951
「前代未聞の不祥事を重ねた責任を直視せず、開き直る麻生氏を、いつまで副総理兼財務相にとどめるのか。安倍政権には、もはや普通の政治モラルを問うこともできないのか」朝日新聞社説。
952
「始めてしまえば雰囲気も変わると思うんですよ」――菅首相はG7でそう説明しているんだろうか。
953
首相から「徹底した調査を速やかに実施するよう」指示された、と文科相。まるで首相が突然、大岡越前守になったみたい。しかし首相は本来、2月に森友が発覚した直後に「徹底した調査」を指示すべきだった。国民の声に応えるというなら財務省や内閣府にも指示を出さねばつじつまがあわない。
954
敵基地攻撃能力。読売インタビューに岸田首相「一つの選択肢」「あらゆる選択肢を検討する姿勢は大事だ」。これしか言ってないのに読売は1面で「国家安全保障戦略への明記に意欲」と。これ、モリすぎでしょう。「一つの選択肢」と「意欲」の間には距離がある。私見ではそもそも選択肢たり得ないが。
955
何十カ所もの病院に断られたあげく、高熱にうなされながら亡くなっていった人たちとその遺族。その無念を首相はどう受け止めているのか。せめていちど自分の言葉で語ってはどうか。自分で原稿を書いて、読み飛ばしたらもとに戻って読み直す。命は一人に一つ。命と健康を守る責任者なら、せめて。
956
コロナの緊急事態に加えて大雨による緊急事態。
首相の姿がみえない。
957
個人崇拝誌「Hanada」「WiLL」は、この先も元首相追悼特集を続けるのではないか。第一に、熱心なファンが離れることをおそれて、第二に、ほかにこれといった企画が浮かばなくて。
958
「先ほどから同じような質問ばっかりじゃないでしょうか」とイラ立つ首相。記者会見を断って「ぶら下がり」にしたら「打ち切り役」がいなくて切れた、というお粗末。打ち切るだけならだれでもできるでしょうに、なんで続投なの。
959
教育勅語を掲げる小学校を首相夫人は支持し、首相も容認した。それは国民主権などの憲法理念の否定を意味した。官僚たちは特例的な対応で国有地を払い下げ、反憲法的小学校の創出に手を貸した。危ういとみた首相は森友を切り捨て、小学校は頓挫。と、公文書の改ざんがばれた。真の責任者はだれなのか。
960
南北首脳会談が実現し、次につながったことをまずは喜びたい。初めて歩いた赤ちゃんを前に、歩き方がよくないとしかる親はいない。
961
〈(緊急事態宣言にもかかわらず)官邸幹部らは「五輪をやらない選択肢はない」「宣言は関係ない」などとして、五輪実現に強い意欲を示し続ける〉朝日新聞。
首相官邸はもはや合理的な判断力を失っているようだ。
いよいよ竹やりで本土決戦か。
962
「安倍政権はNHKの会長や経営委員、日銀総裁に自分の思想や政策が重なる人物を据え、果ては自身の憲法解釈変更を認めてくれる人物を内閣法制局長に据えた。最後に残ったのが検察庁ということなのだろう」憲法学者・水島朝穂氏、毎日新聞。
「恣意的な人事」ばっかりしてきたじゃないの。
963
「原発事故を経験した日本の技術が世界に貢献できる可能性はある」と世耕経産相、原発輸出になお意欲。朝日新聞。
原発事故を反省して脱原発を主導することだけが世界に貢献できる道ではないか。
964
「私の見るところ、プーチン氏は(偉大なロシアの)『神話』に囚われている。私の言う『神話』は、都合の良い史実を選び出し、繰り返し称賛し、民族の誇りにすることです。史実の神話化とも言えます」ロシア文学者、英オクスフォード大教授アンドレイ・ゾリン氏。読売新聞。そういう政治家、日本にも。
965
ワーキンググループの議事録は? 作っていません。
ホテルの見積書は? 出せません。
招待者名簿は? シュレッダーにかけました。
法解釈変更の議事録は? ありません。
検事の定年延長を認める基準は? これから作ります。
ずいぶん偉い人だった。
いや、ずいぶんな人だった。
966
関西の緊急事態宣言「もう数日、様子をみる」と首相。火のついた導火線を腕組みして見守るようなものだ。だれがその火を消すのか。首相と知事が顔を見合わせている間に爆発か。
967
「私や妻が関係していたら、総理大臣も国会議員もやめる」という答弁を聞いて、官僚たちは青くなって改竄に走ったらしい。だけど、改竄せずにそのまま文書を開示しても、あのお方、何やかんやヘリクツつけて、総理大臣も国会議員も辞めなかったんじゃないか。サギをカラス、の人だから。
968
教育勅語を称揚し、あの幼稚園の教育を肯定する大日本帝国の遺物のような政治家が現職の閣僚、それも防衛大臣であることの不気味さ、危うさ。あの大臣一人でなく、自民党のほとんどが同じような考えだということの救いのなさ。
969
「(前文科次官が)なぜ反対しなかったのか不思議でしょうがない」
なんか変だなあ。
たとえていえば、なぜほかの閣僚は開戦に反対しなかったのか(しようと思えばできたのに)、不思議でしょうがない、とあとになって東条英機が言うような、そんな違和感。
970
内閣官房参与という立場にありながら、右派雑誌で語る語り口が一般社会でも通用すると考えたのが高橋さんの大きな誤りだったのではないでしょうか。「オレは間違っていない!」「高橋さん、よく言った!」という次号の見出しが今から目に浮かんできます。
971
森友を特例扱いした、と一度は書きながら、あとで消した。何で特例扱いなのか。何で消したのか。
「私の妻が(森友側に)どういう答えをしたか、それがそんなに大切なことか。大切な問題じゃないんじゃないですか」
大切です、すごく。
972
森友もそうでした。これだけ続けば偶然とは言えない。破棄したからわからないのではなく、わからなくするために破棄した(ことにした)と見るべきでしょう。
973
赤木ファイル。「調査を尽くしている」として麻生財務相は再調査を否定。しかし、当の財務相の責任者にそう言われて、ああそうですか、とはなりませんよ、麻生さん。あなたがそう言うなら、なおさらしっかり調べなきゃ。
974
石原慎太郎は2014年12月16日、政界引退の記者会見で言った。
「ある週刊誌のインタビューで『一番したいこと』を聞かれたので『支那と戦争して勝つこと』と話した。私は日本人として言いました」メディア展望15年2月1日号
戦うのは石原ではない、若者たちだ。
975
「日本の政府はあらゆる方法をもって琉球を利用するが、琉球の人々のために犠牲をはらうことを好まない」米国の歴史学者G・H・カー。
「甘えているのは沖縄ですか。それとも本土ですか」翁長雄志前知事。
5・15朝日新聞社説から。