126
									
								
								
							なにが怖ろしいって、「オリンピックのあと、これこれこうするつもりだ」という話が、この国のリーダーたちからまったく聞こえてこないことだ。仮にオリンピックをやったとしても、そのあとみんなず~っと日常を生き続けていかなくちゃならないんだけどな。
							
						
									127
									
								
								
							ひとつだけ確実に言えることは、強行開催して大惨事を招いたあと、IOCは「おまえらがおまえらの意思で招致し、おまえらの頭で考えて開催を決定し、おまえらが準備し開催した。それだけのことだ。IOCの知ったことではない」と言う。これはもう、絶対に言う。というか、すでに自己責任だと言っている。
							
						
									128
									
								
								
							まあ、まだまだ国民は開催中止を諦めてはいかん。万が一、いまのようなゆるゆるの準備で強行開催されて大惨事になったあと、「あのとき、日本人は全員気が狂っていたのか?」と問われたとき、「いや、私は正気だった」と胸を張って言えるようにはしておきたい。
							
						
									129
									
								
								
							パンデミック下に於けるオリンピック開催の初めてのモデルに日本がなるとかいったたわごとが聞こえてくるからには、なにかよほど特別に厳格な対策を取るのかと思いきや、まるでわざと感染爆発を引き起こそうとしているかのようなオリンピック運営の話ばかりが次々とあきらかになってくるなあ。
							
						
									130
									
								
								
							「ら致」だの「だ捕」だの「漏えい」だのといった醜い表記にいったいなんの意味があるのかといつもぼやいてきたが、「ひっ迫」だけは、たしかに現場のあちこちから「ひっ」と声が上がっているさまがよく表現されているようでもあり、「逼迫」よりも「ひっ迫感」があるような気もする。
							
						
									131
									
								
								
							緊急事態宣言の延長をするにしても、いったい全体、どういう発想で「期間」を最初に決めようとするのだ? そんなことが予め決められるくらいなら、すでにパンデミックを制御下に置いているに等しい。「期間」ではなく、「解除条件」を決めるのが筋と言うものだ。そうしないから、ますます信用を失う。
							
						
									132
									
								
								
							デーブ・スペクターがウケ狙いでもなんでもない正論を述べているほど、事態は深刻だ。 twitter.com/dave_spector/s…
							
						
									133
									
								
								
							「東京オリンピック中止」は、いまのところ、関係者のあいだでは「言い出した者が負け」といった空気が流れているが、あるところでカチャッと空気が変わり、「言い出した者は、大英断をした政治的賢者」として語り継がれることになる。この一瞬の潮目の変化を読む能力は、小池都知事にしかないだろう。
							
						
									134
									
								
								
							風評被害というものは、このレベルの無知からすでにはじまっている。マスコミは、「日本は事実上高校全入だ。教育水準は高い」などと説明の手を抜かず、このレベルの話からじっくり大衆を啓発してほしい。義務教育レベルの基礎知識を欠く人がネットで見つけた“隠された真実”など、ろくなもんじゃない。
							
						
									135
									
								
								
							「そんなバカな!」とお思いになるかもしれないが、「水を分解してできた水素ガスと、アンモニアを分解してできた水素ガスとでは、どちらが有害だと思いますか?」という設問に言い換えてみたとしたらどうだろう? 全国規模で調査したら、きっと驚くべき結果になると思う。詐欺師は食うに困らない。
							
						
									136
									
								
								
							日本の義務教育の理科教育で最も失敗しているのは、元素という概念を教え損ねている点だと思う。おれがいままで生きてきて思うに、「水の分子を構成している水素原子と、アンモニアの分子を構成している水素原子は、まったく同じ水素原子だ」ということを理解していない人は、日本人の過半数だと思う。
							
						
									137
									
								
								
							1960年代生まれくらいの人には共感してもらえると思うのだが、庶民の口に入る外国料理のヴァリエーションが爆発的に増えたのは、1980年代後半くらいからだったと思う。おれは高校を出るまで、それこそ嘉門タツオじゃないが、スパゲッティと言えば、ナポリタンとミートソースしか食ったことがなかった。
							
						
									138
									
								
								
							「バリアフリーなんて、一部の特殊でわがままな人間のために金がかかる贅沢だ」と思っている人は、自分が年寄りになってきたら、「私は一部の特殊な人間だ。他人に迷惑をかけないように死ぬまで家に閉じこもっていなくては」と思うのだろうか? バリアフリー化というのは、未来の自分への投資だろう。
							
						
									139
									
								
								
							映画『さよならジュピター』をいまから観ようという人にぜひお勧めしたいのは、小説を読んでから観ることだ。小説はとてもよい。そうすれば、本来、二、三百倍以上の金をかけて作るべき映画だったのだなというあなたの想像力が、映画が描き切れなかった水面下の氷山の部分を脳内で補ってくれるはずだ。 twitter.com/nmisaki/status…
							
						
									140
									
								
								
							ちなみに、「科学を振りかざす」という迷言騒動は、2019年にもあったよね。同じ人だったかどうかは憶えてないけど、やっぱり朝日新聞。むかしは〈科学朝日〉というまともな科学雑誌を出していたんだけどねえ。
twitter.com/ray_fyk/status…
							
						
									141
									
								
								
							それに、財力やら家柄やら教養やら才能やらとちがい、「科学的な考えかた」というのは、誰でも身につけることができる。コスパ最高の考えかただ。貧乏人の味方、凡人の味方だ。本来、科学的な考えかたは義務教育で万人に与えられているべきものだが、どうも現状はそうなっていないのが嘆かわしい。
							
						
									142
									
								
								
							「科学を振りかざす」という表現にすごい違和感があるのは、おれの中に「ほかの方法論に比べれば、科学ほど誰もが共通の認識を持てるものはない」という価値観があるからだろうな。「算数を振りかざす」と言われているように聞こえるのだ。「22が7で割り切れない不安に寄り添え」と言われても困る。
							
						
									143
									
								
								
							豊田有恒氏は、小説を書くのにいちばん役に立っていることはなにかと問われて、「受験勉強」とお答えになったそうだが、歳を食えば食うほど、この言葉の真意と重みが実感されるな。人間、自分の好き嫌いとは関係なく、知識を広く浅く強制的にインプットする時期が必要だと思う。あとで効いてくる。
							
						
									144
									
								
								
							「『寒ダラ』という語感を聞いた瞬間、僕が引き受けるしかないと決めた」 なんという使命感であろう。たしかに、そりゃそうだけどさ。
kahoku.news/articles/20210…
							
						
									145
									
								
								
							これは、江川紹子氏の記事だからこそ、いっそうの説得力を持つ、よい記事だよねえ。彼女はこの風景をずっと見てきたんだから。若い人たちに語り継がなくてはいけないことだ。
news.yahoo.co.jp/byline/egawash…
							
						
									146
									
								
								
							以前は、誰かが「いわば」と言ったら、「おっ、いままでのわかりにくい話を、誰にでもわかりやすいものになぞらえて整理してくれるのだな」と期待したものだし、「まさに」と言ったら、「おっ、これを説明するのにほかにはふさわしいものがないくらい明解な言葉が次にくるぞ」と期待したものだった。
							
						
									147
									
								
								
							もし、新型コロナに対するのとまったく逆の行動をしなければならない病気が流行ったら、厭だろうなあ。できるだけ人の密集したところに行きなさい。食事は必ず5人以上で。けっしてひとりで行動しないでください。映画をひとりで観るなどもってのほかですーーうわぁ、気が狂う!
							
						
									148
									
								
								
							正直なところ、おれは家に閉じこもっていることになんの痛痒も感じないタイプの人間なので、新型コロナ禍でのふつうの人の精神的苦痛に無頓着になりがちだ。だから、ふつうの人がいま感じている苦痛は、おれが毎晩パーティーやイベントに参加させられているような苦痛なのだろうと想像してみたりする。
							
						
									149
									
								
								
							ディストピア小説をいかに読むかについて、じつに保守的でまっとうな見解を述べているだけの大学の英文学の先生に、「いまの日本にディストピア要素なんかあるものか」とわけのわからない連中が絡んでいるさまそのものが、紛れもないディストピアの描写になっているのは面白いよね。
							
						
									150
									
								
								
							人は誰かの“資源”になるために生きてるわけじゃない。「人材」というのは、人の多様なありかたの一部を指して便宜的にそう呼んでいる言葉なのであって、人が「人材」にしか見えなくなったら、人間おしまいだと思う。
news24.jp/articles/2020/…
							
						 
									 
								 
								 
								