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他人に優しくされたことがなかったために、優しくされることを怖いと感じてしまう人が愛おしいですね。「好きだよ」と言われたならば、いつか嫌いと言われるのではないかと恐れてしまって、「優しくしないで」とひっそりと溢して。「好きだよ。君が慣れてくれるまで口にするから」と囁かれたならば良い
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他人に優しくしたことがなかったから、初めて愛した相手をどう大切にしていいのかが分からない人が美しいですね。甘やかすつもりで撫でようと思ったものの、頭に手を置いてグシャグシャとかき混ぜる形になってしまって。呆れた相手に「ペットだとでも勘違いしてるの?」とからかわれてしまったなら良い
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相手が記憶喪失になった時に、状況を利用して嘘をつく人が悲しくもいじらしいです。ずっと片想いをしていた人に「君は誰」と問いかけられたから、思わず「恋人だった」が口をついて出て。一言の過ちから生み出された幸せをたっぷりと味わいながら、「いつか終わる関係なんだ」と先を予想していたら良い
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相手が記憶喪失になった時につく嘘が美しく寂しいですよね。恋人だった相手が自分との記憶がすっぽり抜け落ちてしまっているのが分かって、「あなたは誰?」と問いかけてくる瞳に"恋人"の一言を躊躇って、「君の親友だよ」と口にして。それまでの幸せな思い出丸ごとを、相手の将来のために捨てたら良い
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他人から見えるかもしれないギリギリの位置に刻みつけるキスマークが甘美ですね。肌を重ねている瞬間に、熱で頭が焼けている相手の首筋に噛み付いて、静止されるより先に深々と跡を残して。熱が引いた後に「見られたらどうするの」と怒られて、内心「見られるためにつけたんだよ」と思っていたら良い
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可愛いと思っているからこそに傷つけたいと感じてしまう、"キュートアグレッション"と呼ばれる衝動があるそうですね。相手をいじらしいと思っているから肌に触れたのに、柔らかな弾力を指先に感じたら、つねって跡を残してやりたいとふとよぎって。「大切にするって決めたんだ」と心臓が跳ねたら良い
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「恋の寿命は3年間だけ」という説は、片思いにも映えますよね。叶わぬ恋だからやめてしまいたいと思いながらも自分の中に燃え盛る炎を消せない人が、3年で終わるものだと聞いて、ふっと失った未来を予想して。やめたいと思っていたはずなのにどうしてか、「それはやだな」と感じてしまったなら良い
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「脳内の分泌物質の影響で、同じ相手に恋を出来るのは3年間だけ」という説があるそうですね。自分が今舞い上がっている、優しい視線も甘い声も繊細な手つきも曇りのない笑顔も、3年後には消えてしまうのだと思った人が苦しくて、「このまま時が止まればいいのに」と無理な願いを持ってしまったら良い
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「忘れないでいてね」と相手との別れ際に告げる人が、恐ろしくも美しいです。嫌な記憶も辛い思い出もあったけれども、全てをひっくるめて自分たちの瞬間だったからと思って「ずっと忘れないで」と告げて。その言葉は呪いで、相手がそれから自分にいかに縛り付けられるようになるかは知らずにいたら良い
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川端康成の小説『化粧の天使達』に、「別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます」という一文があるそうですね。別れを予感した人が、相手が毎年花を見て自分を思い出してたまらない気分になるようにと願って、そっと花の名を教えて一生自分を忘れられないようにしたなら良い
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顔にえくぼか首か胸元に痣がある人は、「死後の世界で前世の記憶を失うことを拒んで1000年間も試練に耐え抜いてからこの世に生まれ変わった人」とされる中国の伝承があるそうですね。えくぼか痣のある恋人が、自分を忘れないためだけに1000年苦しみながら待った想像を、してしまう人がいたら良い
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鼻と唇の間にある窪みの人中は、「生まれ変わる前に天使が"今までの世界の事は全て忘れなければならないよ"と人差し指を置いた跡」と言われている世界があるそうですね。その話を聞いた人が、「もしかしたら前の世界でも会っていたかもしれないのに」と、恋人の窪みを少し憎たらしく思ったら良い
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「好きな人と30秒間ハグをするだけでストレスの3分の1が消える」という説があるそうですね。癒されるのが分かっているから、疲れたなら相手に手を広げて近づく癖がついて。「ん」だけ口にしたら、キツく回ってくる腕と触れるあたたかな身体に甘えきって。「ずっとこうされたい」とよぎったなら良い
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「恋人の匂いを嗅ぐだけでストレスが軽減される」という説があるそうですね。疲れながら帰宅した人が、ふと手元にあった恋人の衣服を鼻に持っていって吸い込んだら、全身に溢れた香りにスッと心が軽くなるのが分かって。「匂いだけでこんなに癒されちゃうんだな」と依存していることに気付いたなら良い
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唇を触る癖が出た時は、欲求不満だと言われていますよね。相手を見ているだけで熱が湧いてしまったけれども、口にしてしまうのはいけないと分かって黙っていたら、無意識で唇を触ってしまったために気付かれて。「やらしい癖だね」と笑われて、指先を捕らえられて欲しかったものを与えられたならば良い
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爪を噛む癖がある人は、「寂しがり屋でストレスに弱い人」と言われていますよね。小さい頃からの癖で直らないと思っていたのに、爪を噛んでしまうと相手がボロボロの爪をそっと整えてくれるようになったから、知らず知らずのうちに満たされてしまって。いつの間にやら癖自体がなくなっていたならば良い
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肌を重ねている瞬間は奔放になれるのに、事後には照れがきてしまう人が愛おしいです。「大好き」と口にして唇を求めたのに、熱がいったん引いたなら「なんであんなこと言ってしまったんだろう」と後悔が湧いてきて顔をまともに見ることも出来なくて、「どうしたの?」と笑われて抱き寄せられたなら良い
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肌を重ねている瞬間だけは、素直な一面を出してしまう人がいじらしいです。いつもは「好き」の一言も恥ずかしくて相手には言えないのに、熱が膨れ上がったなら頭が真っ白になってしまっていて。「好き?」と尋ねられたなら、「すき、だいすき」と繰り返してキツく身体を抱き寄せてしまったならば良い
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相手が嫉妬してくることを、最初は嫌だと感じていた人が次第に喜びと感じるようになるのが甘美ですね。「よそ見しないで」と言われると当初は苛々として「そんなに信用してもらえないの」と言い返していたのに、それだけ自分にハマり込んでいるのだと理解すれば悪い気は起きなくなってしまったなら良い
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常に笑顔で温和な立ち居振る舞いの人が、心の奥にはドロドロした嫉妬心を飼っているのが美しいですね。「相手の全てが自分の物になるわけではない」と思って、余裕ある人間を演じているけれど、本当は無理をしているだけで。「君は大人だね」の一言に「大人じゃないよ」と少し冷たい言い方をしたら良い
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直接的な誘い方しか知らない人が愛おしいですよね。雰囲気を作って流れを作らないととは思っているのに、どうしたらそう出来るのかが分からなくて、結局抱きついて「キスして」とねだるにいたって。「そういう方法しか知らないんだね」と笑われて、「君が教えてくれなかったからだよ」と拗ねたなら良い
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誘い方がとびきり下手な人が可愛らしいですよね。恋愛経験が乏しいから、触れたいなと思った瞬間も自分からは出来ずに受け身で、近くに座ってモゾモゾすることしか出来はしなくて。相手に意図を理解されて、「どうしたの?落ち着きないね?」とからかわれて、どうすればいいかますます見失ったなら良い
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スキンシップが多い相手に、戸惑ってしまう人がいじらしいですね。話しながら腕が密着して、指が触れても気にした様子はなくて、自然な流れで髪を触られるから、いちいち心臓が飛び跳ねてしまって。「コレはわざとやられてるのか?」と、狙われているのかどうかが分からなくて悶々と悩んでしまえば良い
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「おやすみ」のために額にするキスが甘くて素敵ですね。眠る際にいつも相手が「おやすみ」と唇を触れさせてくれるから、その接触に慣れきって、してもらえないと物足りなく感じるようになって、「キスして」とねだって。求めていた柔らかさを手に入れてようやく、深い眠りにつける身体になったなら良い
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事後に食卓を囲んでグズグズと食べ物を口に運ぶ2人がいじらしいですよね。たしかにお腹は空いているはずなのに、火照った顔の相手を見ると先ほどの刺激が思い出されて。あの手に、あの唇に、と視線が動いてしまえばよからぬ妄想ばかりが膨らんでしまって、食べ物を食べる手つきすら覚束なくなれば良い