室月淳Jun Murotsuki(@junmurot)さんの人気ツイート(新しい順)

甲状腺がんの過剰診断とは誤診ではありません。病理学的にはがんにまちがいないのですが、進行がきわめておそく生涯でまったく症状を示さないなどです。残念ながら個々のがんにおいて過剰診断と判断することはできません。検診をおこなう群とおこなわない群で生存率に差がなければ、それは過剰診断です
検討委員をもう8年やってますが,TBSが取材に来たのを一度もみた記憶がありません.特番つくるのに依拠したひとたちがあまりにかたよっていて,HPVワクチンの轍をまた踏んでますね.専門家にひとこと聞けば,過剰診断に与するか否かにかかわらず,被曝による甲状腺発がんは明確に否定されたでしょうに.
混乱しているひとが多いようです。福島の被曝で甲状腺がんが多発していて甲状腺調査を続けるべきと主張するのが市民団体、革新系野党、TBSなどのマスコミなど/まったく増えていないが調査は継続とするのが福島県、国、検討委員会/増えておらず調査は過剰診断で非倫理的と考えるのが過剰診断派です。
福島原発事故では被曝そのもので健康被害はおこらなかったというUNSCEARの報告は,国内の専門家も一致して認めるところです.おきたのはメディア報道の過度のあおりによる社会不安でした.不安に思う住民が甲状腺調査の継続を求めるのは,センセーショナルな報道によって生じた情報災害によるものです.
われわれ遺伝専門医は、なにもない妊婦に出生前検査を行うと、その人に害をもたらす可能性があることを知っています。甲状腺専門家も感染症専門家も同じことをいいます。だから出生前検査も、甲状腺超音波検査も、コロナPCRも、本当に必要な人だけにたいして慎重に行うようにする必要があるのです。
UNSCEAR2020 最終報告書の最後に,「甲状腺調査は過剰診断をひきおこしている可能性が高く,超音波による検診はやめるべきだ」と明記されていることを,明石眞言先生が検討委員会のなかでまちがいないと明言されたことが,本日の最大の成果だったとわたしは思います.甲状腺調査の終了を検討すべきです
常位胎盤早期剥離(早剝)について話題になりましたので,ちょっとだけ解説いたします.胎児に酸素や栄養を供給する胎盤が分娩の前に先に剥離するもので,進行すれば児には致命的です.また組織成分が母体血中にはいり,DICとよばれる大出血をおこし,しばしば母体の命すらも奪う本当にこわい病気です.
震災直後はなにも食べるものがなく,ナースステーションに行っては,おかしをもらって飢えをしのいでいました.沿岸の被災地に支援物資を運ぶためたくさんのヘリコプターが病院の頭上を通過していくのを,うらやましげにながめていたものです(一機くらいここにおちてこな、もとい、おりてこないかなと)
院内食堂のおばちゃんが,米と切り干し大根をどこかから自力で調達してきて,7日目から食堂が再開.事務方のひとも手伝って,無料炊き出しみたいな感じでだしはじめました.おかずの切り干し大根がとてつもなくうまかった.
病院で後輩がチキンラーメンを食べているのをみて記憶がよみがえりました.震災直後なにも食べるものがなかったのですが,4日目に医局に支援物質としてチキンラーメンが箱でとどき,3日くらいそればかり食べてました.6日目に看護師さんが実家からと卵を差し入れたくれたときはみなで歓声をあげました.
みなに考えていただきたいことは、近くで産みたいという個人の切実な思いを社会の問題にどうつなげるかです。署名などはまったく無意味。欧米並みの費用負担を受け入れるか、医師一人でがんばらせるかわりに事故があっても免責とするか、周産期医療レベルの低下を甘受するか、いろいろ選択肢があります
もっとも深刻な問題のひとつが里帰り分娩の受け入れです。余力を失った地方の病院が、分娩制限でまっさきに断るのが里帰り分娩です。ただでさえ長距離移動や夫の不在、病院間の紹介などハイリスクとされている分娩なのです。これからは里帰りが当たり前にできるとは考えないほうがいいかもしれません。
新聞の一方的な報道により誤診と決めつけられません。それは大野病院の尊い犠牲によって社会が学んだことです。仮にそうだったとしても、早期の早剥などわれわれのだれも診断できないのです。そういった正当なことを病院が主張してくれないのは、たったひとりで診療している者には絶望的に思うのです。 twitter.com/shinano_yoshid…
産婦人科ひとり医長の病院です.病院側が医師を守る姿勢をみせてないので,おそらくこの地域から分娩可能な産科はなくなると予想できます.これまで全国各地でなんどもみてきた光景です.地域の分娩の利便性をとるのか安全性をとるのか,社会はそろそろはっきりさせてほしい. news.yahoo.co.jp/articles/e5038…
「コウノドリ 新型コロナウイルス編」はじまりました。最高の出だしです。われわれ産科医や助産師の心情、迷いがほんとうにリアルでした。当人の当惑ぶりもよく描かれています。今後の展開が楽しみです。
もちろん,謝罪をするのはわたしなどにではなく,原発事故にともなう風評をたてられ,いわれもない偏見や差別にずっと苦しみつづけた福島のかたがたにです. twitter.com/junmurot/statu…
これは有名なツイートです。本人はもちろんとっくに削除していますが。 先天疾患は一定の割合で出生するので、こう言った取り上げかたはやめてほしいと抗議したら、放射能と無関係と証明できるのかと逆に恫喝してきました。10年かけてようやく無関係と証明できました。あらためて謝罪してほしい。
「整体系」とひとことでいっても,柔道整復師資格をきちんともって,打ち身や捻挫などをまじめに治療しているかたは多くいます.もちろん後者の無資格診療はきちんと規制されなければなりません.またEBMの視点からは,柔道整復術のなかでエビデンスが確立しているものはまだないのが検討課題です.
カイロプラクティックの理論は現代医学とはまったくあいいれないもので,脊椎や骨盤の矯正によりすべての異常を治療できるというものです.米国では一部の知識人に支持があり,有名などころではポップアートのアンディ・ウォーホルは腹痛をカイロで治療し,虫垂穿孔による汎発性腹膜炎で死亡しています
日本ではいずれも公的資格はありません.マニピュレーションとよばれる徒手整復は,ときに深刻な合併症をおこすことがあり,医業独占を定めた医師法によりしばしば摘発されることがあります.だから最近では柔道整復師やマッサージ師などの資格をとって,カイロなどの施術をおこなう場合も多いようです
より深刻となのはオステオパシー・カイロ系です.両者とも19世紀後半に米国で生まれた民間療法で,日本では整体術の名で大正年間にはすでに流入しています.柔道整復術の手技に一見似ていて,最初から相互に影響あるいは混同されて広まっています.多くの団体が乱立しそれぞれ独自の資格があります.
認可をめぐる訴訟で1998年に国が敗訴したため,その後整復師養成校が乱立し,多数の有資格者が誕生することになります.この10年は巷で多くの整骨院が誕生してはつぶれをくりかえしています.はげしい競争のなかでサプリメントを売ったり,エビデンスのない療法を勧めたりということをよくみかけます.
この資格は明治維新で職を失った柔術家を救済するためにできたといわれています.敗戦後GHQは,鍼灸師や整骨師といった医師以外の資格を廃そうとしたのですが,外地からの引揚者の職を保証するめに一代限りの資格として残しました.だから戦後は柔道整骨師要請の学校の認可をきびしく制限していました.
「がんのあやしい治療は整体系がめだつ」という発言がどこかであったので,すこしだけ解説.「整体系」には,公的資格のある「柔道整復師」と,資格のない「カイロプラクティック・オステオパシー」系のふたつにおおきく大別されます.前者は整骨とか,むかしは骨接ぎなどとよばれていたものですね.
臨床医学は社会の矛盾のなかで翻弄されがちなので,たいていのことには耐えて前向きに進むのですが,このワクチン副作用騒動は将来,何千人以上の命を奪うことが確実視されています.それを先導/扇動したメディアの汚点なのですが,そういった自覚が当事者にまったくないことに驚いています. twitter.com/asahi_apital/s…