126
母:この子(豊前)はあれだね……吹奏楽部で、だいたい4月〜5月にかけて新入部員の片想いを根こそぎさらってく。あと謎に運動神経良さそう。体育祭では選抜リレーに選ばれるタイプの文化部。
私:詳しいね。
母:でも塾とかで彼女作ってそう。
私:そのネタ貰っていい?
母:村正ちゃんもあるよ。
127
人は老いる。
刀剣男士は変わらない。
人は心変わりする。
刀剣男士は変わらない。
ある本丸に、とても純粋な刀剣男士が居た。彼は素直だった。素直に、人である審神者を大切にしていた。審神者が大好きだったのだ。
だから、彼は審神者の願いを叶えたかった。
「ずうっと一緒に居たい」
128
主、あのね。
その言葉から始まる手紙を、とある本丸の刀剣男士に書かせてみた。これは、その結果である。
129
これは、とある本丸に譲渡された刀剣男士の話である。
刀剣男士の譲渡は、本来そう簡単に出来るとこではない。余程のことでもない限りは、刀解か連結、習合をする事で調整出来るからだ。そして今回、その余程のことが起きた。
「なんだぁ、その目はぁ。」
不動行光が、譲渡されてきたのである。
130
審神者養成学校では、卒業前日の午後に初期刀を選び顕現する伝統がある。では午前は何をするのかというと、現職の五名の審神者から初期刀五振りについて教えてもらうのだ。
良い面、悪い面、その他様々な意見を聞いた上で、最終的に自ら選ぶ事になる。
今年も、その日がやってきた。
131
#バイトやらかし大会
小さな個人食堂でバイトしてた時の事。そこはエビフライ定食が目玉でよく注文受けてたんだけど、混雑時に「このエビは何(という種類)?」と聞かれて、アホの極みだった私は「エビフライですね!揚げたやつです!」と見りゃ分かる事を自信満々に答えた。店中で爆笑された。
132
「加州清光を選んだのなら、馬鹿でいては駄目よ。」
演練会場で出会ったその人は、ニコリともせずにそう言った。傍らに控える刀剣男士は、皆高練度の極だ。落ち着いて立っているようで、その全身は一縷の隙もない。強者、と呼ぶに相応しかった。
「加州清光は、馬鹿には扱えないの。」
133
打刀の運転
・鳴狐
静かな運転をする。でも何故かBGMは必殺仕事人。毎回シートベルトの効きを確認する癖がある。
・村正
人を載せる度に「命、預かりマスね」って言う。でも安全運転。クラクションを鳴らしてみたいけど勇気がない。
・亀甲
シートベルトはきつく締める。超絶安全運転。
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これは、とある本丸の初期刀、山姥切国広のささやかな話である。
その日、本丸は朝から大忙しであった。いや、実際には去年の秋頃から俄に忙しくなりだし、昨日などは一部の刀剣が鬼気迫る顔になっていた。まあ何があるのかと言われれば、それは単純なことだ。
この本丸の審神者が、成人するのだ。
135
鍛刀は、必ずしも狙った刀剣男士が来るわけではない。資源の数である程度の刀種は絞れるが、それだけだ。
そうして、大抵の場合狙った刀でないものが来ると、審神者はがっかりする。
「あー、そっちかぁ。」
その日も、ある本丸でそんな事が起きた。
136
マジで生涯推して参る所存だしずっとそばに居て欲しいし片時も離れたくないし一日たりとて求めない日はない。間違いなく過去最高の熱意で持って推してるのに、一万円札だけ集められない。こんなに推してんのに。こんなに愛してんのに。
137
これは、鎌倉防衛戦への遠征にて、とある本丸の遠征部隊から審神者へ入った緊急連絡から始まった。
「あ、主!あのさ……遠征で刀剣男士ドロップする事って、ある?」
加州からのその言葉に、審神者は一先ず鳩を使うことにした。聞けば、刀剣男士は意識がないようで顕現も解けかかっているらしい。
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これは、とある刀剣男士の話である。
その刀剣は、とある本丸で顕現された。彼は一目で主を気に入り、毎日楽しく過ごしていた。練度を上げ、近侍として主を支えていた。
その刀剣にとって、主は宝物だった。とても大好きで、とても大切で、なにものにも変え難い存在だった。
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自分を顕現した審神者以外に懐けない刀剣男士選手権
第3位、今剣
「亡くなった審神者の本丸からうちに来て五年。彼は今日も、空を見上げて彼だけの主を探しています。」「双子の姉の本丸で唯一遺った子。私を一目で違うと見抜き、守れなかった事を謝ってすぐ、顕現を解いてしまいました。」
140
太刀のみで部隊を組んでの戦闘中だけ、超絶手荒な戦い方になる太刀共が見たい。
敵脇差の首を掴んで握力でバキッとへし折る三日月宗近が見たい。
鬱陶しい敵短刀を掌で壁に叩き付けそのまま潰してしまう小狐丸が見たい。
敵の一閃を別の敵の頭を強引に掴んで盾にする大典太光世が見たい。
141
今日生まれた未来の主へ。
主、生誕おめでとう。産声を上げる主に、可能な限りの祝福を。健やかに、そして伸びやかに生きてほしい。生きる事の喜びを、尊さを、全身で感じてほしい。喜怒哀楽を大切にして、世界に触れてほしい。
そして主が、いつの日か審神者として来る事を、楽しみにしているよ。
142
twst、授業150回か。
刀剣乱舞で10万のよく分からん光る玉とか集めてるせいか、3桁なんて可愛いもんだとしか思えなくなってた。
ありがとう刀剣乱舞。
麻痺させてくれてありがとう。
143
きっと刀剣男士の中には、初めて近侍を任された日を忘れられないやつが一定数居る。
144
もしあなたの危機に刀剣男士が現れて、あなたを仮の主にする事になった時の一言
三日月宗近
「月は好きか?」
小狐丸
「拾ったからには、世話をしてもらいましょうか。」
石切丸
「随分とつかれているねぇ。」
今剣
「いっしょにあそびましょう!」
岩融
「我が名を呼べ、人の子よ!」
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これはある一人の審神者の、いや、一人の母親の話である。
その人には、一人の子どもが居た。審神者として生きる女性にとって、結婚と出産は容易な覚悟では出来ない。なんせ、普通の形では家庭に入れないのだ。それでもその人は結婚をし、子どもを成した。三十代半ばの事である。
146
ギャル仮審神者、はせぴの為に仕事(バイト?)休んで欲しい。
「ダチが困っとうけん、ちょっと東京行ってきます。マジで。後で叱られるんで。マジで。バスなんで。あ、SUGOCAって東京でも使えるんかな。」
って連絡と独り言ごっちゃにしながらカッコよく高速バス乗り場にチャリ爆こぎして欲しい。
147
とある本丸で、とある刀が密やかに審神者への恋を実らせた。このことはその刀と同派のものどころか、本丸の初期刀も、こんのすけすら知らない。その刀と審神者、当人同士のみの、本当に密やかなものである。
だから、彼らは祝言も挙げなかった。ただ手を取り合い、目を見ては逸らし、笑みを浮かべた。
148
これは、とある本丸の話である。
その本丸の審神者は、特定の部屋から出ようとしなかった。初期刀すらも殆ど顔を見た事がなく、仕事はいつも紙に書いたものをこんのすけが持ってくる。
手入れすらも、審神者は札を使って一瞬で済ませてしまう。その札も、こんのすけが持ってきて代行するのだ。
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刀剣男士、好きだよ、とか愛してる、といくら真剣に伝えてもどこかピンときていないが、お前の切れ味は良いね、とか私の大事な刀、と物としての価値を更に特別とした言い方には有り得ん程照れるし喜ぶと良い。
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アテクシ、恋愛感情どころかクソデカ感情をぶつけ合ってるような、しかし恋人ではない腐れ縁とかそんな関係の二人が、何かの拍子にしたくなったからという理由のみでキスしてそれ以降お互いをがっつり独占するけどやっぱり付き合ってないし、でも一線超えるまで秒読みみたいなの大好きです。