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リンちゃんが飲んでたペットボトルを「飲む?」って差し出してくるので、これは間接キス…!とドキドキしながら口をつけて毒殺されたい。ボーカロイドは毒を飲んでも平気だってことを忘れてまんまとやられたわけだが、ドキドキ分でプラマイゼロだなって納得しながら絶命したい。
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コミケが猛暑でヤバいというニュースでビビったレンなどは、バッグ満杯にペットボトルを詰めて会場入りしてから、頒布物を入れる隙間がないことに気づけばいい。ヤケになってペットボトルを行き交う人々に配りまくった結果、「親切なショタがいた」などとまとめサイトに載ればいい。
3
リンちゃんに、きみが生まれる前の4ヶ月間にどんなことがあったのか、初音ミクがどれだけの衝撃と感動をもって受け入れられたのか、小一時間ほど語ってしまって「ずるい、あたしもその頃生まれてればよかった」ってむくれられたい。
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ボーカロイドは楽器、電子楽器だよねって話をしてたら、リンちゃんに「人間は何楽器?」と聞かれたい。声帯に息を通して音を出すから管楽器かなーって考えてたら、いきなりぽかぽか殴られ、ちょっと何するのって悲鳴を上げたところ「打楽器だったー」って無邪気に笑うリンちゃんにさらに殴られたい。
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リンちゃんに、お菓子の作り方教えてって頼まれたい。まずチョコは湯煎してねって説明しようとしたら「違う、ケーキ」って言われてきょとんとしてから、そういえば明日はカイトの誕生日だったなと納得したい。
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リンちゃんに監禁されたい。「あたしこういうの慣れてるんだっ」と謎の虚勢を張る彼女だけど、ぼくの手首を縛る手際はだいぶ悪く、縄の結び目が緩く簡単に取れちゃうので、「あれっ、あれっ」と涙目で何度も縛り直すリンちゃんを、思わず「はいはい、逃げないから」って頭ぽんぽんしたい。
7
リンちゃんが、主役が死んでしまうボカロ曲を聴いて、ぼろぼろ泣きながらうろうろしながら「この子死んじゃったの、お葬式しなきゃ」なんて動揺してるので、「ボカロは2次元だから死なないよ、現実とお話の区別つけなよ」って説得してあげたい。
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機械でもしっかりお風呂に入る必要があるのに、リンちゃんはすぐに上がってしまう。「100まで数えてる?」と問うと頷く彼女。嘘はつけない造りのはずなのにおかしいと思いながら丁寧に確認したところ、「1,10,11,100」で数え終わってると判明し、2進数で動く彼女との深い溝を感じたい。
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リンちゃんにお年玉をあげようとしたけど受け取ってくれなくて、なんでって訊いたら「だって多分あたしのほうが稼…」って言いかけた彼女は、はっとしたように口をつぐんで、それから何も言わずに笑顔でお年玉を受け取ってくれたんだけど、その配慮が逆に辛くって崩れ落ちたい。
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嫌われるのも無視されるのも悲しいなって思いながら、リンちゃんに「好きの反対ってなんだと思う?」なんて尋ねたい。しばらく真剣に考えてたリンちゃんが「…好かれる?」って言うもんだから、予想外の答えにもう花丸つけてあげたい。
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リンちゃんの肩を揉んでいて、漏らす声が肩甲骨近辺と僧帽筋近辺で違うことに気づきたい。密かに研究した結果、肩周りのツボの押し方で音階ができることが判明し、流石ボーカロイドだなと思いながら彼女の肩で曲を演奏して、「やめ↓てよ↑ー!」ってメロディアスに怒られたい。
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リンちゃんと劇場に行きたい。開演ブザーとともにアナウンスが「音の出る機器はマナーモードではなく電源をお切りください」と告げた途端、「あたし見ちゃいけないのかな!?」って小声で焦る彼女の唇にそっと指を当てたい。
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リンちゃんが「グレてやる!」って家を飛び出して、10分後に戻ってきたときには何故か満足気なので、どうしたのって恐る恐る聞いたら「金髪に染めてやったの!」ってにっこり笑うから、そ、そうなんだーって頷いておきたい。
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リンちゃんに「これ私のアドレスだよ」って紙を渡されたい。「え、仕事用とかだよね?」「プライベートなやつだよ」なんて笑う彼女に息をのんで、帰ってから紙を開くと「192.168.0.2」って書いてあって、これをどうすりゃいいのか首をひねりたい。
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リンちゃんに譜面を渡して、歌って、と頼んだら「ボカロPっていつもそうですね…!ボーカロイドをなんだと思ってるんですか!?」とキレられたい。ボーカロイドだと思ってるんだけど。
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リンちゃんが寝返りを打ち、手近に頭が転がってきたため、撫でていたい。すると虚ろに目を開き「あたまなでるのべんりー?」とか言うので、戸惑ってから、撫でやすくて便利だよと答えると、満足したように寝入ってしまったのだが、起きてからそう話すと「そんなの言ってない!」と真っ赤になられたい。
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スマホに思春期男子らしい画像やブックマークを溜め込んでいるレンなどは、機種変した最新式スマホの顔認証機能が双子の姉の顔によって突破できると判明した途端、やたらと挙動不審になればいい。
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リンちゃんに柏餅を貰いたい。「もうそんな歳じゃないしリンちゃんのほうが年下でしょ」って苦笑したら「あたしが何年14歳やってると思ってるんだい、若造」ってニッコリ笑うので、冗談か本気か分からず言葉を失いたい。
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ミャクミャク様は元々ミクミク様だったんだよとリンちゃんに嘘を吹き込んだところ、リンちゃんが「あたしもそのうちリャンリャン様になっちゃうんだ…」と呟くのでフォロー入れようと思ったけど、よく聞くと「そしたらどうやって民草を支配しよう…」と前向きな皮算用してたので、やがて支配されたい。
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ボカロP宅のリビングに通されると一体の鏡音リンがちょこんと座っており、「わたし、呼びリンです!マスターにご用のときには言ってください!」とにこにこ笑うので、じゃあお願いと伝えたところ「リンリーン!マスター、呼んでまーす」と駆けていくのを見ながら、うちにも呼びリンが欲しくなりたい。
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英語曲を歌いづらそうなリンちゃんに「英語苦手なら日本語に直そうか?」と提案したところ、「じゃあお願いします、マスタ…じゃなくて、ごしゅじんさまっ」と返事され倒れそうになりたい。
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居間に放置されたリンちゃんのiPhoneが延々とレンの歌声ばかり再生しているのを、ただ聴きたい。戻ってきたリンちゃんは、わーって叫んでマナーモードをオンにし「これ秘密ね!秘密!」って口止めしてくるので、どうしたもんかと思いたい。だって先日、レンにも同様の口止めをされたものだから。
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リンちゃんが「かなしい」「つらい」「いやだ」と何度も言うので、不具合かと思い修理屋に連れていきたい。修理屋は優しい声で「歌唱機械は、今まで歌った歌の語彙の組み合わせでしか喋れないんだよ」と言うので、自分がリンちゃんに何を今まで歌わせてきたか思い出し、ごめん、と彼女の頭を撫でたい。
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キッチンでぼろぼろ泣いてるリンちゃんに、どうしたのか問いたい。「花粉症で涙と鼻水が止まらなくて、同じように涙と鼻水が止まらなくなる玉ねぎ切って中和してるの」と答えが返ってきて、それ中和できるのって尋ねると「2倍止まらない」と首を振るので、せめて一緒に玉ねぎ切ってぼろぼろ泣きたい。