301
アニメをいろいろと教えていただき、感謝です。「どろろ」1・2を見る。百鬼丸をどろろ視点から描くのはいいな。万代をあの尺数に纏めたのもいいが、原作を初読したときの驚愕に比し、ぼくはやや物足りなかった。でも原作を整理して、新たな小林・古橋ホラーが生まれるならと、大いに期待しています。
302
「ブギーポップは笑わない」アニメの1・2話を見る。発表当時に原作を読んで、見知らぬ物語の地平を垣間見せられ、自分の未来に暗澹としたが、アニメはついてゆけなかった。今回はどうだろう。昔ドラマの脚本で少女に「ぼく」といわせたら、役者に嫌がられた。今あの台詞回しが魅力的なのは、なぜだ。
304
305
306
アマゾンからアニメ「サザエさん」が配信されはじめた。50年近い歳月を隔てて、自分の脚本の第一回を見るのは妙な気分だ。時のうつろいを顧みるにふさわしい師走の今日。
みなさま、どうぞよいお年をお迎えください。
307
藤田淑子さんの訃報を知る。芦辺さん角銅さんたちのツィートに接し、目がさめました。「一休さん」との長いおつきあい、声優さん動員の舞台「火の鳥」の朗々たる台詞回し、35年にわたってゴールデン街で紙上開業したバー「蟻巣」のママ近江由布子のモデル(勝手にそうきめていた)。どうか安らかに。
308
309
水上悟志「惑星のさみだれ」10巻まで読了、感服。合併領域「荒唐無稽・構造計算」。無手勝流と思わせて、構成もコマ運びも緻密なまでに計算高い。テキトーに並べたかといいたいほど、人物も動物も入り乱れているのに、読後の気持ちいい統一感に参った。ウェルメイドに留まらぬ活気に満ちたエンタメ。
310
定石破りのアニメに感服したので、作者水上悟志の「惑星のさみだれ」1から3までを読む。よし、当たった。というか今まで知らなかったことを後悔する。地味に華々しく、弱げな騎士がズラズラ並んで、ヒロイン究極の願いは、敵から守った地球を自分がぶち壊すこと。書いてみたら実に訳わからん話だね。
311
今ごろシリーズで中国アニメ「牧笛」。今はYouTubeで気安く見られる。なんと水墨画が動く!と仰天したものだが、数年前上海からアニメを目指す女性が来日して、我々がお相手したときまた驚いた。あの技法は文化大革命で滅びていた。文化は脆く壊れやすいと心しておきたい。再見の機会に再度呟きます。
312
アニメ化された「からくりサーカス」1を見る。「うしとら」の終盤ではキャラクター総動員の盛り上がりで見せた、藤田和日郎さん原作と井上敏樹さの構成力は圧巻だった。この原作も連載をリアルタイムで読んでいたが、面白かった印象は確かなのに細部の記憶は滅失したせいで、第一回を素直に楽しんだ。
313
アニメ「SSSSグリッドマン」1を見る。円谷プロのアニメ界殴り込みかと思ったが、ツカミもキャラの配置も、想定内ですらすらと見られたけれど、作品世界のルールがまだのみこめないせいか、独自の闘気や稚気がもの足りなかった。とはいえまだ第一回である。しばらくは黙って画面に接してゆきたい。
314
アニメで初見の「ゴブリンスレイヤー」、ようやく原作に接した。異世界冒険ものとはいえ、小鬼狩りをこんな角度から描いたのか。手垢がついた題材でも作者の目によって、新鮮に衣替えできるのだ。名脚本家おふたりに世界観展開の斬新なアニメ技を期待しよう。「ラディアン」1は品切れらしく、残念だ。
315
アニメ「若おかみは小学生!」24話まで観了。最後までアクセルとブレーキの踏み分けが的確で、小学生にふさわしい視点もぶれなかった。できそうでできないことだと思う。作画スタッフの出自だの旅館のモデルだの事後の知識をいろいろ得たが、関係なくいいテレビアニメだった。劇場版にゆけず残念だ。
316
渡辺多恵子「風光る」42巻を読了した。新撰組の歴史とフィクションの狭間を辿ってドラマが高まる。悲しくも読ませる長編だ。石川賢と最初に組んだマンガが「沖田総司」だったが、今や賢ちゃんはいない。大地監督の企画で新撰組のテレビアニメを書いたが実らなかった。仕事の上の思い出も色々だ。
317
318
319
コミック「新九郎、奔る!」1を読了。ゆうきまさみ作品はしばらくぶり。時代は応仁の乱直前で、のちに北条早雲となる少年が主人公だ。説明だらけの展開なのに、退屈させないのは不思議である。作者の腕という他ない。「一休さん」の新右衛門が説明役に客演。オリジナル脚本家として、ちよっと嬉しい。
320
テレビアニメ「ルパン三世」今期を観了する。終盤ヒトログによる国際的盛り上がりは、楽しませてもらった。世相を斜めに切り裂く時代感覚がある限り、ルパンは永遠と信じます。来春刊行の拙作に細い糸を結ばせてもらいました。どう繋がるかネタバレになるので、黙秘。
321
ゲゲゲの鬼太郎の新シリーズ、いまごろ1~3話を見た。ぼくは第1第2シリーズまでなので、残念ながら猫娘を書いていない。ああ、それにしてもゲゲゲの歌の懐かしさよ。感傷とは無関係に、野沢目玉役の安定感、鬼太郎にも期待する。大野木さんの構成で、揃い踏みのホンは吉野さんか、続けて見よっと。
322
アニメ「はたらく細胞」は10話まで、原作3巻まで読む。学習マンガの平成版くらいに思っていたら、遥にしたたかで恐れ入る。手塚・梶原・円谷・永井調を頂きながら、ロリを肩車した血塗れの若者がナイフを揮ってる! 悪辣なはずのガン細胞にまで、アイデンティティを主張させる世界観にのけぞった。
323
324
すすめられてアニメ「はたらく細胞」を見る。この企画(原作)はいい。秋怜二の学習マンガを前進させており、アニメをこう使うのに賛成したい。幼稚園のころ読んだ算術マンガを、いまもありありと覚えているぼく。広い視聴者層の期待のバランスをとるのは大変と思うが、良識ある制作姿勢を応援します。
325
(承前)町の牛丼屋で客引きの爺さんが本音を吐いていた。「もう一度戦争をやりたいな。俺はこの前の戦争でクーニャンを21人抱いたぜ」「若い学生士官は俺たちを好きにやらせて、自分は岩波文庫を読んでいた」 加害者の目で戦争を否定しなくては。昭和12年を舞台にした近作で、ぼくは軍国少年だった。