2351
スーパームーンが美しいですね。直接的な愛の言葉は口にできないから、隣に並ぶ恋人に「月が綺麗ですね」と告げてみたら、笑い声をあげられて。「君って本当に恥ずかしがり屋だね。今時そんな言い回し」と言われてしまい赤くなっていると。「でも、そんなとこをね」と耳に唇を寄せられて「愛してるよ」
2352
寝惚けたままに、相手の身体に触れる人がいじらしいですね。いつもならプライドが邪魔をして、自分から積極的に触りにはいかないのに、ボンヤリと夢に引きずられたならば、目の前の身体に触れてゆるゆると輪郭をなぞってしまって。真っ赤になった相手の顔を見るまで、可愛い醜態を晒し続けたならば良い
2353
朝の短い時間を縫って、戯れ合う2人に夢を見てしまいますね。起きなければいけないとは分かっているのに、抱き込まれて「あと5分だけ」と言われてしまえば「ダメ」と跳ねのけることができなくて。重なる汗ばんだ身体を実感して、本当に5分で起きられるかが、自分でも分からなくなっていったら良い
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普段は穏やかで物静かな人が、相手にだけは喜怒哀楽をむき出しにされている姿が美しいですね。名前を呼ばれただけで顔を輝かせて、他の人間と話しているだけで苛立ちが生まれて、寄り添った時は甘えた顔をして。「この人といる時は自分が自分でなくなるな」と思いながらも、抜け出せなければ良い
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人前では「バーカ!」と鼻で笑っていた人と笑われていた人が、2人きりになると立場が逆転していて、笑っていた人の「バカ」の声も弱々しく掠れて、笑われていた人は余裕たっぷりに「誰がバカだって?」と尋ねているような関係が好きです。生意気言ったツケを、払うといった形でいちゃつく2人は可愛い
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「ギリシャ神話では古代の人間は2人で1つの身体を持っていた。神に別たれてしまったため、人間は自分の半身を探すことになる」との甘美な物語を知って、恋人を抱き締めながら話し「でも君と別たれてよかった。2人だから僕は君にキスできる」と告げて、弧を描いた唇に唇を重ねるロマンチストは美しい
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肌を重ねている時に夢中でする、美しくはなれないキスが色めいていますね。身体が焼けて何も考えられなくなった時に、同じように本能を剥き出した相手に引っ張り込まれて顔が近付いて。考えるより先に唇を重ねながらも、いつものように優しく甘くすることは出来なくて、結局貪りの延長になったなら良い
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「君と一緒にいると、気が付けなかった自分の長所を教えられる」と胸を満たされている恋も素敵ですけれど、「君と一緒にいると、自分が自分でないものになっていくようだ」と背筋を冷やしている恋も、劇的で良いですよね。変わっていく自分に怯えながらも、想うことを止められないでいて欲しいです
2359
愛に満たされた時の呟きが「もう死んでもいい」と薄暗い人に魅せられます。生きることになんの感動も覚えていなかった人が愛した人と結ばれて、自分の人生で今が一番幸せな瞬間だと感動で胸いっぱいになったあまり「もう死んでもいい」と泣いて「僕のために死なないで」と笑われる瞬間に夢を見ています
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肌が色づきやすい人は、色めいていますね。相手に唇を寄せられて「可愛い」と囁かれた時、動揺を表情には出さずにいられるのに、意識した瞬間じわじわと肌が赤く色づいてしまって。耳をいじられて「赤くなっちゃうとこも可愛い」なんて言われたら茹でたようになってしまって、肌の雄弁さを呪ったら良い
2361
恋人になるきっかけが掴めない2人こそ、満員電車で密着して欲しいですね。人に押されて思わず相手の服を掴む形になって慌てて「ごめんなさい!」と謝ったら「ごめんね」と言われるなり抱き寄せられる形になるから「…いいえ」の声が掠れるほど平常心を失ってまるで2人きりでいるように錯覚したら素敵
2362
「Trick or Treat」と気軽な気持ちで恋人に口にしたら「お菓子今日は持ってないんだよね」と言われるから、それなら仕方ないと身体を離しかけたら手を掴まれて。「悪戯…するんじゃないの?」と顔を覗き込まれて固まれば「どんな悪戯されちゃうのか楽しみだな…」と耳に息を吹きかけられてほしいですね
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肌は重ねているのに、唇は重ねたことがない関係の2人が色めいています。キスなんて簡単とは分かっているのに、キスをしたら変わってしまう気がして、「そういう関係じゃないから」と言い聞かせて、理由を作っては触れないでいて。一度の触れ合いで、変わるかもしれない関係の脆さを思い知ったなら良い
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身体を重ねることは容易いのに、「好き」の一言を口にするのは難しい2人が色めいていますね。相手の肌の熱さも舌の柔らかさもよく知っているのに、「好き」は一度も聞いたことがなくて。「ただれてるな」と自身では分かりながらも、勇気を出して口にして壊れるぐらいならこのままでいいと感じたら良い
2365
刻まれたキスマークを、日常の中で気にしてしまう瞬間が甘美ですね。肌を重ねている時は熱に浮かされて、「つけて」と自らねだったけれども、熱が引いてしまえば身体に鮮明に残る所有印が恥ずかしいばかりで。服を着ていてもその場所がじんわりと、熱を帯びているように錯覚して、落ち着かなければ良い
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相手の身体にこっそりと、自らの香りを移す人が、罪深いですね。この人は自分のものだと本当は、大きな声で言いたいほどに独占欲が深くて、けれどそんなことをしたら相手に嫌われてしまうかもしれないと、臆病な心もあって。香りだけ移して、目には見えないその証を気付いてもらいたいと思ったなら良い
2367
「君の前でだけ素でいられる」という一言は、普段は完全無欠と仰ぎ見られているような人にこそ、こっそりこぼして欲しい甘え文句です。こぼされた相手は、怠惰だったり弱気だったり、本当だったら知りたくなかったはずの相手の真の姿を知っているのは自分だけだとうっとり陶酔に浸って甘やかして欲しい
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スキンシップが多い相手に、戸惑ってしまう人がいじらしいですね。話しながら腕が密着して、指が触れても気にした様子はなくて、自然な流れで髪を触られるから、いちいち心臓が飛び跳ねてしまって。「コレはわざとやられてるのか?」と、狙われているのかどうかが分からなくて悶々と悩んでしまえば良い
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弱っている時だけは素直になれる人が愛おしいです。いつもは面倒を見られても余計なお世話とばかりにつっぱねているのに、体調を崩して脆くなった心では、否定することなんて出来なくて。「ゆっくり寝ていて」と頭を撫でる手に愛がこみ上げて、「寝るまでここにいて」とらしくないワガママを言えば良い
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一度だけのキスのつもりが、火がついてしまう人がイケナイですね。時間に限りがあるからと、一回だけと分かった上で唇を触れ合わせたのに、一度柔らかい皮膚が触れたなら「もっとしたい」との欲が膨らんで黙って袖を引っ張って強請って。また与えられる幸せに、これでも満足できない気がしたなら良い
2371
笑顔で放たれる「あなたは本当に私のことが好きですね」の一言も好きですが、呆然とした顔から放たれる「僕は本当に君のことが好きみたいだ」の一言も魅力的ですよね。相手は頬を染めて「恥ずかしいやつ」と呟いても、真顔で「そうですよ」と返しても、にこりと微笑んで「おせーよ」と吐き出しても良い
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相手の顔に見惚れるという場面に惹かれてなりません。相手がじっと自分の顔を見つめていることに気が付いたから、からかうつもりで「なに?見惚れちゃってた?」と笑ったら、ふわり微笑まれて「美しいものは眺めていたいからね」と言われるので、こちらこそ恥ずかしくなってしまえば可愛らしくて良い
2373
「喧嘩の後に肌を重ねると、いっそう興奮が増す」との説がありますから、喧嘩の後の2人のベッドに夢を見てしまいます。先ほどまでは苛立ちしかなかった身体が自分にゆっくりと触れて、「ごめん」と吐息が耳を撫で上げるから、怒りは消えていって。内に膨らんでいた熱は、別の熱へと変わったならば良い
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平凡に真っ当に生きてきたからこそ、悪徳の香りを全身から漂わせた人に目を惹かれて全身全霊で恋をしてしまって、光のない目やお酒の香りがする肌や苦いばかりの舌から離れられなくなり「君はどんどん染まっていくね」とかすれ声で囁かれると、血液が沸騰しそうになりながら頷く凡人から目が離せません
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「君なんて嫌い」と言われた時「俺もお前が嫌いだよ」と返す相手も良いですが、「知ってる。でも俺はお前を嫌いになれないんだ」と返す相手が好きです。言った相手は眼光を鋭くしながら「こういう時、嘘でも嫌いと言ってくれないとこが大嫌いだ」と考えていて欲しいです。嘘つきと馬鹿の距離感は切ない