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上記の判断過程審査は、憲法25条1項違反か否かの判断枠組みで用いられる(例えば、最高裁判所第三小法廷平成24年2月28日判決(民集66巻3号1240頁))。 憲法22条1項の場合には使えないと解する立場もあろうが、他方で、同様に政策的裁量のある場合には、この判断枠組みを使うこともできるのではないか
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これは政策的裁量のある場合に違憲審査枠組みが緩やかになる根拠論からみても妥当かと。長谷部教授は「立法の政治過程」で「様々な利益集団の抗争と妥協の結果としての性格を多分に持つ」立法の場合には裁判所は立法府の政策判断を尊重すべき旨説く(長谷部恭男『比較不能な価値の迷路』(2000)111頁)
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このような根拠論による場合、立法の政治過程において「様々な利益集団の抗争と妥協」がなされたと言えない場合、すなわち特定の利益集団だけが「抗争と妥協」が行われる立法制定過程から排除された場合には、考慮不尽となり、裁判所が立法府の政策判断を尊重すべき根拠がなくなる(不十分となる)だろう
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2020年9月24日毎日新聞で、君塚正臣教授は性産業・性風俗事業は「生活に必要な業種」とは言えない旨の主張を展開。その上「職業」は変えられるから問題は小さいという趣旨のコメントまでしました。憲法学者とは思えない内容ですが、しかしそのくらい性風俗事業者への社会の職業差別は根が深い問題です
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このコメントは、法学等の研究者は、性風俗事業者とは違って、「生活に必要な業種」である、と言っているに等しいでしょう。でもこれって普通にひどくないですか? しかも持続化給付金や家賃支援給付金を貰いたかったら別の職業に変えたら?と言っているようなものですが、普通にあり得ない話です(怒)
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①あくまでも自主規制であって法律による規制じゃないんだから、人権とか言うな・早く自主規制しろ、などと言う方々は、いったん当該自主規制が行われ出すと②自主規制が不十分だ、法律による規制をせよ、と言い出すことが多いのではないだろうか? だから、①の段階で、当事者は声をあげるべきだろう
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さらに、②自主規制に相当するような内容の法律による規制ができると、次は、③その法的規制では不十分だから、さらなる法的規制が必要だ、とか、罰則などをもっと上乗せする必要があり、などという運動があらわれることも少なくないと だから、②の段階になっても、当事者は声をあげ続けるべきだろう
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表現の自由の“規制”についてみると、①上からの規制(法規制)、②下からの規制(自主規制、横からの規制という方が私はしっくりくる)、③斜め上からの規制(権威ある団体等との間での自主規制)があるといえますが、これらが同時に発動すると本当にヤバい ↓関連ツイートです twitter.com/YusukeTaira/st…
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性表現の自由を行使する、あるいは性産業を営む個人や団体が「大きな顔」をするな、って…… 大きな顔しちゃいかんのかい!大きな顔をする自由も憲法21条1項あるいは13条後段で保障されているのに
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AV新法の究極的な目的は「出演者の性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成」のためとされる(同法1条) しかし、今回の法規制は、少なくない現役の出演者が、性をめぐる「個人の尊厳」が「重んぜられる」どころか、逆に「軽んぜられている」旨のツイートをしているという印象を受ける →(続)
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AV出演被害防止・救済法(AV新法)は、現役出演者の意見が聴かれず(or殆ど聴かれず)に制定された。とはいえ、本質的に不健全なものが社会にはまだ溢れている、という声もあるようだ 次に予想されるのは、舞妓接待被害防止・救済法、ギャンブルによる被害防止・救済法あたりか。本質的に健全な善い社会へ
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A「セックスワークは労働です」 B「違う、廃止すべき。理由はパターナリズム」 A「ボクシングやプロレスは、死亡リスクが高く負傷は日常的。パターナリズムを理由に廃止すべきでは?」 B「選手の職業の自由と自己決定権を尊重すべきだ。業界関係者の生活にも配慮せよ。廃止は許されない」 なぜなのか
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A「セックスワーカーの職業の自由と自己決定権も尊重すべきでは?職業差別では?生産業の業界関係者の生活には配慮しなくてもいいのでしょうか?」 B「セックスワークを職業とは認めない。労働だとも認めない。自己決定権も認めない。すべては被害を防ぐため。本人のため」 A「あなたのためでは?」
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A「セックスワークは労働です」 B「セックスワーク論など認めない。廃止すべき。経済的に不対等な関係、“搾取”の構造がみられるからだ。廃止主義こそ至高。異論は排除する」 A「派遣労働関係でも“搾取”の構造がみられるといえませんか?」 B「派遣労働者は労働者だ!憲法28条を勉強しろ」 なぜなのか
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A「セックスワーカーの自己決定権を尊重してください。自分の意思で決めた職業です」 B「あなた分かってないから教えてあげるけど不本意なことやらされているだけで…」 A「人工妊娠中絶は胎児の生命権を犠牲にしていますよね?」 B「あなた自己決定権も知らないの?憲法13条勉強して!」 なぜなのか
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A「セックスワークは、胎児の生命権を犠牲にする自己決定権を行使するものではありません。人工妊娠中絶を自己決定権を理由に認めるべきというのなら、セックスワークについても自己決定権の行使として認めてください。両者の違いは何ですか?」 B「まぁ…性道徳とか…?」 A「道徳?憲法勉強して!」
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A「NZ、ベルギーでは、廃止主義ではなくセックスワーク論が採られています。日本でも他の産業と同じ労働者として扱われるべきです」 B「いやそれ海外の話なので」 A「キャサリン・マッキノンって知ってますか?」 B「当然!日本のフェミニズムには不可欠です!」 なぜなのか news.trust.org/item/202205310…
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10,000いいね!有難うございます! 【告知】 「セックスワークにも給付金を」訴訟の判決が今週木曜日(6/30)15時00分に出ます(東京地裁419号法廷) 生産業への「スティグマ」(劣等の烙印)・職業差別という点で、この憲法訴訟とAV新法は、共通しています ご注目ください! twitter.com/YusukeTaira/st…
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コロナ給付金(持続化給付金・家賃支援給付金)の不給付が差別であり違憲違法だとして2020年に提訴した裁判・「セックスワークにも給付金を」訴訟 少数者が職業差別を主張しているのに、「大多数の国民」の「性的道義観念」なるものを理由に合憲・合法だとする極めて不当な判決でした。即日控訴しました
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国ですら言っていない「大多数の国民が共有する性的道義観念」って何ですかね。証拠も何もないのに大多数の観念なるものを持ち出して不給付の理由付けにするというのは、本当にどうかしていると思います。東京地裁・岡田幸人裁判長の性的道義観念でしょうか??
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7/1の全国紙朝刊6紙(北海道新聞は未確認)すべてに「セックスワークにも給付金を」訴訟の判決に関する記事があり、京都新聞にも共同通信の記事がありました 憲法学者の大多数は判決が不当だと批判。本日追加のクラウドファンディングを開始しました。よろしくお願い致します! call4.jp/info.php?type=…
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昨日は大変残念な結果で、内容も信じられないレベルの酷い判決でしたが、原告や弁護団メンバーだけではなく、多くの方々、特に、生産業を営む/に関係する方々や、憲法学・行政法学・社会学研究者、弁護士がこの判決は本当におかしいとコメントされていて、勇気付けられました。控訴審も闘い抜きます!
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「表現の自由を重視派なのにブロックするなんて!」と言う方が一定数いますが、大半は引用RTやリプが故意又は重過失で誤導的なコメントを張り付けたり重大な事実誤認をしていて、個人の表現行為の場を荒らす人物だからブロックされることが多いわけで、結局表現の自由を分かっていない方なんですよね…
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それに、個人の表現の自由に基づく発信内容について、そういった誤動的あるいは重大な事実誤認に基づくコメントを1つ1つ1訂正していくためのコミュニケーション・コストは結構バカにならないわけです。個人が使える時間は限られているわけですから基本そういう方はブロックする方針が合理的かなと…
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そういったブロックされることの多い方というのは、表現の自由を効果的に行使するという他者の時間を奪っている感覚がないというか、いわば規範に直面すらできず反対動機が形成不可能な方だったりする上に、イデオロギー的正義感みたいなものがあるので、誠実な議論が通常期待できない方だなと感じます