アイルランド。 「ロシアの会合招集を深く遺憾に思。不当かつ不法な侵略を言い訳にする試みの一環として根拠のない主張をしていることが耐えがたい。偽情報を広めるために安保理を使うという有害な行為は、安保理の役割をおとしめるものだ。ロシアの侵攻が人道的な大惨事を引き起こしている」
ノルウェー。 「2週間前、ロシアは平和な隣国に戦争を仕掛けた。数日後、拒否権を悪用して安保理が国際の平和と安全を維持するという任務を遂行するのを妨げた。そしてきょう、根拠のない主張に基づいて会議を招集した。学校や病院や民間施設を砲撃している。ロシアは戦争をやめねばならない」
中国。 「いま必要とされているのは、外交努力を強め、緊張を緩和し、ウクライナ問題をできるだけ早く、政治的解決の軌道に乗せることだ。和平交渉に必要な環境、条件を整えるべきだ。中国は国際社会と協力し、情勢悪化を防ぎ、平和のために役割を果たしていく」 まずは従来通りの主張と一般論。
中国。 「WHOがウ政府に勧告をしたと言う報告を気に留めている。具体的な情報に期待。関連研究所の安全と安心の確保を求める。米国の発言を断固として拒否する。国際社会は米軍の生物兵器活動に懸念を募らせている」 北京にならい、ロシアのプロパガンダを事実上後押し。
ブラジル。 「BWC違反は極めて深刻であり、独立期間により、確固たる証拠によって立証されなければならない。調査メカニズムが十分でないことが残念。今日の会合は、そうしたメカニズムの緊急性、必要性を訴えるものでもある」 ロシア名指しせず。歯切れは良くない。
ケニア。 「愛する人を失ったご遺族だけでなく、何百万人もの難民、国内避難民に心を寄せたい。ウクライナ、ロシアの両者が停戦を探る会合を開いたが、さらなる努力を求めたい。制裁が世界の食糧供給を脅かし、コロナからの回復にも影響を与える。人類が崖っぷちに立たされている」
ガボン。 「ウクライナにおける戦争で、生物化学兵器使用の危険性が続いていることが明確になった。こんな事態は人類の利益にならない。対立と分断を超えて、解決策を見つけることに焦点を当てたい。安保理は罵詈雑言の場ではないし、そうなるべきでもない」 その通り。安保理とはなんなんだと。
ロシア、再び発言希望。 「予想通りプロパガンダだと非難がきた。軍事プログラムというのは機密事項であり、関与している人々はわざわざ報告しない。我々は戦争を開始していない。それを終わらせたい」 他にも偽情報を多数突っ込んでくる。
米国、呆れた顔でやり返す。 「ウソにこれ以上時間を割きたくない。侵略者はただ1人、ロシアである。ロシアが攻撃を終わらせ、ウクライナの人々の苦しみを終わらせようと、良心の中にそうしたものを見出すことを期待している」
ウクライナ。 「過去2週間のロシアのウソを並べるだけで、1時間ぐらいかかるでしょう。攻撃を受けたマリオポリの病院は正当な標的だと証拠もなく言う。良いニュースを。マリアナという妊婦が昨夜、元気な女の子を産みました。名前はベロニカです」 病院にいた妊婦、という趣旨なのだろう。
ウクライナのキスリツァ国連大使、この数週間、ずっと怒った顔をしている。 「ウクライナ人が殺されている。破壊されている。そんな時に、ロシアの捏造に耳を傾けさせられている。ウクライナに対する戦争をなんとか取り繕うと、必死になってつくられたウソを。侵略者を早くとめ、責任を問わなければ」
会合後、米国連大使。 「我々は真実を信じている。ファクトを信じている。自分たちの目と、耳を信じている。あなたたちが日々、報道していることを信じている。独立したメディアを信じている。世界がロシアの侵略戦争の目撃者だと信じている。ロシアがどんな試みをしようが、それは変えられない」
ロシアが拒否権を持つ安保理は無力ではないのか。国連にいったいなにができるのか。「機能不全」なのか。 そんな疑問を持った方は、以下の記事を。今日の会合も徒労感がありますが、「あえてウソをつかせ、それを糾弾する」という狙いがあります。それが有効かは別ですが。 asahi.com/articles/ASQ3B…
ロシアが要請した安保理会合の長行記事です。 「ウクライナの人びとが殺され、都市が破壊されているのに、安保理でロシアの不合理な偽りに耳を傾けざるをえないのです」 ウクライナ大使の言葉です。会議取材ばかりで歯がゆいですが、ここも「現場」だと思いやっています。 asahi.com/articles/ASQ3D…
「核戦争に勝者はなく、決してその戦いはしてはならない」 ロシアを含む核保有5カ国がそう記した共同声明を発表したのは、わずか2ヶ月前のことです。核軍縮の行方がどうなるのか、もはや見通せません。 そんな中、NPT再検討会議の日程が確定しました。8月1〜26日です。 asahi.com/articles/ASQ3D…
ロシアのプロパガンダ発信源の一つになっているのが、在英大使館です。 攻撃を受けた病院を「閉まっていた」などと根拠を示さずに主張し、ツイッター社は投稿を削除。 写真の女性も「役者」と言われましたが、実際に出産しました。女の子。その名は、ベロニカちゃんです。 digital.asahi.com/sp/articles/AS…
ポーランド国境からわずか十数キロ、ウクライナ西部の軍事基地に、ロシアがミサイル攻撃を仕掛けたとのこと。 地図で見るとわかるが、多くの報道陣らが拠点とするリビウよりも西側。ロシアの侵攻はこれで、さらにエスカレートしたことになる。 twitter.com/ChristopherJM/…
ロシアが生物・化学兵器を使用するのではないか。 そんな疑念が高まっています。ロシアはすでに「ウクライナは生物兵器を開発している」といった「地ならし」をしています。 ただ、ウクライナで生物兵器が開発されているといった証拠はありません。国連も否定しています。 asahi.com/articles/ASQ3F…
近く取材予定の専門家によると、生物兵器をめぐるロシアの偽情報は、ソ連時代の1949年から行われています。 「パキスタンの研究所では、殺人蚊の開発が行われてる。それはCIAが資金援助している」「HIVウイルスはアフリカの人口を減少するために米国が故意に作った」などです。パターンです。
シンクタンク「ランド研究所」は、ロシアのプロパガンダモデルについてまとめています。 1) 大量に、マルチチャンネルで 2) 迅速に、継続的に、反復して 3) 客観的現実は気にしない 4) 矛盾があっても気にしない 今回の「生物兵器」の件とも合致します。 ■報告書→bit.ly/3t7dbUu
私が懸念しているのは、今回のロシアの宣伝工作が日本でも一定の成果を上げていることです。 「コロナは人工的に作られたもの」「ワクチンは危険」といった虚偽の言説と親和性が高く、誤った認識が広がりかねません。すでに米国では、Qアノンとの結びつきが語られています。 cnn.it/3t5Z8ie
「ウクライナが燃えている-Ukraine is on fire」 国連のグテーレス事務総長が、報道陣にそんな声明を読み上げています。 「世界が目撃する中で、国が壊滅状態になっている。市民への影響は恐ろしいほどのレベルに達している。数えきれないほど、無辜の人びとが殺されている」
グテーレス国連事務総長、会見要旨。 ・少なくとも24の医療機関が攻撃を受けた ・この戦争に勝者はなく、敗者だけがうまれる ・国連はさらに47億円を緊急支援 ・小麦の輸入をウ、ロに頼る最貧国に大きな打撃 ・核衝突が考えられうるレベルにきている ・外交と対話に遅すぎるということはない
"....is on fire."という表現。グテーレス事務総長は過去にも言ったようなと調べてみると、2020年の年始のあいさつでした。 気候危機にからめて、"Our planet is on fire."と使っていました。ただ、一つの国に対しての表現としては、記憶にはありません。危機感の表れです。 un.org/sg/en/content/…
ウクライナ危機、二つ目の国連総会決議を採決へ。 フランス、メキシコの両国連大使が発表。今回は人道危機にフォーカスを当てたもの。安保理ではロシアから拒否権を行使されることが見込まれ、「より迅速に、より幅広い声を届かせる」ことが得策だと判断した模様。 141カ国からどの程度増えるか。