守りたいです
836
相手への想いが増すにつれ、相手の匂いまで好きになっていく展開の生々しさに惹かれます。帰ってきた相手に後ろから抱きついて「汗臭いから着替えるよ」と言われても「平気」と回した腕を緩めず、相手の匂いを吸い込みながら満たされた気分で「あなたの匂いに飢えてたから」と艶めいた一言を零せばいい
837
相手を自分のもとへ縛り付けるため、相手の身体に自分の香りを染み込ませる人もいいですね。相手の身体に香りのついた身体で絡みついて「何してるの?」と尋ねられると「マーキング」と笑って返し「あなたが、僕のものであることを忘れないように」と囁いて香りのせいだけでなく頭をぐらつかせたら素敵
838
膝枕の姿には愛くるしさが詰まっていますよね。自分を構ってくれない相手に甘えるつもりで相手の膝に頭を滑り込ませて、「邪魔なんだけど…」と言う相手が無理やり退けてはこないのでふわりと微笑みかけて「君も素直になればいいのに」と調子に乗ったら赤い顔で「邪魔なんだけど!!」と叫ばれて欲しい
839
座って背中合わせで会話する、その距離感に浪漫があります。あまり甘えてこない恋人が背中を合わせてくることに戸惑って「どうしたの?」と問えば、小さくすすり泣く声が聞こえ驚いて思わず振り向きかければ「いい、このままでいて」と手で止められ「君に泣き顔を見せたくないから」と続けられて欲しい
840
憧れから始まる恋は危うさを孕むからこそ美しいものです。「この人のようになりたい」と思ってキラキラした目で見上げていただけだったのに、ある時憧れの人に対して嫉妬が湧くことに気がついて冷汗が止まらなくなり「これが恋ではありませんように。あの人を汚したくないんです」と祈る姿に惹かれます
841
憧れの人であったはずなのに、知れば知るほどダメな部分が見え、今や粗雑に扱うようになった関係は可愛いですね。「昔の君は可愛かったのに〜」とじゃれかかってくる相手をテキトーにいなしながら「昔は憧れてましたから」と答え「今は?」と尋ねられたら「愛に変わったので」とさらりと告白すれば良い
842
「僕がいるからなんとかなるよ」という言葉の毒々しさが魅力的です。言う側は、本当は自分1人の力ではどうしようもないと分かりながらただ相手を慰めるために口にしていたのに、言われる側はその言葉を聞く度に、相手がいるならどんなことでも乗り越えられるような気がしてきて依存を深めていけば良い
843
「君がいてもなんにもならない」と分かりながらも離れられない関係性の2人には惑ってしまいます。「君がいても僕は助からないし幸せにもなれない」と知りながら、「それでも君に隣にいてほしい」という結論にしか辿り着けなくて「馬鹿な人」と泣かれてしまう、完成された共依存の関係の閉塞感が美しい
844
愛する相手にだけ見せる「特別」な姿も人それぞれですよね。誰にでも笑顔を振りまく人がたった1人の前では仏頂面を通して「可愛くねーな」のぼやきをもらったり、誰にでも優しい人がたった1人に対しては意地悪ばかり言って振り回される姿を笑って見ていたりする、甘くない「特別」な愛の形も素敵です
845
相手が誰にでも優しいから自分はたんに勘違いしただけではないかと不安に陥る人と、その人の心中を察して不安を取り除くために「君は特別だよ」と愛を囁く人の関係が好きですね。「だって君への優しさには特別な下心が含まれてるもの」と囁かれたら恥ずかしくなってなんにも言えなくなってしまえば良い
846
いつも笑っている人の笑顔を美しいと思うのにどうしてもこの手で乱れさせてやりたいというこじれた願望が首をもたげて消えなくて、なにかにつけては笑顔を崩す行動をし歪んだ相手の顔を見て「笑ってない君はいつも以上に魅力的だね」とうっとり囁きたくなる。そんな形の愛情も離れがたい魅力があります
847
相手にしか分からない表情の変化から愛の面影を見てしまいますね。いつも仏頂面の人と常に一緒にいる人が、他人から「あの人なに考えてるか分からなくて怖くないの?」と尋ねられると驚いて「あいつは笑ったり怒ったり分かりやすいじゃん」と返し自分が特別であることに気がつかないのが初々しくて素敵
848
いつも仏頂面の人の頬をいつも笑顔の人がするりと撫でて「君は誰の前でもそう?君の笑顔を見れる幸運な人はいるの?」と口説き、仏頂面の人は無愛想に手を払いのけるけれど、1人きりになった後飛び込んできた笑顔の眩しさがちらつき「絶対に笑ってやらない」と意地になる恋模様がじれったく可愛らしい
849
普段は強気に振る舞っているくせにいざ相手に迫られると弱い人は魅力的ですよね。逃げ場を塞がれて「いつもの元気はどうしたんですか?」と囁かれると言い返したいのに頭が真っ白になって、煽るだけだと分かっているのに恥ずかしさで赤く染まった顔と恐ろしさで潤んだ瞳を相手に向けてしまえば良いです
850
恋愛事に手慣れた人が恋愛経験が初めての人の無謀さに突き崩されてとろかされていく姿には、永遠のロマンがありますね。人目につくかもしれない場所で「キスしたいんですけど。こういう時はキスしてもいいんですか」と腕を掴まれるとその眩しさに気圧されて「…いいよ」と流されてしまえば愛おしいです