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オフレコ破りじゃないだの実はオンレコだっただのという弁明を見るにつけ、結局オフレコ・オンレコに終始拘り続けるのは、市民の知る権利への奉仕というよりも、記者クラブ支配の存続を大前提とする日本大手メディアの御都合を優先させている気がする。気のせいであってほしいが
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キャンセル・カルチャーの論点に関しては、対話が成立しないなと感じるケースをしばしばみる。要するに①社会運動の目的は正当であってもその目的のためには手段を選ばないというのは不合理という主張に対し、②どうしてあなたは運動の目的を否定するのか!という回答になる。①と②が何故か対応しない
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キャンセル・カルチャー社会運動のよって不寛容なリンチ容認社会の土壌をつくってしまえば、誰も(右も左も)「安全地帯」にはいられなくなるだろう。職場へのお問い合わせという皮をかぶった抗議やクレームの電話・メールが殺到し、萎縮社会が出来上がることになるが、誰がこんな社会を望むのだろうか…
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不公正で手続保障もないキャンセル・カルチャー社会運動によって一個人(私人)を社会的に葬ってみても「世界は何も変わりません」というのは正当なコメントだろう。しかも、変わらないだけではなく、私刑容認風土を社会に定着させ、私人間の分断を増幅させる運動としても機能するだろう
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ちなみに、日本学術会議問題の政府の対応に対して憲法違反だとか学問の自由・大学の自治の危機だとか声高に主張する人たちが、他方で、研究者個人のツイートについて、キャンセル炎上を仕掛け、所属大学へのお問い合わせという名の抗議連発を容認するか態度を採ることには一貫性がないなと感じます
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なお、私自身は、同性婚の論点について、2021年3月の札幌地裁判決(違憲判断)の立場に概ね賛成する立場を採っています
札幌地判令和3年3月17日の感想(憲法・行政法の観点から)――「国民感情」vs「国民感情」の調整と、司法の本質 - 平 裕介(弁護士・公法研究者)のブログ yusuketaira.hatenablog.com/entry/2021/03/…
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キャンセルの標的とされた教授の見解は、私自身は反対だし、誤解を招く表現もあると思うので問題はあると考えるが、法律時報2022年6月号の建石真公子「同性婚と憲法―フランスの同性婚法をめぐる『婚姻の自由』と『平等』」等を読めば問題のツイートの意味は一応把握可能だろう
nippyo.co.jp/blogjihou/jiho…
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憲法学者個人のアカウントのツイートのついて、当該研究者の所属大学の採る見解と同一であるわけもないのに、インフルエンサーらが当該学名を晒した上で、それは大学の見解か?とか、そんな研究者を雇っているのか?とか、処分すべき旨述べ、炎上させキャンセルを煽る行為のどこが「リベラル」なのか?
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もう札幌は無理でしょうね。こうなると、普通であれば、運営(電通)側が自治体と行政契約を締結できなくなる。ただし「普通であれば」だが…
五輪談合事件、電通側も立件へ | 2023/2/1 - 共同通信 nordot.app/99344583425035…
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札幌、これはもうさすがに厳しいのでは…
電通担当者、談合認める供述 五輪テスト大会事業入札(共同通信)
#Yahooニュース
news.yahoo.co.jp/articles/b1b43…
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大学の非常勤の授業(1回90分)、弁護士の特に重鎮の先生方は、ガチで1回3万くらいだと思っている先生が割りと沢山いらっしゃいますが、「いや、1月(つまり4回)でだいたいそのくらいじゃないですかね」とかいうと、マジで「?!?!?!」って感じで混乱されるので、まぁつまりそういうことです…
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「セックスワークにも給付金を」訴訟でも感じるが、この国では、多くの人が性道徳について国家権力でコントロールすることや、個々人の「性」に係る自由への公権力の介入を良しとする傾向があるのでは…と思う。「(多数の)国民の理解」を得られる性道徳こそが「正義」であると…
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文化芸術を“燃やす”理由(言い訳)が「劣悪かつ非ドイツ的」(20世紀)から「下品かつ非社会通念的」(21世紀)に変わっただけ、ということにならないような社会であってほしいところ
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フェミニズム研究者の清水晶子教授も行政が「特定の職業全体を『不健全』と断じるのは非常に危険」と批判していましたが、↓の記事はまともなフェミニズムとも整合する内容
「AV出演女性は全員被害者」は誤った認識 立ち上がった女優たち「親からも理解」「働き方のひとつ」
news.yahoo.co.jp/articles/a6370…
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「ホストを許容しない社会を学校教育で作る」ことがあるべき社会である旨の言説を見たが、これはホストについては職業選択の自由(憲法22条1項)を認めない、あるいは国家が公然と職業差別(憲法14条1項)を助長することを容認する態度。こういう人が憲法9条を守れ!と叫んでも、説得力があるのか甚だ疑問
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「Big Brother is watching you!!!」
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実質的監視国家では、このようにして、“キャンセルの扇動”と“萎縮の連鎖”が繰り返される
国家権力と一部の「市民」らは叫ぶ。「規制ではなくてゾーニングだ」「私人間で表現の自由は無関係」「社会的地位ある専門家の社会的責任も求められる」「適法であれば良いのではない。道徳的に許されない!」
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監視社会を私人らも手伝うことで完成させる。次の展開は、表現の自由や学問の自由への助成・補助の交付・不交付の決定において、専門家組織らの意見は軽視or事実上無視され、「市民」の「社会通念」に照らした抽象的な「公益」「国民の理解」が考慮事項として重視されるというもの。さらに市民は萎縮…
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一般論だが、研究者や法曹が他者の表現行為を萎縮させるために当該他者の所属先(例えば大学)に不当なクレームを入れ、これをSNSで公表し、広く支持者らを扇動するような社会は、「社会通念」から少しでもずれた表現の自由を萎縮させる社会として、実質的にはどこかの監視国家と殆ど変わらないですね
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くだらない漫画なんて燃やせばいい!とか無邪気に公言する人たちが「人権」とか「表現の自由」を語るくらいには、まだ自由な日本社会です
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大学の職階の訳は、国、領域・分野、大学、年代により異なる。研究者Xにつき経歴詐称というデマが飛び交う中、多くの他の研究者からの正当な批判(経歴詐称ではない)があるのに、大した根拠もなく、Xの所属大学に「経歴の訳が適当か」と尋ね、SNSで公表し炎上させ、Xの研究時間を奪う行為など許されない
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これまで静観してきた研究者・学者も声をあげる段階に来ているということです。キャンセル・カルチャー機能のある社会運動あるいは扇動的行為は自分たちに跳ね返ってくる。それが想像できない、しない、できても行為に及んでしまう、というのは結局不幸を導く行為ですね。もうこの国はダメかも…
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住民監査請求で不当判断と勧告が出た事例に対する住民の批判やコメントを不寛容に基づく不毛な議論だなどと片付けるのであれば、その後、政府や政治家の公金の使い途がおかしいとか言っても“おまいう”状態に陥り説得力がなくなるだろう。このように有耶無耶にする態度は政治腐敗を助長する機能すらある
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私人同士が潰し合いの運動会をしている最中に重大な政治的政策的な決定がされ、法案が通ることになろう。キャンセル・カルチャー機能のある社会運動は私人同士の分断を生み出すという権力者や政府にとって好都合な装置だが、「リベラル」はそれに気がつかず、いや気づいてもなお意地で潰し合うと…