1
米国に行くと「我々は同じ価値観を共有している。戦後の援助に感謝する」
日本の仲間には「我々はアメリカの価値観を不当に押しつけられた。本当の日本を取り戻そう」
どっちやねん。
2
森友学園への国有地払い下げ。近畿財務局の官僚だけで判断したとはとうてい思えない。背後に何があったのか。
それにしても払い下げの可否を審議した国有財産近畿地方審議会委員に読売新聞大阪本社編集局管理部長(当時)が名を連ねていることに驚く。
3
森友学園関連。私立学校の設置を審議する大阪府私立学校審議会の委員名簿(2016年12月現在)に、読売大阪本社世論調査部主任の名がある。選任理由は「新聞記者として教育問題に積極的に関わり、教育関係に造詣が深いから」。これまたびっくり。
4
この際、どこの新聞でもいい、森友学園への国有地払い下げについて、核心的事実を掘り起こしてほしいーーなんて書くと若い同僚記者に怒られるが、もはや、どの社の、というより、日本のジャーナリズムの力量が問われている。
5
あの運動会の映像が世に出たことで首相、防衛相、そして日本会議の思想が視覚化された。その不気味さ、異様さ、危なさがようやく広く知られたのではないか。彼らは戦後を否定し、帝国憲法と教育勅語に回帰する。それでいいのか。国有地払い下げが適正かどうかだけの問題ではない。
6
読売政治面の記事の結び部分「野党は、同学園と保守色の強い首相を結びつけることで政権のイメージを落とそうとしている」
野党はアンフェアだと言いたいらしい。
しかし、学園理事長は日本会議の幹部。首相と日本会議が「結びつ」いていることは隠しようのない、公知の事実。
7
思うに、学園にとって名誉校長はただの生徒集めの広告塔ではなかった。それは、財務省などの官僚に突きつけた「いんろう」だった。このいんろうが目に入らぬか。役人は、その意味を忖度し、法の例外をアクロバットのようにつなぎ合わせて、ただ同然で国有地を払い下げた……。
9
妻が名誉校長だったこと、寄付金集めの振込用紙に一時、名前が書かれていたこと、氏名を冠にするのは辞めたあとにしてほしいと言っていたこと。これらはすべて首相と森友学園の親密さを示すファクトだ。首相と日本会議が思想上の同志であることも紛れもない事実。だれも印象操作などしていない。
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違法性がないと参考人は呼びにくい、と官房長官。何で違法性がないとわかるのか。理財局長が根拠も示さず、適正、適切と繰り返しているだけではないか。違法性があるとはっきりわかっていたら、国会に呼ぶより、警察を呼べばいい。
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森友学園理事長、経歴詐称の疑い。大阪府に出した資料では76年3月関西大学法学部卒、4月自治省に入省、奈良県に出向。ところが大学の名簿では77年3月商学部卒。新卒で奈良県庁に採用された。自治省に在籍した事実は確認できない。以上、読売社会面。
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森友学園の学校建築費、3通めの契約書が存在することが明らかになった。朝日新聞がスクープした。新たにわかったのは助成金申請のため関西エアポートに提出した契約書で、額は約15億円。国に出した約24億円の契約書、大阪府に出した7億5千万円の契約書と同じ日付だった。助成金は未受領。
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9日読売社説「膨大な廃棄物が埋まった土地である以上、売却価格の減額は正当であり、政治家の関与はなかった、という見解は理解できる」
読売は「膨大な廃棄物」をいつ確認したのか。あの説明で「理解できる」のか。
森友学園はともかく、政府には問題がないという内容。事実上の幕引き宣言か。
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「教育勅語の精神は……高い倫理観に世界中から尊敬される道義国家をめざすということだ」と稲田防衛大臣。
白紙の領収書を260枚ももらって「何ら問題ない」言っていたお方が……。
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教育勅語を称揚し、あの幼稚園の教育を肯定する大日本帝国の遺物のような政治家が現職の閣僚、それも防衛大臣であることの不気味さ、危うさ。あの大臣一人でなく、自民党のほとんどが同じような考えだということの救いのなさ。
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南スーダンはもっと早く撤退させねばならないところをここまで引っ張った。遅すぎた決断。自衛隊員の安全のためというより、森友問題でのイメージダウンを挽回するために自衛隊を撤退させたのではないかと、つい邪推したくなる。
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戦闘が起きた時には撤退させなかったのに、なぜ今、自衛隊撤退なのか。森友学園で危機に陥った政権を救うため、支持率維持の手段として自衛隊を利用したのではないか。自衛隊は政権の私物ではない。今回は撤退だが、次は突撃かもしれない。
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「稲田朋美防衛相は早ければ週内にも部隊に撤収命令を出す調整に入った」12日毎日新聞。しかも、治安の悪化が撤収の理由ではない、と言うのだから、首相があの時間に自衛隊撤収を発表する必然性は全くなかった。結局、学園理事長の会見にあててきたということだ。姑息な。
19
細川首相以来の歴代首相は、終戦記念日の全国戦没者追悼式でアジアの戦争被害者を悼む言葉を語ってきた。それを2013年から取りやめたのが現首相だ。
きのう、首相は、東日本大震災の追悼式で原発に言及しなかった。言葉を消しても事実は消せない。歴史は消えない。なかったことにはできない。
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〈財務省は「適正な手続きだった」と繰り返している。一方で学園と近畿財務局との交渉記録は破棄したという。ではなぜ破棄したかと聞けば「適正で問題がないからだ」と答弁する、これで納得しろという方が無理だ。……やましい所がないなら参考人招致を認めればいいだけの話だ〉毎日新聞社説。
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教育勅語等排除に関する決議「教育勅語の根本理念が主権在君並びに神話的国体観に基いている事実は、明らかに基本的人権を損い、国際信義に疑点を残す。憲法第98条の本旨に従い、これらの詔勅を排除することを宣言する」要旨。1948年6月19日。98条は憲法に反する法律、詔勅の無効を規定
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稲田防衛相「これまで私は(夫が経営する弁護士法人の)代表になったことはない」と国会で答弁。ところが05年の選挙公報には「平成16年12月 弁護士法人代表に就任」と記載していた。朝日新聞。
またひとつウソが。
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国に命を捧げよと命じる教育勅語を賛美してやまない人たちが、国有地をただ同然の値段で手に入れてわるびれる気配もない。長年のお友だちは、しつこい、関係ないと手のひらを返して知らんぷり。
この国の美しさに目の眩む思いだ。
24
大臣「私は大学を卒業した」
別の人「ウソ、あなたは中退じゃないの」
大臣「訂正する。正しくは中退。ウソをついたのではない。記憶に基づいて言った」
こうしてこの世からウソなるものが一掃された。
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ヤジにいちいち反論したり、売り言葉に買い言葉ふうに大声でやり返したり、隣の大臣と意味もなくヘラヘラ笑いあったり、国会審議中これほど品性に欠ける首相も珍しい。田中角栄、中曽根康弘、竹下登、宮沢喜一……。みんな、少なくとももっと落ち着いていた。