276
平成さようなら、令和いらっしゃい。
ぼくとほぼ同年の平成天皇さま、被災地だの沖縄だの全国行脚ほんとうにお疲れだったと思います。ありがとうございました、という言葉を「臣民」としてではなく、おなじ日本人として囁くことができるのが嬉しいです。
277
小池一夫さんも亡くなった! さいとうプロから独立したばかりの頃「白地に黒く死の丸染めて」(記憶違いなら失礼)の生原稿に仰天したことも、トキワ荘物語のアニメ化を仕切ってもらったことも、みんな昨日のような気がする。「漫画アクション」の時代には「子連れ」と拙作「獅子伝」が雁行したっけ。
278
279
280
モンキーさんが亡くなった! こないだお便り交換したばかりなのに。拙作「焼跡の二十面相」ラストについてぜひ感想を聞きたかった。アニメ化前の「ルパン三世」をノベライズしたり、ぼくの原作を連載してもらったり、アニメ教室へきてもらったりして、はや四半世紀以上だが、それにしても早すぎるよ。
281
282
「約束のネパーランド」12回まで観了。マンガ原作のアニメとして最良の部類ではないか。物語は原作に負うところ多いが、ママの過去を緻密に描いて母親から巣立つ雛鳥に暗喩される子供の成長のドラマとして結晶する。夜を縫う白いロープなど画面効果、焦点を移動させる会話場面など、満喫させられた。
283
チャコこと白石冬美さんが亡くなった。飛雄馬の姉星明子や、ドロンパでもおつきあいしたたけれど、「一休さん」のやんちゃ姫が気に入ったらしく、長編アニメで何度か主役を勤めてくれた。去年トークショーでいっしょしたばかりなのに。アニメの明子の物真似で客席を沸かせたのに。お疲れさま、チャコ!
284
「どろろ」12回まで観了する。ばんもんの巻にいたって伏在したテーマが噴出、そのドラマの力感に心動かされた。対立と鼎立、こんな方向づけで劇構造に雪崩を打たせたのか、参ったな。その一歩を踏み出せなかっ昔を悔やむ。おまけに「テガミバチ」以前から好きだったマンガ家が、キャラデらしいもの。
285
「ケムリクサ」12回まで観了する。テレビアニメとして極めて充実した作品だ。既視感に頼りがちなユーザーに甘えず、オリジナリティ横溢の設定と人物と画趣。理解が及ばぬ部分は、遠慮なく我流で解釈させてもらったけど。一から十まで訓育されるより、余白を想像力で展開できる物語を僕は歓迎します。
286
287
山本弘さんがツイッターで、震災直後のデマを検証している。わずかな時間差で露になるデマがなぜ跋扈して人心にアッピールするのか。ナンセンスと笑ってはいられない。関東大震災の、韓国人が井戸に毒をいれたというデマを、今なお信じている人もいる。明日にも天災人災が降りかかるだろうこのときに。
288
289
アニメ「ブギーポップは笑わない」13話まで見た。ここまで見たのだから、話にせよ絵にせよ魅力があったわけだが、実はよくわからない。どう面白いか呟けない。若者が皮膚で覚える世界の囲繞感を共有できる年代ではないと承知してても癪で、原作を入手し直した。ちゃんと読めるかどうか自信はないが。
290
291
アニメ「約束のネバーランド」7話まで見る。サスペンス基調とはいえ、子供たちの群衆場面や会話が多くなっても、場面の切り換えとカメラワークで柔軟な見せ方だ。「すべてがFになる」を面白くほぐした監督だったと思う。与える演技も原作を膨らませていて、ジャンプからのファンとして期待している。
292
ハルヒ、つい調子に乗ってすべて再読(あと二冊残ってるが)しようとしたせいか、夢に出てきた。部屋代徴収のおっさんが「長門さん留守中なんで立て替えてくださいよ」ときた。情報統合思念体に請求すべきだと思ったが、試しに「いくら」と聞いたら6004円で4円は消費税らしい。どういう計算だろ?
293
294
アニメ「ケムリクサ」6話まで見た。黒と赤が基調の鬱画面に対比して、前向きで礼儀正しいキャラクター。情報を小出しにしてゆく脚本も、緑色の足を生やしたトラム演出も、「わからん」とそっぽむく視聴者の存在まで、計算にいれてるだろうと思うといっそ愉快で、上の意向を忖度しない作風が羨ましい。
295
「どろろ」6話まで見る。「万代」を一週でスルーして、「守子唄」は前後編にしたあたり、方向づけがわかる。煽情的な演出を避けなから、片腕の少年を見せている。怪物や人間相手の殺陣など沈澱と高潮のほど良い按配で、原作者もきっと喜ぶと思うけど、あの時代では孤立無援で憤死したのだ。勿体ない。
296
297
アニメ「このすば」2を4回まで見る。ヘンに力まずのほほんとした異世界もので、第一期も気楽に見られた。野心作問題作ばかりでは疲れるし、ジャンルを聞いて即中身の見当がつくのでは、時間を返せといいたくなるが、上江洲脚本はラクに流してくれて安心だ。エンタメとして肩の力を抜いて見ています。
298
「涼宮ハルヒの憂鬱」角川文庫さんに頂戴、読了。初版で読み、その後も読んでいるが、続刊の解説を引き受けたので第一冊から改めて読む。視点人物のキョンが実にいい奴だと再認識。ぼくが萌えたのは情報統合思念体が造った有機生命体対象のヒューマノイド・インターフェイス長門有希ですが(長い!)。
299
(「ケムリクサ」つづきです)情報量が飛躍的に増すため、説明不足が視聴習慣の足を大きく引っ張る。それでもついて行かせたいなら、舞台や人物の魅力を更に磨く必要がある、なんて釈迦に説法ですね。流動食の多いテレビアニメでは歯ごたえがあるので、ぼくは見ます。視聴者を選ぶ作品には違いないが。
300
アニメ「ケムリクサ」1・2話を見る。実は1話は配信直後に見ており(タイトルが気になって)、「けもふれ」話題を知らずに見たから、幸い先入観ナシの感想です。荒廃した世界なら「少女終末旅行」もあるが、ドラマを辿りやすいロードアニメ?とは違う。あれは線でも、こちらはいわば面だ。(つづく)