ウクライナ情勢について、安保理会合が開かれました。「恐怖のパズル」の様々なピースがはまっていく、とアルバニア大使は表現します。 子どもの2/3が自宅を追われました。性的暴行や人身売買のリスクが高まっています。 が、ロシアは「ウ側の責任」との認識を示しました。 asahi.com/articles/ASQ4D…
ドイツ。 「ブチャやイルピンの映像が記憶に刻まれている。女性や少女を殺害した仲間が、隠蔽のために焼いたり轢いたりした、という報告もある。こうした犯罪が放置されることはない。女性や子どもを可能な限り保護することが極めて重要。ロシア軍は即時完全無条件撤退を」 NY時間13:00、会合終了。
ルーマニア。 「難民の包摂、保護のために六つの作業部会を立ち上げた。医療、教育、労働、住居、社会的に脆弱な方たち、子どもと若者。各部会とも、それぞれの行動計画を策定している。彼らが困難な乗り越え、尊厳を守るために全力を尽くす。我々が立ち上がるのは、自分達の価値観のためだ」
ポーランド。 「450万人の難民のうち、260万人がポーランドに到着。心身ともに脆弱な女性と子どもが9割。3年間の滞在許可など様々なサポート。戦争があれど、希望と連帯もある」 首都ワルシャワだけで10万人の難民の子がいて、すでに1万5千人が学校に通っているという。
続ウクライナ。9歳少年が「女性の日」に記した手紙。 「お母さん、人生最高の9年間をありがとう。お母さんは、世界最高のお母さんです。絶対に忘れません。天国で幸運を。いい子にするようにします」 この少年の母親は、占拠された町から車で逃げようとした際に、ロシア兵に殺害されたという。
ウクライナ。 「旧ソ連の常任理事国の席に、プーチン政権の代表がいると認識している。ロシア政府の代表のためにより適切なのは、ウクライナで行われた戦争犯罪のための裁判の席のはずだが。プーチンの今日のウソは、予想通り、一切合切を詰め込んだものだ」 everything but the kitchen sink.
再・アルバニア。 「プロパガンダのためにここにいるのではない。それがどこから来るか、みな知っている。私たちの話は事実確認、裏付けがなされている。ウクライナに侵略戦争がないと主張し続けるのは、世界が平らだと主張し続けることに等しい。信じる人がいても、それは真実ではない」 良い反論。
英国。 「本日、残念なことに、ロシアが極めて異常な、ウソとしか言いようがない声明により、現実から目をそらし、水を濁そうとするのを耳にした。しかし、事実は、ロシアは民間人や住宅地に攻撃しており、それは実に野蛮だということだ」 安保理が「ウソ/ホント」の議論の場になっている。
ケニア。 「我々がここにいるのは議論するためではない。ロシアが、ウクライナの領土保全と主権を武力によって破ったからだ。国際法や国連憲章を無視し続け、その結果である危険な世界を、改めて非難せねば。戦死した母親ほど、苦悩を知るものはいない。停戦交渉にも女性や母親を含めるよう求める」
続・ロシア。 「ウクライナの残酷さは抑制が利かないほどになり、イスラム国(IS)とすら一線を画すようなレベルに達してしまった。だから、我々の特別軍事作戦の必要性があり、他に選択肢はなかった。ウクライナの将来のため、近隣諸国の安全のためだ」 ウクライナ市民はこれを聞いてどう思うか。
ロシア。 「西側のやり口は、特別軍事作戦を歪めて信用を失わせ、不都合な事実に沈黙を守り、ウクライナのプロパガンダを促進することだ。その戦争は、地上での軍事作戦に匹敵するほど激しい。推定無罪を踏みにじっている。駅の攻撃はウクライナ軍のロケット砲によるもの」 独自の主張を展開。
ノルウェー。 「生活や幸せが、戦争によって常に脅かされている。暴力や移住の強制により、心に傷を負っている。生きる場所、学ぶ場所、遊ぶ場所の破壊もそうだ。未来が危機に瀕しているのだ。肉体的、精神的な傷は何世代にもわたって残る。間違いない。無意味な戦争をやめるよう、改めて訴える」
ガーナ。 「ウクライナで広範かつ重大な国際人道法違反の疑いのある事案が報告されていることを深く憂慮。戦時下では女性と子どもが大きな影響を受ける。ロシアに対し、軍隊を引き上げ、対話と外交の道を求めるよう要請」 この範囲であれば、多くの国が名指ししてロシアを非難する。その先が難しい。
続・アルバニア。 「プーチン大統領も父親のようだ。もし彼と話す機会があれば、たった一つ尋ねたいことは、あなたの娘が11歳のユーリちゃんと同じ状況になることを受け入れられますか?ということだ。家を追われ、空爆がある度に心臓が止まるほど怯えている子だ」 プーチンは何と返すだろう。
アルバニア。 「なぜ国連はロシアを止められないのか、という国民の憤りをくり返し耳にする。この問いは正しい。ロシアが拒否権を行使することで、安保理を人質に取り、ウクライナに安全をもたらすことを妨げているからだ。ただ、ロシアが拒否権を行使できない国連もある」 三つの総会決議に言及。
米国。 「モルドバとルーマニアで会った女性たちには、みな、それぞれ違う物語があった。ただ、みなが同じ夢を持っていた。それは、平和なウクライナに帰ることだ。ウクライナに帰って、自分たち自身の、そして自分たちの子どもたちの未来を見ることだ」 和平プロセスに女性が欠かせないと強調。
人権団体La Strada Ukraine。 「女性や少女の性的暴行、レイプについては多くの事実、事件がすでに暴かれ、報告されている。ただ、それは氷山の一角に過ぎない。平和を取り戻し、民主主義的なプロセスを強化、発展させるには、ボランティアや活動家、ジャーナリストに、女性の存在が欠かせない」
ユニセフ。 「320万人の子どもが自宅にとどまっており、そのうちの半分ほどが十分な食事を取れていない可能性がある。昨日時点で死亡が確認された子どもは142人。負傷した子どもは229人。実際にはもっと多い。たった6週間で3分の2の子どもが自宅を追われた」 教育の機会が奪われていることも問題。
UNウィメン。 「モルドバの一時避難施設を訪れた。小さな女の子のタティアナは、出身地のオデーサは美しいと言った。医者になる夢があるのに、勉強が中断を余儀なくされたと言った。逃げなければならなかったからだ」 レイプなど性的暴行の被害報告、人身売買の危険性も増大しているという。
安保理の出す成果物としては、決議/議長声明/報道声明という公式見解、報道機関向け発表文という四つの形態があります。 ただ、決議は拒否権を使われたら通らず、他の三つも安保理として合意することが必要です。そのため、これまで15回の会合では、ただの一度もそうした成果物を出せていません。
安保理理事国は、先日のロシア人権理追放決議に、以下のような投票行動を取りました。 【賛成6】 米国、英国、フランス、アルバニア、アイルランド、ノルウェー 【棄権6】 インド、UAE、ブラジル、メキシコ、ケニア、ガーナ 【反対3】 ロシア、中国、ガボン 各国に温度差がある中、今日はどうか。
ウクライナ危機。3度目の国連総会決議採択を経て、まもなく安保理の緊急会合が開かれます。アルバニアと米国が要請。1/31以来、これで16回目になります。 焦点は、女性と子どもについて。UNウィメンやユニセフの幹部が冒頭に現状を説明します。非欧米諸国の発言に注目です。 asahi.com/articles/ASQ48…
"ただ、生きたい。生き延びることしか頭にないのです" ウクライナ北部チェルニヒウ出身、20歳のサーシャさん。首都の大学で日本語を学ぶが、戦禍で一時、授業を欠席した。 それでも、生きることで失わずにすんだ夢がある。それは「いつか、日本に留学すること」という。 asahi.com/articles/DA3S1…
"黒く焦げた地面と、赤茶けた車体が、色彩に乏しい世界を形づくっていた" 惨劇が伝えられるウクライナ・ブチャに、国末記者 @KunisueNorito/竹花記者@MrTT11が入りました。 「航空機が墜落したかのような光景」。また、小川を隔てて向かい合うイルピンでも取材しています。 asahi.com/articles/ASQ49…
これらの取材については、みつをさん@ura5ch3woや雨宮さん@caffeloverといった、日本のQウォッチャーにご協力いただきました。 「日本のマスコミも危機感を持て」。とても重い言葉でした。陰謀論や偽情報、誤情報の取材には、欧米のように専門記者が必要な気がしています。 bit.ly/3NZYmfc