1
痣の影響で25歳までという儚い時を過ごす不死川は、相当無口になっていた。
死が近づいて、いよいよ床に伏せた事で鎹鴉から報せを受けて駆け付けた宇隨と炭治郎達に、不死川は
「悪ィな、ちび共が騒がしくしてたろ。」
などと言う。
2
今何となくハイキュー脳で、北一時代及川から一度も頭を撫でられた事のない飛雄が、烏野に入ってよく頭を撫でられるようになって、そこで初めて(俺、あの人の後輩じゃなかったんだな)という認識してたらと思うと胸が痛い。
以降、及川の事を「中学が同じでした」としか言わなくなる。(飛雄なりの配慮)
3
燭台切光忠、本丸開始早々に顕現されて暫くは前線に居たけど、そのうち大太刀や薙刀、遠戦、そして極短刀や脇差の参戦であっという間に遠征や内番、厨に居着くようになって久しかったところで、太刀初の極。
あの日、遠戦直後馬を走らせ誰より先に敵を屠った背中に、また憧れを抱く男士が増えたよね。
4
これは、とある本丸の話である。
審神者は、恋をしていた。
奥手故に見て楽しむくらいしか出来なかったが、別にそれで十分であった。
刀剣男士と審神者が結ばれる事は、決して禁忌ではない。多くはないというだけで、探せば案外居るものだ。
5
と舌っ足らずに言われた事がある。あまりに可愛くて心臓貫かれたのを覚えている。その後すぐ同級生が気付いて携帯取り上げてたけど、後から聞いたら普段は決してそんな事(人の携帯に触る事)をする子じゃなかったらしい。
多分、お姉ちゃんとの時間が欲しくて勇気出して意見したんだろうな。
6
そんな経験があるから、人数多い兄弟や年の離れた兄弟設定を見るといつもこのネタを想像して心臓を抑えてる。いやほんと可愛いから。
7
高校生の頃、4人兄弟の1番上だった同級生と仲良くてよく携帯で通話してたんだけど、ある日電話をかけたら末の弟くん(確か当時まだ幼稚園児だった気がする)が出て
「ぼくね、くじにねらんといかんけんね、おねえちゃんとのでんわそれまでにおわらして。おねえちゃんとおはなしできんけん。」
8
太刀のみで部隊を組んでの戦闘中だけ、超絶手荒な戦い方になる太刀共が見たい。
敵脇差の首を掴んで握力でバキッとへし折る三日月宗近が見たい。
鬱陶しい敵短刀を掌で壁に叩き付けそのまま潰してしまう小狐丸が見たい。
敵の一閃を別の敵の頭を強引に掴んで盾にする大典太光世が見たい。
9
某月、甘露寺家にて。
その日、朝から蜜璃は帰って来た。
とても美しく包まれた箱に収まる、無言の帰宅だった。あの子らしい桃色と若葉色の包みは、あの子らしくないほど小さくて。私は、人生で二度目の腰を抜かした。
10
これは、とある本丸の話である。
その本丸の審神者は、幼い頃に審神者になった。親の本丸を継ぐ形で、その座に就いたのだ。普通ならば許されぬような年齢であるが、その許しが必要ない状況にあったと言えば、まあ、語らずとも審神者の置かれていた状況は分かるだろう。
11
これは、とある本丸に居た刀剣男士の話である。
いくつもの国に分けられた、いくつもの本丸がある。その数だけ審神者が、こんのすけが、そして刀剣男士が居る。所変われば事情も変わり、あらゆる事象が生まれては解決されてゆく。
12
伊黒さん、転生したあと薄ぼんやりと記憶があるといい。でも薄ぼんやりだから覚えているのは桃色と若草色のとても可愛い女の子が居た事と、その子を何としても嫁にして幸せにして添い遂げねばならないという、蛇のような執念だけ。
ある日偶然その子を見付けて、更に記憶が戻る。
13
本当に残酷な奴ってどんな奴だろうかって話を友達としてたんだけど
私→「お前が一番の理解者」みたいな特別感を惜しみなく与えといてアッサリどこにでもおるような奴と結婚する奴
友→その結婚式の前日に、そいつの前でお前がずっと好きだったから、もう幸せになれない自分の分も幸せ掴んでって言う奴
14
これは、とある本丸の話である。
その本丸の審神者は、勤勉で、真面目で、素晴らしいという言葉が服を着て歩いているような人だった。厳しいだけではなく、かと言って優しいだけでない。良きを認めて、悪きは正しく裁くような人だった。
平等で、そう、どこまでも平等だった。
15
「なあ、それお前の家の子守唄か?」
玄弥の言葉に、炭治郎は歌うのを止めて顔を上げた。こんこんこやまのこうさぎは、から始まる、可愛い歌だ。そんな炭治郎の膝では、幼い姿の禰󠄀豆子がすよすよと眠っていた。
「ああ、家でよく歌っていたんだ。」
16
字書きあるある
・何故か自分でも想定しない方向へ進む
・同じ接続詞(しかし、だが等)や語尾(だった、している等)が連続すると不安になって書き直す
・完成までに全消しする事がよくある
・一人称や呼び方、話し方に細心の注意を払ってる(でもたまに間違う)
・公開してから誤字に気付いて心が死ぬ。
17
今度こそあの世に来た実弥に、幼くして亡くなった弟妹達が駆け寄っていく。残念ながら母親はもう地獄への道を父親に連れられて歩いて行ってしまったようで、姿はない。兄ちゃん兄ちゃんと懐いて離れない愛しい愛しい弟妹をあやしつつ、あの日唯一生き残り、そして唯一己の腕の中で消えた弟を探す。
18
鬼が全て滅して、ほんの数年も経たぬ頃、風柱様が逝去なされた。
痣者となられ、強さと引き換えに寿命を明け渡したのだと、しがない元隠にはその程度の情報しかない。なにせ家族もなく、戻る家もないからと鬼殺隊の解散後も産屋敷家の細々とした雑事を片付ける仕事を与えて貰えただけの端役だ。
19
なんか、あの、あれ。
人生で一度くらい、誰かを心底愛してみたい気もする。
泣きたくなる程愛して、憎い程愛して、怖い程愛してみたい気もする。
でも、凄く難しい気がする。
そう考えると、人生って本当に短いし替えがきかないね。
20
イデアとリドルって、本当に対局なんだな。
天才が産んだ天才と、秀才が産んだ秀才。両者とも才能を伸ばし成功を掴む方法を己の身で知ってて、我が子の為にそれを惜しみなく教えてる。そして、子がそれを受け止めるだけの容量がある。でも多分、リドルは秀才までしかなれないんだろうな。
21
演練で、いつも負けた相手を「弱い」「育て方が悪い」「審神者失格」と必要以上に手厳しく叱責する事で有名なある審神者。当然ながら凄まじく嫌われている。
しかしある日、演練会場が襲撃にあった。その時その嫌われ者の審神者は「お前達は弱いんだから、早く逃げろ!」と迷わず前線に立った。
22
とある本丸の審神者が産んだ子は、人見知りが激しい。演練会場へ連れて行っても基本的にほぼ顔を上げられないし、刀剣男士の傍を離れられない。その刀剣男士も、加州か五虎退が精一杯。
ある日、親である審神者が受付をする為に離れた瞬間、突如会場に警報が響く。
23
とある本丸が襲撃に遭った。
世代交代をしたばかりの本丸だった。
新しく審神者に就いたのは、まだ十代の若い人間。孤児で、施設でもあまり良い待遇は受けていなかったらしい。審神者の素質が分かってからも、ろくに学ぶ時間をとれずに主を失った本丸へ就いたのだ。
24
オタク、万が一の際の願い
お……お願いだから
か……片っ端から
し……処分して。(中身を改めるな)
25
実際問題、あんなに刀剣男士が居て、全員と上手いこと思い出が作れたり仲良くなるのは難しい。事実審神者ちゃんと同田貫は数える程しか会話をしていない。これは恐らく珍しいことではなく、よくある事になるんだと思う。
それでも、男士達は数える程しかない思い出を大事にしてるんだろうね。