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国(文化庁)ですら言わなかったことを、あえて口にし、完全にタガが外れてしまったのが、河村たかし名古屋市長です
河村市長の上記のような思想=“表現の良し悪しを政治家が非専門的観点から政治的に決めつけてOKという思想”が暴走した結果、大村秀章愛知県知事リコール署名偽造事件まで起こりました
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勿論どのような思想であっても内心にとどまる限り自由ですが、その思想を政治家がいったん外部に公表し、具体的な表現の助成(補助金等)の政策に関連付けようとすることについて、私たち市民は目を光らせておかなければならないと考えます。その政治家が憲法を軽視しているかを注視する必要があります
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実は憲法をかなり深く理解している可能性も…
グレート―O―カーン、AV新法にもの申す「補償、尻ぬぐい、緩めるポイントを用意しろ」 : スポーツ報知 hochi.news/articles/20220…
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立法担当者よりも、リーガルマインドやバランス感覚があるのでは…。いったい何者なんだ…
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グレート―O―カーン氏は、AV新法は①AV出演者その他のAV製作関係者の職業遂行の自由を(場合により事実上、職業選択の自由(憲法22条1項)をも)規制し、②政策的規制の面があり特別の犠牲を被りうるのに、①の営業補償(29条3項)がない、という点を鋭く指摘している
法学部で憲法を学修した可能性が高い
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しかも、O―カーン氏は、③AV出演者らの現場の声を聴こうとしており、人権を規制される国民・市民の声をもよく考慮することで立法担当者よりも手厚い民意の反映に努めており、民主主義をより実質化しようとしている。ヒールレスラーなので分かりにくくなっているが、実は様々な権利利益への配慮がある
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さらにいうと、前記①に関することだが、O-カーン氏は、立法過程で事実上排除され立法担当者が(殆ど)声を聴かなかったAV出演者・関係者を、自分と同じ「職業」人なのだということを当然の前提としている。国家議員らに決定的に欠けていたのはこの視点だろう。O-カーン氏は職業で差別をしていないのだ
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O-カーン氏は、職業差別をしないことを暗に示すことで、特定の職業を営む個人や事業者らへのスティグマの押し付けを防ごうとしているようにもみえる。以上のことから、法の下の平等(憲法14条1項)の諸学説についても深く学んだ可能性が高い
人権と憲法への理解を示すヒールレスラーは史上初なのでは?
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O-カーン氏は、法学部ではなく(日本大学)商学部ご出身とのことでした。日大で(私は)非常勤講師をしているのに卒業生につき不勉強で大変失礼致しました
平素「ひれ伏せ愚民ども!」などと中世の絶対王政的な発言をされているので、近代の立憲的な意味の憲法には興味がないと勘違いしてしまいました…
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O-カーン氏が言うとおり、規制と補償をセットで考える、一部の事業者や市民だけに負担を押し付けない、憲法的にもそれが妥当と考えます
(関連拙稿)平裕介「コロナ政策による休業と憲法上の損失補償ー自粛要請・東京五輪・積極目的」東京弁護士会会報LIBRA2021年7・8月号30頁
toben.or.jp/message/libra/…
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グレート-O-カーン氏の学歴ですが、すでに引用RTでもご指摘いただいておりますが、新日本プロレスのサイトによると「イギリスデビュー以前のことは記憶が曖昧」だそうです。そのため、公式では、日大ご出身かどうかは必ずしも判らないということのようです。以上念のため補足させていただきます。
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いわゆるAV新法については、法律施行後2年以内に検討が加えられ、検討結果に基づき必要な措置が講ぜられることとされている。このことに関し、先日ある国会議員が「許可制」の導入に言及したが、これは撮影された性行為映像制作物の発売や公表に対する国の事前規制ということだろうか。憲法違反では?
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許可制は、事前に自由を一般的に禁止しておき個別に申請があった場合に禁止を解く規制手法だが、裁量の幅が狭い広いの議論はあれど、許可するか否かについて一定の行政裁量を認めることにはなる。すると、個々の申請に際して、役人がAVの内容を審査する裁量権限を持つ制度を導入するというのだろうか?
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あるいは、AV製作事業者に対する許可制ということか。その場合、許可要件はどうするのだろうか。いずれにせよ、施行後2年以内に一応検討されることになるので、国会議員がさらに厳格な法規制について言及する場合には、その趣旨を明らかにすべきだろう。それが説明責任であり、市民には知る権利もある
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これは結構重大な問題ではないかと感じていて、利害関係ある当事者が新法について批判的言論を行ったときに、この発言を捉え適時に、そういうことなら「許可制」(さらに厳格な法規制)も導入しましょうかねぇ…という感じで国会議員が公に述べてしまうのは、政治的言論を萎縮させる恫喝的発言ではないか
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もちろん政治家には(にも)政治的言論の自由があるが、上記のように、その行使方法があまりに酷いといえる場合には、最終的には選挙において政治家としての適格性が問われることになるだろう。
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新法成立後施行前に、事業関係者の現場での混乱が生じるのは普通に想定されることで、国会議員であれば知っている(はずの)ことだが、事業者側に法案に係る意見聴取と新法(案)に関する積極的な情報提供を怠った結果、その混乱がより大きくなっている。で、現場から文句が出たら即座に恫喝的発言とは…
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新法成立によって現場で混乱が生じたのであれば、その混乱を少しでも抑えるために国民や事業者のために動くのが国会議員の使命ではないかと感じるが、実際は違うのだろうか。現場にも分かりやすいQ&Aや問い合わせ窓口の設置、その拡充が求められよう。
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朝日新聞デジタルの記事↓について、京都大学の曽我部教授は「AV産業は、一般的には適法な事業活動であると理解されている以上、出演者保護のための規制が過剰なものとならないことも求められます」とコメント。さらに「許可制」まで法定するなら違憲の疑いは濃いでしょうね
asahi.com/articles/ASQ5F…
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ちなみに、グレート-O-カーン選手も同趣旨のコメントをされていると思われます↓
別に許可制くらいいいんじゃないの?などと言うことは、人権感覚がないことを自白するお気持ち表明であるばかりか、性産業やそれに関わるワーカーへの差別感情を吐露するような行為でしょうね
twitter.com/YusukeTaira/st…
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他人の仕事が無くなったことが「いいこと」だと断言するのは流石に引いた
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他方で、グレート-O-カーン選手のコメントには、他者の仕事が無くなったことについて決め細やかな配慮がみられます。真の人権派はオーカーン選手でしょう
twitter.com/YusukeTaira/st…
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AV新法に限らない話だが、政策的な立法裁量が認められる場合に、立法の制定過程で特定の利益集団だけの意見聴取をしなかったというとき、立法裁量に係る判断過程が不合理だといえ(いわゆる考慮不尽)、立法裁量の逸脱・濫用とならないか。すなわち、憲法22条1項に違反する違憲立法になると考えられる
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立法裁量の統制については、行政法の判断過程審査・考慮事項審査が活用できる。考慮不尽、他事考慮/過大考慮などにより、社会通念上著しく妥当性を欠く判断となる場合、裁量権の逸脱濫用となり違憲違法と解すべき(宍戸常寿『憲法 解釈論の応用と展開 第2版』(日本評論社、2014)164ー174頁等参照)