201
ひとは不安を覚えると,それを解消してくれそうなものに盲目的にすがりがちです.コロナでは野良PCR,福島では甲状腺検査,妊婦さんなら無認可NIPTというように.不安ならば医師に相談し,医学的に必要なとき検査を受けるべきです.不安は自然な現象ですが,それを克服するのは検査ではなくリテラシー.
202
中国ではいま爆発的にコロナが拡大しているようですが,政府がすでに実数把握を放棄し状況が不明です.ワクチン接種率が低く医療体制も貧弱な地域が多いため,悲惨な事態になることが予測されます.影響は中国国内にとどまらず,多数の感染者が流入して,日本もそれにまきこまれるおそれがあります.
203
アメリカで妊婦へのコロナワクチンの勧奨がはじまった件,日本も近々追随することになるでしょうが,関連学会はできれば優先接種ということで妊婦分を確保するよう政府に働きかけていただけないでしょうか.妊婦接種によって母児ともに抗体をもつことになるので,これほど望ましい形はないかと思います
204
2000年代には過剰診断の害があきらかになって,PSAスクリーニングが推奨されなくなったため,新規診断数はさすがに落ちついてきました.そもそも前立腺がんの進行はきわめておそく,高年男性を死後解剖すると30%くらいに組織的な前立腺がんがみつかるといわれています.これをラテント癌といいます.
205
福島県の住民の甲状腺吸収線量はチェルノブイリ事故後の線量より大幅に低いためです.また無症状者にたいして,超音波による(高精度)スクリーニングをおこなうことは,過剰診断によるデメリットをまねく可能性が高いのでやるべきでないと、現行の甲状腺調査を間接的に批判しています。
206
日本ではこの思いつきで莫大な予算をかけて全国規模の検診をはじめたのです.ところがカナダやドイツで200万人!!規模の無作為比較試験(RCT)を15年かけておこなったところ,検診群では神経芽腫の発見が激増しましたが,対照(無検診)群との死亡率とまったくかわらないことがあきらかにされたのです.
207
甲状腺調査は現在5巡目にはいって,これまでに悪性ないしは悪性疑いが250名以上みつかっています.しかし今年4月にだされたUNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)の最終報告書では,福島ではチェルノブイリのように多数の放射線誘発甲状腺がんが発生するとは考えられないと結論されました
208
神経芽腫のスクリーニングは膨大な数の過剰診断を生むことがRCTにより証明されました.しかし莫大な予算と数多くの小児手術を生んだ全国スクリーニングは,一度はじまるとそれをとめるのはなかなかむずかしかったのです.2002年に一流誌のeditorialで痛烈に批判され,2004年にようやく中止となりました
209
台湾につづいて,ベトナム,マレーシアにもワクチン提供と.とてもいいことだと思います.
これらはおもしろいことに,PCRをたくさん行って感染制御に成功したと,今年の初めくらいまでいわれてきた国々ですね.
210
西浦先生の話「沖縄でいま流行が起きていますが,沖縄は自然感染によってできる「N抗体」の保有率は全国でトップクラス.その沖縄の流行状況がなぜこれほど全国でも際立って悪いのかわからない.データがほとんどない.これが5類への移行の結果で,政治的に判断したのですから諦めるしかありません」と
211
270例の妊産婦がワクチンを受け、10%弱で流死産、4割弱になんらかの合併症か早期破水、早産、1-2%の児になんらかの異常、1例で新生児死亡というのは、まさにふつうの妊娠分娩と同じか、むしろ頻度が低いかもしれません。ワクチンはまったく影響ないか、むしろいい影響を与えるという結論がでそうです。 t.co/BX0YRilxgV
212
子どもたちはワクチンによって、はしかや破傷風、ポリオなどさまざまな病気から守られてきました。最近は新型コロナのパンデミックで世界各地の子どもたちがワクチンを受けづらくなっていますが、これまでワクチンの接種のあとおしをしてきたいろいろな団体は、コロナ前の状態に戻そうと努力しています
213
最後にUNSCEARとおなじ見解にたちますが,甲状腺調査でみつかる「甲状腺がん」は,甲状腺のなかに一生そのまま存在しているもので,とくに悪さをするものではない.超音波スクリーニングによってそれをみつけだすのは「過剰診断」であり,外科的手術をするのはむしろ「過剰治療」となります.
214
世界ですでに80億回以上のコロナワクチンが投与されました.文献検索でワクチン接種と関係する死亡例が55例あり,そのなかで因果関係が推定されたのは30例でした.原因は血栓性血小板減少,心筋炎,心筋梗塞などです.これは致命的な副作用がいかにまれであるかを示しています.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/P…
215
COVID-19にたいするイベルメクチンの有効性についての大規模RCTの報告。重症化予防について有意差はまったくありませんでした。投与群で副作用がめだったため、COVID-19にイベルメクチンを使用すべきでないと結論づけられています。
jamanetwork.com/journals/jamai…
216
専門家はほぼ全員が遺伝子組換え食品は安全と考えていますが,一般市民ではその割合は37%という調査結果があります.これはあきらかにリスク認知の問題です.科学的な客観リスクと,一般市民の思う主観リスクのあいだにおおきな乖離があり,いくら専門家が科学的な説明をしても通じないという問題です.
217
検診をうけることはむしろデメリットを引きおこすため,甲状腺調査はここで終了とすべきであるという考えです.少数派の委員の意見であり,わたしもこの立場にたちます.おおくのかたに福島県県民健康調査について関心をもっていただき,甲状腺調査の問題点についてご理解いただければと願っています.
218
コロナ対策の政治的な問題として「誤った世論の感情論」とは一切喧嘩しないという責任放棄の姿勢があることです.選挙で信任された政府なのだから,勇気をもって丁寧に説明すべきなのに,それをしようとしません.その典型が「子をもつ親の感情的なワクチン忌避」には一切さからわないという態度です.
219
すでに根絶された病気もあります。天然痘です。天然痘は三千年間世界に蔓延し、何億人もの命を奪いました。ワクチンができたのは1796年だから根絶するまでにほぼ200年かかりました。1976年にWHOが基本計画をうちだし、各国がそれに協力して事業を進め、1980年にとうとう根絶宣言がなされました。
220
HPVワクチンの「副作用」のほとんどは偶発的なものです.たとえば急に歩けなくなると本人家族は大きなショックを受けますが,時間はかかっても適切なケアでかならず治ります.しかしだれかがそれはワクチンのせいだとささやけば.それにとびつきワクチンを悪者にして心の安定を得ようとするでしょう. twitter.com/junmurot/statu…
221
新聞の一方的な報道により誤診と決めつけられません。それは大野病院の尊い犠牲によって社会が学んだことです。仮にそうだったとしても、早期の早剥などわれわれのだれも診断できないのです。そういった正当なことを病院が主張してくれないのは、たったひとりで診療している者には絶望的に思うのです。 twitter.com/shinano_yoshid…
222
@inomata_yumi それはあなたがまちがっています.事故後の被曝による健康被害は1件も知られていません.あえて「汚染処理水」ということばを使うことによって,避難したひとはおろか,福島にのこったひとにたいしても,理由なき中傷をしていることになります.そういったことにあなたはなぜ無神経でいられるのか?
223
リスクのないひとが検査を受けて得られる安心は幻想です.それは「無症状で接触歴のないひとのPCR」や「無症状のひとへの甲状腺スクリーニング」もまったくおなじです.それは不必要だけではなく,しばしば検査による害を受けることになります.検査は医学的な適応があるときにおこなうことが重要です.
224
ポリオも根絶まであと少しのところにきています。日本でも1960年の大流行は有名であり、5千人以上の子どもたちが感染し、死亡からおおきな後遺症までさまざまな爪痕を残しました。1988年には125か国で35万人の感染者がでましたが、2019年には世界でわずか2か国、40人未満まで減少しています。
225
ワクチンの有効性はまちがいなく高いです。いまは第8波のピークなので、人口1億人以上の日本の感染者数は一時的に多くみえますが、人口あたりの累積死亡率は米英の7分の1以下で、アジア太平洋でもシンガポールとならんで最低クラスです。これはおもにワクチン接種率の高さによるものと考えられます。 twitter.com/NAdGShMeDGn4hz…