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自分の容姿に自信がない人を、「綺麗だよ」の言葉で肯定していく人が、美しいですね。鏡も人目も人一倍気にしてしまう人が、屈託のない「君は綺麗だね」の言葉に触れて、向けられた眼差しの熱っぽさに嘘だなんて言えなくて。「物好きな人だな」とおそるおそる受け入れた言葉が、ゆっくり染み渡れば良い
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別れを予感してしまっているからこれ以上絆されてしまうのが怖くてどうしようもなくて「優しくしないで」と相手を突き放す人の葛藤に惹かれます。本当は壊れ物を扱うように触れられたいけれど、そんなことをされたら相手なしでは生きていけなくなると知っているが故の強がりじみた拒絶が狂おしいですね
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自分は相手に付き合ってあげてるだけという名目を保ちたいのに、相手がしきりに「嫌なら言って。やめるよ」と不安げな顔で尋ねてくるから、結局「…嫌じゃない」と本心を吐露しなければならなくなる人は可愛らしいですね。さらに聞き返されて「嫌じゃないから!」と叫ぶように言って顔を覆えばなお素敵
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相手が「する?」とだけ口にしてきたので「なにを?ちゃんと言ってよ」と意地悪してみたら睨まれて叩かれる話や、相手に「いいことしようか」と微笑まれて動転して「いいことってなんですか?」と尋ねて「言わせる気?」と手を重ねられる話も、はっきり言葉にしないからこそイケない空気が漂いますよね
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触れ合いに、「ご褒美」の名目をつけるのが甘美ですね。些細なことでも「よく出来たね」「いいこだね」と褒めるようにして、「ご褒美はなにがいい?」と尋ねて。恥じらいながら「頭を撫でてほしいです」と口にされたなら、甘ったるく撫でて、相手をその甘い支配から逃れられないようにしたなら良い
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「自分だけを見てほしい」とこじれてしまう愛の形にも美しさがありますね。相手は自分だけのものではないと分かっているのに、自分だけのものになってほしくて、誰かと話しているだけで胸をかき乱されてしまって止まらなくて。「こんな感情を抱きたいわけじゃないのに」と1人で重い愛に苦しんだら良い
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相手と一緒にいるだけで、癒されたような気分になってしまう2人が愛おしいです。自分が落ち込んでいる時に、明るく溌剌とした相手を見ているとそれだけで、悩んだことが遠のいて楽になる気がして、「お手軽だな」と思えば思わず笑みがこぼれて。「なに笑ってるの?」と楽しそうな顔を眩しく見たら良い
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2人きりの時だけの「呼び名」を、作っている恋人達が愛おしいです。音の並びでしかないのに、相手に繰り返されるたび特別になっていって、そう呼ばれるだけでじんわりと熱が生まれるようになって。人前でわざと呼ばれたならば、痛ましいほどに動揺してしまって、躾けられていることを実感したなら良い
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「恋人」の名前がついたからこそ距離を掴みかねて、相手と離れてしまう人が愛おしいですね。友人だった頃は気にせずに、腕を触ったり肩を引き寄せたりしていたのに、恋人となれば全ての行動に意味がある気がして足が竦んで。「なんで反対になってるんだろ」と迷いながらも、問いかけられなかったら良い
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束縛する人間を嫌っていたはずなのに、相手からの束縛は嫌だとは思えない人がいじらしいです。「束縛なんて器が小さい人間がすることだ」とそれまでは思っていたのに、いざ相手にむき身の独占欲を見せられると、愛されている実感が湧いて、愛しさすら覚えて。「されるの嬉しいな」と感じてしまえば良い
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「僕は君としか幸せになれない」という告白も美しいですが、笑顔で放たれる「君は俺としか幸せになれない」という告白も眩くて惹かれます。「君みたいな面倒なやつと一生付き合えるのは俺ぐらいだよ」と告げられて、相手は泣きながら頷いても良いし、「うるさいバカ」と悪態つきながら顔を覆っても良い
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振り回したいとは思うのに、どうしても相手に甘くなってしまう人が可愛らしいですね。意地悪を言われても、「イヤ?」と見つめられると「イヤじゃないけど」と口が動いてしまって、そっぽを向いても、「ごめんね」と抱きつかれると腕を回してしまって。自分の甘さに呆れつつ、惚れた弱みと悟ったら良い
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色々な愛の告白がありますが「あなたを私に愛させてください」という告白は、相手の心を一瞬で射抜く熱烈さを持っているから素敵ですね。震えて首を振る相手にゆっくり近づいて腕を引き寄せ、手の甲に口付けて「許して」と懇願めいて呟いて上目遣いに見上げたら、誰もが陥落して許しかねない耽美さです
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「好き」と口にすると負けだと思っている、面倒な人が可愛らしいですね。恋心を持ってはいるけれど、プライドの高さからきちんと認めることはできなくて。「でも好きなんだよね?」と他人に尋ねられたら逃げ場を失って、目を逸らしながら「……嫌いではないけど」と精一杯の言葉で誤魔化したならば良い
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恋の熱を持たない、額へのキスが美しく見えますね。眠りについた相手を眺めているうちに愛おしさがじんわりこみあげてきて、静かに近づいて、起こさないように優しく唇を落として。この行為がなんの意味も持たないことは知りながらも、大切な人の眠りが安らかであるようにと深く祈ってしまったなら良い
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普段は愛の言葉を使わない人が、肌を重ねている最中だけ素直になってしまうギャップに、引きずり込まれます。色づいた相手の頰をするりと撫でて「愛してるよ」と告げて。途端に恥ずかしがる相手に繰り返して。言われている相手は必死で唇噛み締めながら「君ってほんと…意地が悪い」と思っていたら良い
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ねだる時にだけ、特別な呼び方をしてしまう人のズルさが、憎らしいですね。お願いと言われてもきかずにいたら、とっておきの響きが耳に滑り落ちてきて、思わず顔を見ればフッと微笑まれて繰り返されて。卑怯な手段と感じるのは、2人の間での呼び方を自分が大切に閉じ込めておいているからだったら良い
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血が混ざり合う荒々しいキスに、夢見てしまいます。相手が無理やり唇を重ねてくるものだから苛立って、捻じ込まれた舌に歯を立てて、じわりと口内に血の味が広がったのに。離れられるどころか、頭の裏を手で押さえつけられてさらに深まるものだから、溶けていく意識の中で「獣みたい」と呆れたなら良い
2270
相手が自分にいかに甘いかを自覚して、甘えたおす人がいじらしいです。「疲れた」と言えば「大丈夫?」と抱きしめられることを、「好き?」と尋ねれば「愛してるよ」と額にキスが落ちることを知っているからこそ、いつでもベッタリと優しい身体に近寄って。「大切にされてるな」を実感したならば良い
2271
「僕と幸せになりませんか?」という言葉は可愛くて素敵ですが、「僕と不幸になりませんか?」という言葉に惹かれます。幸福な人を自らの不幸まで引き摺り下ろそうとしているのか、同程度に幸福な人にする堕落への約束なのかで意味は変わりますが、どちらにせよ、待ち受ける運命の暗さが垣間見えて良い
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相手には穏やかな姿を見せて好印象を抱いてもらいたいのに、つい出会うと胸の騒めきから動揺して余計なことを言ったり素っ気ない態度を取ったりして後々頭を抱える、不器用に恋する人に惹かれます。恋されている相手は「嫌われてるのかな」と落ち込んでも、「不器用だな」と見透かして笑っていても良い
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自然な持ち込み方が分からずに、「キスしたい」と口にしてしまう人の初々しさが魅力的です。どうしていいのか見えなくて欲求を自分なりに表現したのに笑われて、素早く頬に口付けられて離れられて。「キスしたよ」と言われてしまうので仕方なくて、「もっとキス、したいです」を言わされてしまえば良い
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喧嘩した後、あの2人はどうやって謝るか考えるのが楽しいですね。後ろから抱きついて「ごめん」と呟くのか、涙を流して「僕を嫌いにならないで」と縋るのか、「…もうしない」と呟いて頭を撫でられるのか、相手の好きな食べ物を色々揃えて「食べて」と示すのか。関係性によって何通りも想像できますね
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ふとした時に、失った相手を実感して苦しくなってしまう人が、愛おしいですね。見るものや食べるものや何気ない日常のひとコマから相手の痕跡を見つけだしてしまって、「もういないんだな」と思ったなら急に想いが流れこんできて。悲しむ時間なら散々持ったはずなのに、また動けなくなってしまえば良い