米国ではCDCからデルタの占める割合が過半数となったことが報告されました。 良いニュースは、ワクチンがデルタにも有効であるという点です。英国からから88%、スコットランドから79%、カナダから87%と有効性がそれぞれ報告されています。
新型コロナがエンデミックになることを考えると、ワクチンの判断は単に「ワクチン接種を受けるか受けないか」ではなく「ワクチン接種を受けるか、いずれ新型コロナウイルスに感染するか」の判断になる可能性が高いです。後者ではすでに後遺症の存在が知られ「長期のデータはまだ分からない」です。
これは日本の方にもしっかり認識していただきたいことですね。 「ワクチンの歴史上、ワクチンの副反応は常に2ヶ月以内に見られてきた。」 新しいワクチンであれ、ワクチンの働くメカニズムを考えれば、何かの時限爆弾のように、急に遅れて変わった副反応が出てくるとはとても考えにくいのです。 twitter.com/erictopol/stat…
【ノババックスのワクチンの有効性】 ・「遺伝子が操作される」というあらぬ心配をされる方向けのmRNAやDNAなどを用いないタンパク質ベースのワクチンです ・約15000人の試験で89.7%と高い有効性を示した ・αに対しても86.3%と高い有効性 ・ワクチン接種群にCOVIDによる入院や死亡なし
デルタに対するワクチンの有効性に関しては、未査読の論文ですが、ファイザーのワクチンで有効性が約9割、アストラゼネカでは約6割と報告されています。ただし、1回接種だとこれがともに約3割まで低下することも併せて報告されています。2回接種をしっかり完了することが大切です。
Lancet誌に掲載されたスコットランドからの報告によれば、不確定要素もまだ大きいながら、デルタに感染した人はアルファと比較して入院するリスクが高い。 しかし、とても素晴らしいことに、mRNAワクチンが極めて有効な可能性が高いので、デルタ対策としてもワクチン接種が重要です。
【ファイザーとアストラゼネカを交互に接種するのもアリな可能性】 ・初回ファイザー、2回目アストラゼネカ→アストラゼネカ2回接種の5倍の抗体価 ・逆の順番→アストラゼネカ2回接種の10倍の抗体価(ファイザー2回と同等) ・ただし、混合パターンでは悪寒や頭痛の頻度が高かった。
【mRNAワクチンによる免疫は何年も続くかもしれない】 ・Natureに報告された研究 ・通常1ヶ月程度で消失してしまうメモリーB細胞が、mRNAワクチン接種後数ヶ月しても衰えずに存続していることを示した。 ・この結果から、既存の変異ウイルスに対して長期の免疫が維持される可能性が示唆された。
ワクチンを皆が打つメリットを、NYで一足お先に楽しませてもらっています。昨日の夜は歓迎会で、2019年以来の皆で円卓を囲んでのパーティー。過去には「当たり前」だったことですが、身に染みて幸せを感じられる時間でした。これもワクチンのおかげです。日本もあと少し。
最近NYの外来で出会ったワクチンを受けていない人の理由は、いずれも「過去にCOVIDになったから不要」でした。デルタの説明をし、過去の感染による免疫では十分防げないこと、ワクチンの高い有効性が示されていることをお話ししたら、皆納得して接種を受けられました。丁寧な話し合いが重要です。
イギリスより、ワクチン1回接種21日後で、すでに家庭内感染伝播のリスクを4-5割減少するとの報告。 ワクチンは自分だけでなく、家族を守ることにつながるというデータです。これは、家族だけでなく、大切な友達や同僚しかりです。 nejm.org/doi/full/10.10…
ニューヨーク市内に4000近い病床を抱える私の所属医療機関グループの話ですが、COVIDの入院患者は7病院合計で17名、重症者は3名を残すのみとなったことが報告されました。病院内は、すでに完全に「正常化」しました。昨冬と比べると夢を見ているようです。コロナワクチンの力は、本当にすごい。
NY市のある警察官が、生まれてくる子供への影響を心配してコロナの予防接種を受けないことを決めた話です。その後、彼女はコロナに感染し、死の淵に立たされました。しかし、医療チームが母子の命を救いました。予防接種を受けておけばと後悔し、彼女は今、妊娠中の他の人にも予防接種を勧めています。
【コロナワクチンと妊娠】 米国では、すでに12万人を超える妊婦さんがワクチン接種を受けました。うち、800人以上の妊娠完了が論文として報告されていますが、流産、先天異常、胎児の成長、早産、死産、または新生児の死亡などのアウトカムに現時点までで明らかな影響は認められていません。
【コロナワクチンと卵巣機能や妊娠に関する論文①】 少数例ですが、体外受精を試みているカップルでワクチン接種前とワクチン接種後で採取した卵母細胞や成熟卵母細胞の数、受精率などを比較。ワクチン接種後の低下なし。ワクチン接種前に妊娠のなかったカップルで、接種後3件の妊娠が確認された。
NYで外来をやっていると、ワクチン接種をまだ受けていないという人を見つける方が難しくなってきました。ワクチンを受けた理由について伺ってみると、「当然」という返答に加えて、「一番は大切な家族を守るため」と家族のことを話す方がたくさんいるのが印象的。
こちらニューヨークでは今週、ワクチン接種者の割合が成人の7割を超えるという目標が達成され、一斉に花火が打ち上がり皆でお祝いをしました。同時に、コロナに関する規制のほとんど全てが撤廃となりました。 ワクチンの効果は「見えにくい」ものですが、分かりやすい目標があると一丸となれますね。
「ワクチンで不妊症になる」なんていう根拠のないデマが流れてしまったので、「mRNAワクチンが精子に影響を与えるのか」という研究が行われ、影響はないとの結論を導きました。デマにも一つ一つしっかり正当な科学で向き合っていく。これが大切ですね。 jamanetwork.com/journals/jama/…
挙手するだけでワクチンを受けられるモバイル・ワクチン・クリニック in ニューヨーク。 街中を走り回っています。焼き芋屋さん的な感覚でワクチンをゲットできます。
ニューヨーク市はついに死亡者数0を記録しました。また、検査の陽性率もカウントが始まって以来の最低記録を更新しました。 Zero New COVID Deaths in NYC, All-Time Low Positivity Rate as More Vaccine Prizes Debut nbcnewyork.com/news/coronavir…
NYマンハッタンの感染者数は順調に減少。このまま0になりそうな勢いです。 検査数はほぼ一定な中、陽性者が減少しており、陽性率も大幅に低下しています。 観光客で賑わい、ルーフトップバーも人でごった返す中、それでも感染者が抑えられるのは、「ワクチンの社会への効果」に他なりません。
「ウイルスの変異よりも個々人のふるまいの方が、パンデミックの経過に影響を及ぼすより重要な要因と考えられます。」 これは米国ワシントン州でのD614G変異の影響に関する研究報告の記述ですが、多くの地域、多くの変異ウイルスで同じことが言えそうです。
【ワクチンの有効性(発症予防効果)95%の意味は?】 新型コロナワクチンには非常に高い有効性が知られていますが、有効性「95%」という数字にはどのような意味があるのでしょうか。 その答えは、こちらをご覧ください。
【mRNAワクチンと従来のワクチンの違い】 なかなか文字で読んでいても理解が難しいという方に向けて、コロワくんの本ではイラストを準備しました。 左側がmRNAワクチン、右側が従来の(不活化)ワクチンの仕組みを解説したイラストです。 ぜひ、両者を見比べてみてください。
【話題のイベルメクチンのエビデンスまとめ】 イベルメクチンは新型コロナに対する試験管レベルでの活性に基づき治療に応用できる可能性があるとされる。しかし試験管レベルで「有効」とされた実験でのイベルメクチンの濃度は、人に安全に投与可能なレベルの約50倍から100倍量。内服では達成できない