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財務省の報告書「決裁文書についての調査の結果」を読んだが、率直な感想として「調書ってここまで書くんだ」と。この元になった情報を廃棄した(交渉過程は1年未満で廃棄と主張してた)のは問題だとして、近畿財務局の現場の人なりに、経過を残そうとしていたのだなと。担当者の責任感だろうか。
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昨年問題が発覚したときにこれを出していれば、政治家(安倍昭恵氏は政治家ではないが)の口利きの話だけだった(それはそれで問題だけど)。それが公文書の信頼性を損ねるという民主政治の根幹に関わる問題になってしまった。公文書管理法の「現在及び将来の国民に説明する責務」が疎かにされてる。
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私の本をもう一度貼っておきますね。瀬畑源『公文書問題 日本の「闇」の核心』集英社新書、2018年2月。森友問題も書いてます。
amazon.co.jp/%E5%85%AC%E6%9…
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麻生大臣は昨日の会見で「佐川が答弁」→「答弁に合わせて書き換え」と言っている。「書き換えた上で答弁した」ではないんだなと。この差は結構大きいと思うのだけど。そうなると佐川さんは何を見て答弁したんだろう。決裁文書を見てないということなのだろうか。
news24.jp/articles/2018/…
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最近の改竄問題と2010年の東北厚生局の改竄問題を比較して、民主党(長妻さん)にブーメランみたいなことを言っている人がいるみたいだが、東北厚生局のこの問題のことをきちんとわかっていて書いているのだろうか。
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2010年の東北厚生局の問題のまず前提として、郡山の医療専門学校がカリキュラムを勝手に改変して、国家資格に関する単位が全然足りない事態になったことがある。この件に関する2つの情報公開請求に対する対応が問題になった。
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①2007年8月開示の文書を、2010年4月に再請求したら、末尾に書いてある文字が2010年の方にあった。2007年の請求時に最後の数行を隠して開示したことが明らかに。しかも2007年に情報公開窓口で開示担当した職員が作った文書だった(自分で作った文書を自分で隠蔽)。当該職員が6月末に処分。
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②その後別の人が2010年7月に別の文書を請求。その文書があまりにも杜撰であったため、専門学校に問い合わせて文書を書き換えて公開。請求者は書き換え前のものも開示せよと主張したのに、書き換え後を正式な行政文書として開示を拒否し、「正しい文書を提供したいと善意で行った」と主張。
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結果、2連続ということもあったのか、東北厚生局長以下が11月末に処分。長妻大臣はむしろ問題が発覚した後に、きちんと対応して処分した。これは完全に地方局が自分たちの職務怠慢を隠蔽しようとしただけで、今回の隠蔽とは全然質が違う。
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私が歴史研究者の立場からコメントをしています。よろしければぜひ。
公文書改ざん、行政の責任は 憲法と公文書運用の視点から再考(朝日3/17)
asahi.com/articles/DA3S1…
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拙稿が現代ビジネスで公開されています。瀬畑源「日本人が「公文書改ざんの重大性」にピンと来ないのはなぜか?」(3/19)
gendai.ismedia.jp/articles/-/548…
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そして編集者から重版決定の知らせが。発売されてから微妙な売れ方だったのが、先週から凄い勢いで売れたらしい。ありがとうございます。重版出来!
shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0920-a/
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私の本でも書きましたが(三木由希子さんの引用)、官房機密費は会計検査院の検査もきちんと行えないブラックボックスになっている。少なくとも会計検査院にはきちんと報告させ、30年とか50年経過したら、問題ない部分は公開するというルールがあってよいとは思う。それだけでも使い方が変わる。 twitter.com/mainichi/statu…
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昨日の佐川前理財局長の証人喚問で気になったのは、「交渉記録は廃棄した」という答弁は財務省の文書管理規則の内容を答えただけという部分。この発言が真実なら、交渉記録が公文書に残るわけないと決めつけてたということになり、公文書管理法の主旨を無視していることに。
mainichi.jp/articles/20180…
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愛媛県知事の「保管義務がないから文書そのものは確認できていない。しかし、担当職員が備忘録として書いた文書だと判明した」ということは、公文書ではなく私的メモと言いたいのか。でも朝日が朝に出した写真に「報告・伺」って書いてあるけど。備忘録では説明つかなそう。
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180410-…
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これは読まれるべき記事。南スーダンPKO日報の請求者の布施祐仁さん、公文書管理委員会委員長代理の三宅弘弁護士、長年公文書管理委員を務められた加藤陽子先生(日本近代史)のインタビュー。読み応えがある。 twitter.com/mainichi/statu…
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小野寺防衛相のこういうスピードのある対応は素晴らしいと思う。ただ単に口頭でではなく、官房長名で文書で通知を出している点が評価高い。イラク日報問題以来、誠意ある対応をされていると思う。
「防衛省 ファイル名是正「分かりやすく」 省内に指示」(毎日5/18)
mainichi.jp/articles/20180…
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「その場の雰囲気で、ふと思ったことを言った」って言い訳としては無理筋では。愛媛の文書では「理事長と安倍首相との面談結果等について報告したい」と言って事務局長が会いに来たと書いてある。首相と理事長が「会っていない」のにノリで言ったは無理でしょう。
asahi.com/articles/ASL5Z…
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事務局長が言っていることを証明するなら、当日、愛媛県に説明した際の文書を公開する、上司(組織図だと理事長、副理事長、常務理事が法人事務局の上)への報告書を公開する、といったことは最低限必要でしょう。相手は記録を残している以上、加計側の記録を出さないと証明にならない。
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これだけのことをして不起訴とは、法の不備としか言いようがない。性善説に立っていたものを裏切られたわけだから、決裁文書の改竄については罰則を作るしかない。同じ事をくり返さないためにも。
「森友問題 佐川氏らを不起訴 決裁文書改ざん・国有地売却」(毎日5/31)
mainichi.jp/articles/20180…
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本当に安倍政権は公文書管理改革やる気がないな。「独立公文書管理監」って、言うてはなんだが特定秘密の監視にほとんど役に立ってない。その人達に管理を監視させて上手くいくとはとても思えない。
公文書管理の監視、専任ポストにせず 政府防止策(朝日6/22)
asahi.com/articles/DA3S1…
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大平正芳元首相は、公文書閲覧窓口を各省庁に作ったことや、国立公文書館への文書移管を推進しようとしたことも評価されるべき。新自由クラブと手を結んだときに、情報公開法を作る意思を見せたことも。
「公文書公開は民主主義の基本」と信じていた財務省OBの話
globe.asahi.com/article/116607…
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これは酷い。(議事録は)「業者に委託して作ったが、職員個人の『備忘メモ』なので公文書ではない」って、職員個人がポケットマネーで作ったとでもいうのか?
「公文書クライシス 総務省研究会、議事録「ない」実は存在 高知・大川村「町村総会」官誘導隠す?」(毎日7/22)
mainichi.jp/articles/20180…
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情報公開請求をした人の名前を当事者にバラすなんて、制度の根幹に関わる。地方議会で問題になって総務省が注意喚起してるのに、その当事者の大臣がこれを問題ないと思っているとは。
「野田総務相 情報公開請求 金融庁、漏えい認める 「危機管理のため」」(毎日7/25)
mainichi.jp/articles/20180…
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たぶん意図的ではなく、本当に「ゴミ」だと思って捨てたんだろう。現在の基準で「行政文書」として認識できない文書では、似たようなことが起きるのかもしれない。「歴史資料」という感覚がないんだろう
「富士山測候所 日誌を廃棄 68年間つづった貴重な40冊」毎日8/10
mainichi.jp/articles/20180…