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目つきが悪くて金髪でちょっと敬遠してたリンちゃんが、実は案外家庭的で、ユザワヤで毛糸を買って編み物とかしちゃってるのを目撃したい。そんな彼女に後日、「く、口止め料っ」ってマフラーを押しつけられたい。そのマフラーを毎日つけたい。
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夏休み前はノーメイクだったリンちゃんが、休み明けから化粧していることに気付き、何故か話しかけづらくなって一ヶ月。ある日怒った顔で近づいてきた彼女に「なんで無視すんのさ!」と迫られ、そう見えてたのかと気付かされ、誤解を解いて前より仲良くなりたい。
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レンなどは、昔「お前のポニテ、実は引っ張ると爆発するよ」って教えられた嘘を今も素直に信じこんでおり、誰かに後頭部を触られる度に「やめろよ!引っ張るなよ!」って本気で慌てればいい。
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おなかすいたーって叫んでるリンちゃんに、ぼくの顔をお食べって声をかけたい。真顔で顔を覗き込まれ、滑ったかなーと思ったら「栄養価低そうだからいらない」とガチ評価をいただきたい。
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リンちゃんに「8月になったら新しいネイルキット買ってくれるっていってたじゃん」って怒られて、そんなこと言ったっけ?と首をひねりたい。すぐさま「3月25日16時24分に言ってたよ」と証拠の音声ログを提出され、ボーカロイドに適当なことや嘘は言えないなと背筋を凍らせたい。
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一回り小さいリンちゃんのコップについて、注ぐジュースが少なくなると文句を言われたい。コップ交換する?と尋ねても、量に差が出るの自体が嫌だそうで「じゃーお揃いの買おっか」とニヤニヤ提案したら「あ。コップひとつを一緒に使えばいいじゃない?」と名案のように返され、ジュース吹き出したい。
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深夜残業から帰宅し、ただいまって言ったら、寝室から生返事。部屋を覗くと、うつらうつらしているリンちゃんの抱き抱える枕が彼女の物ではないことに気づき、耳元で「ただいま、俺の枕抱いてたの?」と囁いて目を覚まさせたい。間違えただけだし!とわたわたする彼女の言葉を、へーって聞き流したい。
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リンちゃんに車を運転されたい。14歳なのに大丈夫なの!?と聞いたら「製造年数で言えば4年半だよ」と返され、尚更駄目じゃん!って叫びたい。しかし「この車のどの部品より製造年数は長いよ?」と睨みつけられ、納得し謝った瞬間電柱に衝突されたい。リンちゃん、何にせよ、よそ見運転は駄目です。
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椅子に座るリンちゃんに、後ろ手に腕を掴まれ引っ張られたい。抵抗すると椅子が倒れてしまうので、自然、前によろけて彼女に覆いかぶさる恰好になり、「…ぎゅーするぞ」って言いたい。すれば?と返され、動揺しつつ、ばーか、と彼女の頭を押さえつけつつ立ち上がり、髪をくしゃくしゃにしてやりたい。
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リンちゃんと歩いていて、突然緑のツインテールの少女に声をかけられたい。どうやら友達らしい彼女とリンちゃんが喋る間、さりげなく距離を取られたい。緑の子が時折こちらを見ては「あー、この人が例の」と笑うので、別れた後、リンちゃんに「例のって何さ」って詰め寄って、頑なにスルーされたい。
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朝の弱いリンちゃんが、芋虫みたいに布団にくるまって顔だけ出して、薄目でこちらを見て、数秒で力尽きたように枕に顔を突っ伏すので、「朝だぞーー!!」って叫びながら布団を引っ張ってリンちゃんを転がしたい。
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リンちゃんに柏餅を貰いたい。「もうそんな歳じゃないしリンちゃんのほうが年下でしょ」って苦笑したら「あたしが何年14歳やってると思ってるんだい、若造」ってニッコリ笑うので、冗談か本気か分からず言葉を失いたい。
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超会議の、脳波で動く猫耳の体験コーナーを発見して「やりたい!やりたい!」ってリボンをピコピコ跳ね回らせるリンちゃん。結局うまく動かせず、落ち込んでしゅんとリボンを伏せるのだけど、ぼくはといえば猫耳のあいだ手に持ってたリボンに電極も何もなかったことについて疑問でいっぱいになりたい。
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リンちゃんとファミレスに行って二人でサラダセットを頼みたい。外食で野菜とれると得した気分になるよねーってサラダ頬張ってたら、しばらく難しい顔をしていたリンちゃんに、ふと上目遣いで「今ならトマトが増量サービス中ですよ?」ってトマト押し付けられたい。
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動画作業するから忙しいよって言ったのに、リンちゃんがうちに遊びに来て「ひまー、ひまー」って連呼してるので、なんで来たんだよって苦笑したい。しばらく考え込んだリンちゃんに、にぱーって笑顔で「わかんない!」って言われたい。
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リンちゃんとメールで昨日の晩ご飯の話題になり、スーパーの半額弁当だと答えると「ちゃんといいもの食べなよ!どこ住んでたっけ?」と住所を訊かれ、まさかこれはと期待したい。夜、部屋を掃除し服や髪も整え、鳴った呼び鈴に飛び出すと、特上ずしを持った出前のおっちゃんが立っており崩れ落ちたい。