851
菅首相の決意表明を受けて「(G7の)首脳の一人が『全員の賛意を代表して東京大会の成功を確信している』と発言した」と同行の内閣官房副長官が説明したらしいが、すっきりしない。首脳の一人が「賛意」を示し「成功を確信する」と発言したもののあとは無言だった、とうけとる方が事実に近いのでは。
852
防衛相の自衛隊選挙応援発言を読売新聞は、それによって野党は「新たな攻撃材料を得た」と書いていたが、そんな小さな話ではない。日本の民主主義の根幹にかかわる重大な問題だ。それもわからないのだろうか。
853
沖縄で、広島で、長崎で、自国の戦争被害者からあれほど強い反発をうける首相がかつていただろうか。8月15日の全国戦没者追悼式では、アジアの戦争被害者を悼むことをやめてしまった。天皇陛下の「深い反省と共に」という言葉を首相はどう受けとめたのだろうか。
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1957年に首相となった岸信介は、自身の戦争責任を国会で問われ、こう述べる。
「我々が戦争に突入せざるを得なくなったところの原因を詳細に私自身としては反省し……民主政治家としてあくまでも精進していくという決意に到達した」
反省する、精進する、けれど責任はとらない。
よく似た孫がいる。
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読売の世論調査で、内閣不支持の理由として最も多くあがったのは「首相が信頼できない」。朝日の世論調査でも「首相は信用できない」が61%、内閣不支持層では91%を占めた。たしか首相は「信なくば立たず」と言ってきたはず。ここからは地位に恋々、出処進退が問われる段階に入る。
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読売社説「違和感を拭えないのは、大学を誘致した愛媛県が政府と対立する構図に見えることだ」
愛媛県は国会の要請を受けて新文書を提出した。愛媛県の立場はニュートラルだ。まるで政府を困らせるようなことをするな、と言わんばかりの読売の論調に違和感を拭えない。
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「全国民の心が踏みにじられた」と名古屋市長。市長が「平和の少女像」にどんな感想をもっても自由だが、市長に「全国民」を代表する資格はないし、「全国民」を代表して感想を言える者なんてそもそも存在しない。そこの認識から間違っている。
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電通、パソナに限らず、この政府はやることなすこと、すべて不透明さが付きまとう。
記録を残さず、残っていた記録は捨てる。結局、首相らの思いつきに、あとから役人が無理やり理屈をつけようとするから情報開示できないのだろう。検察官の定年延長が典型的。まさに「鯛は頭から腐る」だ。
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ウクライナのひまわり畑の中で一人の老人がジョバンナ(ソフィア・ローレン)にウクライナ語で語る。「ひまわりの下にも、どの木の下にも、麦畑にも、無数のイタリア兵とロシア人捕虜が埋まっています。老人も女も子どもも……」映画「ひまわり」から。
860
天皇は男系男子でなければならない、と主張する自民党議員は言う。
「男系なんて側室がいないと続かない。旧宮家の男系男子と女性皇族を結婚させればいい」「早く眞子さまと佳子さまを旧宮家と結婚させろ」毎日新聞。
婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する。結婚させろ、とは、ひどい話だ。
861
北朝鮮のミサイル発射。「日本が反撃能力を持ったら北朝鮮がミサイルを撃たなくなると思いますか。北朝鮮がさらに強い行動をとり、軍拡を加速させるという推測もたてざるをえない。緊張が高まらないよう、交渉で止めるのが外交じゃないですか」田中均・元外務審議官、朝日新聞。
862
今日の読売新聞、社説の見出しは「沖縄県は国と虚心に話し合え」ーー。
おやおや。沖縄の民意を無視して辺野古の埋め立てを強行しているのは国ではないか。
「国は沖縄県と虚心に話し合え」
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安倍首相は18日午前、首相主催の「桜を見る会」の前日に地元支援者を招いて開かれた夕食会の会費などを示す明細書について、「そうしたものはない」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。時事通信。
またまた隠蔽の闇の中に姿をくらますつもりか。しかし「ない」と言った時点で即アウト。
864
「私は安倍総理の顔がなぜ見えないのかな、と本当に思っているんですよ。西村経済再生相や赤羽国交相に丸投げをしているんではないかと。……記者会見すらしないわけですから。とにかく都合の悪いことが出てくると、総理官邸に巣ごもりするんだよね」立憲・安住氏、朝日新聞。
安倍居留守政権。
865
花見。「そもそも『幅広く参加希望者を募り』がおかしいです。功績・功労者を招待する会なのに、幅広く募っちゃダメですよね」上西充子教授、毎日新聞。
公金私物化の根源。
866
学術会議会員任命拒否。「まず6人を任命して学者らを代表する学術会議との関係を修復し、多様な意見にしっかり耳を傾ける。首相の「聞く力」は本物か、国民は注視している」朝日新聞社説。
学問は政治から独立する。菅政権は自由の根幹に手を突っこんだ。負の遺産を清算せずに次には進めない。
867
「圧力だ、圧力だ、言うこと聞くまで圧力だ」
それしか言わない日本の首相。近代150年の歴史をふまえて、東アジアの和解のため、日本は何をするのか。語る言葉をもたないのが情けない。
868
官僚なら「飛ばすぞ」のひとことで言うことを聞くかもしれないが、ウイルスが相手ではそうはいかない。大都市部でも地方でも感染が拡大。人事権をたてに脅しがきく範囲でしか政策をまとめられない為政者では、この事態に対処できない。
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せめて、せめてです、岸田さん。せめて臨時国会をすぐに召集してはどうですか。それが内閣に課せられた憲法上の義務なんです。議論の場の設定を拒否してどうするんですか。
870
南スーダンはもっと早く撤退させねばならないところをここまで引っ張った。遅すぎた決断。自衛隊員の安全のためというより、森友問題でのイメージダウンを挽回するために自衛隊を撤退させたのではないかと、つい邪推したくなる。
871
「学術会議の推薦の通りに任命すべき義務があるとまではいえない」と首相は繰り返す。それなら、なぜこの6人に限って任命を拒否したのか、理由を述べよ、と言っているのだ。拒否した以上、何か理由があるのだろう。正当な理由があるなら言えないはずがない。
#日本学術会議への人事介入に抗議する
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大臣「私は大学を卒業した」
別の人「ウソ、あなたは中退じゃないの」
大臣「訂正する。正しくは中退。ウソをついたのではない。記憶に基づいて言った」
こうしてこの世からウソなるものが一掃された。
873
つづき。東京管区気象台総務課「庁舎内のスペースは有限で、必要ないものを無尽蔵に保管できない」。毎日新聞。
「必要ない」という判断がどうして、どこから出てくるのか。
874
「官僚が用意した文章を声に出してただ読むだけ」であることは従来通りだが、「ただ読む」こともままならぬか。失敗はだれにもあるにせよ、広島の平和式典で、肝心の箇所を……。菅首相、これに限らず、もろもろもう限界だ。
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「アソウさん、いくらなんでも少し言葉に気をつけてくださいよ」
副総理に向かって、その一言が言えないらしい、この国の総理大臣は。