176
国家の法治システムに於いて、「余人を以て代え難い」などということがあったとすれば、それはすなわち「ここにシステムの欠陥があるよ」という意味にほかならない。「余人を以て代え難い」という言葉は、法治システムの番人である公僕としての敗北宣言なのに、なにを得意気に言っているのだ?
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責任ある立場の人間は、「仮に明日、私の頭がおかしくなったとしても、私に好き勝手ができないようなしくみを、私が正気のうちに整えておこう」と考えるものだ。「私は好き勝手をしないので、私が好き勝手ができないようにするしくみは要らないのだ」などという考えかた自体が、リーダー失格なのだ。
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これはほんとうに狂気の沙汰だ。美談でもなんでもない。即刻やめさせるべきだ。医療従事者の人命を軽視していることはなはだしい。 twitter.com/mainichijpnews…
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だから、不要不急の外出をしないでくれとお願いしているほうの立場だろう、あんたらは。アホちゃうか。 twitter.com/Matsukawa_Rui/…
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病院にできることは、重症化するタイミングで、すぐには死なないようにする手当てだけだ。それを、あたかも早期発見して効くかどうかも定かでない薬を飲めば治るかのように報道するのは、医療行為の妨げにしかならない。「手遅れ」なんてものはまだこの病気にはないのだ。だって「手」がないんだから。
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COVID-19を治す方法が現時点で確立していると誤解している人がけっこういる。COVID-19は、まだ人類の知恵では治せない。重症化した人に手当てしているのは、治そうとしているのではなくて、なんとか死なないようにして、ひとりでに治るのを待っているだけだ。薬だって、既存のものを試しているだけだ。
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首相もマスコミも、最後の手段のアビガンを気楽に売り込みすぎだ。まだCOVID-19への効果は定かでないうえ、動物実験では催奇形性が報告されている。それをほとんど報じず、早期にすぐ使えなどと言ってるやつまでいる。催奇形性のある薬に日本人はひどい目に会っているのを忘れたか? サリドマイドだ。
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ホントに安倍政権はズレてるなあ。閣僚も全員ちゃんと十万円を受け取って、「こんなことにスパーンと使って、停滞している経済を少しでも回す足しにしました」と、使いみちのセンスのよさをSNSでアピールすれば格好の宣伝になるのに。裕福な者たちは、「#十万円使いみちチャレンジ」をやればよい。
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一人十万円の給付を勝ち取ったのは、存外に大きなことだよ。額よりもなによりも、「世帯」ではなく「個人」を給付対象にさせたということが、いちばん大きい。安倍首相を日本会議的価値観に逆らわせたわけだから。これは、国家を構成する最小単位は「家族」ではなく「個人」であるとした実績になる。
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立憲民主党の愚かなところは、自民党へのカウンターのつもりで、デマ屋やトンデモや素人をわざわざ連れてきては科学(のようなもの)を語らせるところだ。べつに、自民党に対抗するために、自民党と異なるニセ科学を持ってくる必要などない。立脚する科学に党派など要らない。科学はひとつでいい。
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COVID-19と人類を見た場合、「おお、やっぱり小松左京はすごい」と思うが、COVID-19と日本を見た場合、「おお、やっぱり筒井康隆はすごい」と思うな。
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いざ、ホンモノの国難が襲ってきてみると、『シン・ゴジラ』はヌルいファンタジーだったよねといった意見をよく見かけるけど、バカや悪人が一人も出てこない点で、あれは最初から現実にはあり得ない痛快ファンタジーだからね。
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「緊急事態宣言を発令」と書いてる無神経なメディアがあるが、あれは「令」ではないので、安倍首相もちゃんと「発出」と言っていたではないか。こういうとこ、存外に大事だよね。「発出」という耳慣れない言葉を使うことで、この宣言が法治国家としてギリギリの措置であることが想起されるのがよい。
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「私たち国会議員や国家公務員は、いま、この状況でも全然影響を受けていない。収入に影響を受けていないわけであります。そこに果たして、5万円とか10万円の給付をすることはどうなんだという点を考えなければならない」 狂ってる……。どういう視点から見てるのだ??
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200407-…
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与党内にも霞が関にも、英語ができる人なんて掃いて捨てるほどいるはずだ。なのに、こんなものが政府から出てくるということは、人材の能力が発揮されるプロセスを阻害しているなにかがあるということだ。できる人が山ほどいる英語ですらこうなのだ。ほかの専門家の知見はどうなっていることやら。
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「Go To Travel」やら「Go To Eat」といったヘンテコな直訳英語が、検討段階とはいえ政府から出てくることに、もっとみんなゾッとしたほうがいい。これは、一事が万事、専門家不在の意思決定が閣内の素人の思いつきだけでなされているさまを如実に物語っているからだ。
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今回のパンデミックで、アメリカ人は「“おれたちの側”でないやつらを分断して無視しても、結局、感染症はおれたちに跳ね返ってくる。自分が助かりたいと思ったら、全員を助けるしかないのだ」ということを、徐々に学習しはじめているようだ。日本政府はまだ学習しておらず、滅びへの道を進んでいる。