NY市マンハッタン内ではCOVIDのコミュニティレベルが”high”になったことを受け、マスク装着が推奨されています。 我々の医療機関内では、1人でいる場合以外は全ての場所でマスク装着が義務化となりました。 インフルエンザの流行もあり、屋内や混雑した屋外では、マスクが推奨されます。
今年のNYのインフルエンザは止まりません(赤線が今年)
病院で重症のコロナ肺炎をみることはかなり少なくなりました。予防接種が広がったこと、多くの方に接種を受けていただいたことによる恩恵は非常に大きいです。しかし、インフルエンザについては、そこまで予防接種が広がっているわけではありません。ぜひインフルエンザも予防接種を。
インフルエンザワクチンの効果として、年にもよりますが、インフルエンザ感染症の発症リスクを40%程度まで低下させる効果に加えて、重症化を防ぐ効果、命を守る効果も分かっています。妊産婦さんにもとても重要なワクチンであり、妊婦さん、お腹の中のお子さんの両者を守る働きが分かっています。
NY州のインフルエンザは、もはやパンデミック以前の規模に到達しそうです(しかも2ヶ月ほど早く)。そのうちニュースになりそうな気がします。コロナ感染が落ち着いているためそのようなアナウンスはないものの、NY市内の混雑した電車内などではマスク装着をオススメします。
米国の変異ウイルスの分布。もはやBA.5は主流ではなくなりました。この先もBQ.1、BQ1.1への置き換えが進みそうです。良いニュースは、これらのウイルスに対しても、オミクロン対応ワクチンがオリジナルワクチンよりも有効と考えられることです。
過去のワクチン開発の歴史から、ワクチンによる副反応のほとんどは接種から6週間以内に発症することがわかっています。それは、コロナワクチンも例外ではないようです。未来の感染症、ワクチンに向けても覚えておきたいことです。
mRNAワクチンの3回接種は、仮に感染してしまっても、症状がより軽くなること、ウイルスRNA量が低値におさまることと関連していたと報告されています。 jamanetwork.com/journals/jama/…
マスクの話題が出ましたが、マスクは適材適所。絶対必要か絶対不要かの二元論で語るものではないと思います。「マスクが不要となった欧米」もかなり雑な意見で、私の勤務するNYの医療機関では全員がマスク装着をしていますし、通勤の電車でも乗客の半数ぐらいがマスクを装着しています。
未接種の方は、年内に最低でも2回接種を受けておかれることを強くお勧めします。
新型コロナウイルス感染症が今後どのような動向を示すかは必ずしも明らかではありません。予防は「予め防ぐ」と書いて予防です。予防の重要性は分かりにくいものですが、多くの方の理解の程度以上に重要なものです。様々な変異が生じても、重症化予防効果は高く維持されることが知られています。
未接種の方にとってクリティカルになりうるニュースです。 今後用いられるオミクロン対応ワクチンは、初回接種での使用は許可されていません。このため、新しいワクチンの初回接種使用が許可されない限り、2023年以降、未接種者は接種を希望してもできなくなってしまいます。 nordot.app/95291161157554…
オミクロン対応の新しいコロナワクチンを受け「あれ、意外と今回は高熱が出ないな?逆に大丈夫かな?」と感じている方もいるかもしれません。 モデルナの臨床試験では発熱の報告は4.4%でした。高熱が出なかったあなたの方が実は多数派かもしれません。なお最も多く報告された全身性の副反応は倦怠感。
人工呼吸器が必要となった最重症の患者さんたちの中で、ワクチン接種を完了していた方が助かる確率が高いという関連を示した研究。重症化から守るだけでなく、万が一重症化してしまったとしてもワクチンが大切な命を守ってくれる可能性が高いことを教えてくれます。 jamanetwork.com/journals/jaman…
軽症コロナと思いきや、合併症で入院、心筋炎で途端に悪化みたいなケースはまだまだこちらNYでも経験されます。 3回目接種から5ヶ月以上経過した12歳以上の方は、ぜひアップデートワクチンを。
私もco-authorとして参加させていただきました。 妊娠中のコロナワクチン接種は、早産、産後出血、絨毛炎など、産後の有害事象のリスク増加とは関連見られず。むしろ、新生児の集中治療室入院、子宮内胎児死亡、母親のコロナ感染のリスク低下と関連。 ワクチンは妊婦さんにとって安全かつ有益。 twitter.com/JAMAPediatrics…
バスの運転手など、公共交通機関のスタッフは、その他の職業と比較して、COVID-19のリスクが5倍、死亡リスクも2倍だったとの報告。 「リスクが高そう」という「感覚」ではなく、このようにデータを蓄積することは対策の誤りを減らす上で重要ですね。 cdc.gov/mmwr/volumes/7…
変形性膝関節炎に対するヒアルロン酸注射には、臨床的な意義が見出せないとする結果。そもそも企業主体でやや偏りのある中での結果。感染症の副作用リスクもあり、そろそろ中止を決断する時かもしれません。グ◯コサミンなどのサプリメントも含めこの領域は...。 bmj.com/content/378/bm…
時にはTwitterの情報が専門家集団の学会の発表の信頼性を上回ることもあるという事例。どこから健康情報をとれば間違いが少ないかを伝えるのは、本当に難しいと感じます。1つの情報源を過信しすぎない、は大切なのでしょう。 twitter.com/kosuke_yasukaw…
まとめ •インフルエンザワクチンとコロナワクチンの同時接種は、十分安全な接種法と考えられます。時期が重なれば、同時接種で良いと思います。 •ただし、コロナワクチンの単独接種よりわずかに副反応の割合が高い可能性があります。 •特にモデルナとの同時接種で割合が高い傾向がありそうです。
その研究によれば、ワクチン接種後の1週間に通常の日常活動を行うことができない状態に一時的になったのは、ファイザーのブースターとインフルエンザワクチンを同時に受けた人で15.5%に、モデルナのブースターとインフルエンザワクチンを受けた人で22.2%に報告されています。
これらの数値は、コロナワクチン単独で受けた人の数値よりも、それぞれ僅かに多いという結果でした。 また、入院治療を要するような重い副反応を示したのは0.02%で、ほとんどが中等症までであったことも報告されています。 これらの結果から、同時接種は大きな問題のない選択肢と判断されています。
コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種は、アメリカで先行して許可されてきたため、すでに9万人以上のデータの集計結果が報告されています。そのデータをシェアします。
厚生労働省からもすでにシェアされていますが、改めて。 「インフルとコロナワクチン、同時接種OK」日本医師会が呼びかけ(朝日新聞デジタル) news.yahoo.co.jp/articles/6ec0e…