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利用するために近づいたから「君は優しいね」と微笑まれる度に罪悪感を覚える人と、利用目的だったとは分かっているけれどそれでも微かな愛を感じ取れて嬉しかったから本心で「君は優しいね」と口にする人の関係が好きです。利害関係ありきで触れ合った2人が、いつしかぐずぐずに絆され合うのが優美
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愛してくれないなら優しくされたくなくて、片思いの相手に優しくされる度に苦しくなる人が好きですね。微笑まれたら目眩がして、一人きりの時に自分の身体を自分で抱きしめ「いっそ冷たくしてくれたら君を諦められるのに」と呟いたら良い。相手の優しさに甘えて、殺すことができない片恋はいじらしい
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記憶喪失になった恋人の未来を想って、たんなる”知人”としてもう一度相手と関わろうとした身勝手な人が、相手に過去について無邪気に尋ねられた瞬間胸が詰まって、昔のように相手に愛しげに見つめられていることに気がついた瞬間息苦しくなって「君は忘れたくせに」と口走りたくなる姿を見つめたい
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罪深いことだと2人に未来はないんだと知りながら、記憶喪失になった片思いの相手の空っぽの脳に「君は忘れてしまったけど、僕たちは恋人同士だったんだ」と偽りの記憶を注ぎ込んで、相手が「そう…なんだ」と微笑みかけてくれる今に泣きたいほど嬉しくなって嘘を重ねてしまう人は哀れで美しいですよね
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記憶喪失になった恋人に「君は忘れてしまったけど、僕たちは恋人同士だったんだ」と告げてもう一度もとの姿に戻ろうとしたのに、噛み合わない会話や触れた時の隠しようのない怯えから「自分が愛した人はもうどこにもいない」ことを思い知り、同じ人だからこそ単純に喪った時より苦しくなる話が好きです
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慇懃無礼でほとんど感情の揺れを見せない人が、たった一人には感情むき出しでぶっきらぼうに接していると、特別な絆を感じてしまいます。相手といると無性に腹が立ったり震えるほど嬉しかったりと喜怒哀楽を引きずり出されて、いつもの自分の姿を崩されてしまう様子には、どこか官能的な空気が漂います
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愛しさをにじませながら呟かれる「可愛くないなぁ」の一言に惹かれます。言われた側は目つき鋭く「どうせ可愛くないですよ」と返しても、無表情のまま「可愛さを求めてどうするの?」と返しても良いですが、言った側はその反応に笑みを深くして「そういうとこが…」と、可愛いと口に出しかけて欲しい
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水や泥や血で美貌を汚してから心まで折るために「いつもの美しさが台無しだ」と嘲る場面は悩ましいですよね。美しい人はその一言に屈して涙を零して負けを認めるのも倒錯的ですが、内心怯えながらもふっと凄艶に笑って「そう?ますます魅力的になったと思わない?」と戦う姿勢を示すのもまた魅力的です
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雪道を歩く恋人達には、ロマンチックな物語が生まれやすいですよね。砂糖が振りかけられたような恋人の雪を払うフリしてキスするのも良いですし、「滑ると危ないから」を言い訳にして腕を引き寄せるのも良いです。ゲレンデの人は美しく見えると言いますが、雪降る世界の恋人も輝いて見えるでしょうね
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雪が降った時どうするかに恋人達の雰囲気が現れますね。一変した景色を眺めて「世界に2人きりみたい」と笑う2人は大人びて素敵、雪玉を投げ合って寒さで頰を染めた相手にときめく2人は無邪気で素敵、ニュースを見ながら「今日は外に出られないね」と震える手を相手に重ねる2人は初々しくて素敵です
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未来が不透明な恋人達がいた場合、雪が降って片方が「雪が解けたら…暖かくなるね。出かけよう」と明るい想像をして笑いかけるのに対し、もう片方は内心で「雪が解けたら…春になる。春にこの人が隣にいるか分からない」と暗い想像をしていて、同じ雪景色に異なる感情を刺激されているのが好きですね
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甘える術を知らないから、相手の前ではわざとだらしなく振舞って「君はダメだね」と言われたがる不器用な人は可愛らしくて良いですよね。しかし実は「君はダメだね」と面倒見る側は相手の策に気がついていて内心で「こんな甘え方しかできないところがダメなんだよ」と微笑んでいる関係ならなお良しです
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相手がダメ人間だからこそ深く愛してしまう人の歪みは愛おしいですよね。「君がいないとダメなんだ」と甘えられると呆れるどころか笑みがこぼれて「じゃあ、一緒にいてあげる」と返し、この人とずっと一緒にいる理由があって良かったと安堵に心を浸すような、狂気と隣り合わせの穏やかな愛に惹かれます
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好きな人を幼児のように細々と面倒を見て甘やかして愚痴を吐かれれば全てを肯定して、なにも知らない相手が「君は優しいよね。もう君がいないと生きていけない」と言ったら密かに笑みを浮かべるような、策略で着々と自分がいないと生きていけないダメ人間に相手を作り変えていく人も愛が重くて素敵です
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低身長の人は経験値から高身長の人と接する時に自然に警戒心が湧くものですが、高身長の人は無防備なものですよね。高身長の人が不意に頭を撫でられて、経験が無かったからこそ異常に驚いてしまって次第に恥ずかしくなり、「なんだこの人…」と悔しさ混じりで相手を意識するようになる流れが好きですね
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弱者が強者を押し倒して熱のこもった瞳で見下ろしながら「どうして逃げようとしないんですか」と尋ねたら、強者は征服されているとは思えない余裕の笑みをふっと浮かべて「どうしてか考えれば分かるだろう?」と答え、相手の熱を煽って欲しいです。追い詰められた場面でも態度を崩さない強者は色っぽい
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力の強い人が力の弱い相手に腕を掴まれたり押し倒されたりして動きを封じられる場面は、倒錯の趣があって甘美。嫌と力なく首を振りながらも本気で逃げ出すそぶりは見せなくて、相手に「本当に嫌ならもっと抵抗してください。あなたなら出来るはずでしょう?」と囁かれて逃げ場を失っていく姿が好きです
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年上と年下や目上と目下のように、関係に上下が付きまとう2人がいたとして、最初は上の人間が下の人間を侮っているも次第に心開いて頑なな人前での姿を相手の前でだけ崩せるようになり、ある時ふと「もう自分はこのちっぽけな人間に縋らずには生きていけないんだ」と気がついて愕然とするのが好きです
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勉強できない人が勉強できる人に気の引き方やキスの仕方について教えることになって、なんでも知って見えた相手が子供のように自分に教えを請うてくることができない人には面白くて「こんなことも知らないんだ」と笑えば恥ずかしそうに「知る必要なかったから」と返される姿が、倒錯していて惹かれます
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攻撃的なヤンデレにも惹かれますが、「愛されたい」というただその一心で、相手の好きな服装好きな仕草好きな音楽好きなスポーツ趣味から動作まで、相手を取り巻くものをひとつひとつ自分に吸収して、相手に愛されるべき存在にうっとり自分を作り変える受動的なヤンデレの甘美で重い愛も良いものです
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遺灰をダイヤモンドに加工できる技術はロマンチックで耽美ですよね。愛しい人が亡くなってなお相手の存在を常に身近に感じていたくて、遺灰をダイヤモンドにダイヤモンドを指輪に加工して左手薬指に飾り、物言いたげなきらめきを見つめ「これでもう離れられないね」とうっとり口付ける人なんて素敵です
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未来を予期して恋人に「私が死んだら遺灰をダイヤモンドにして常に身につけて」と告げる人も好きです。自分がいなくなっても恋人が、アクセサリーの輝きを見る度に過去を思い出して胸を痛めるようになれば良い、永遠にこの人を縛り付けたいと夢想する人の、歪んでいるのに純度の高い愛には魅せられます
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遺灰から銃弾を作るのも、危うい美しさ。全身全霊で愛した人に先立たれ生きる希望を失った人が、その人の遺灰で銃弾を作り「どうせなら、あの人の一部で作られた銃弾で命を失いたい」と暗く思い詰める姿を想像してしまいます。命を落とした人が、命を奪う存在に作り変えられるところに浪漫がありますね
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自分の世界の中心である好きな人に何度想いを告げても受け止めてもらえず、ついには優しく微笑まれ「君のことを好きになれたら良かったな」と呟かれるから「そんなズルいことを言うぐらいなら、いっそ大嫌いと言ってくれればいいのに」と唇を噛むしかない、行き場を失った片思いの残酷甘美さが好きです
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相手が自分を愛していると気づいていて、気づいているからこそ気を持たせる言動で相手の心をかき乱していた意地の悪い人が、相手が他の人と結ばれたと聞かされて「お前は俺のことが好きだったくせに」と怒りを覚え、そこでようやく自分も相手に惹かれていたんだと気がつく苦しい形の両片思いは素敵です