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アニメ「少女終末旅行」1・2・3を見る。4以降も見よう。可愛く幼い風貌の女の子がダークな世界で奮闘するのが、今のアニメの流れのひとつとなるみたい。それが若いユーザーの見果てぬ夢なのかな。でも千編一律、手が届く舞台の矮小な物語より面白い。石田彰がこの役か。さすが存在感を醸している。
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伊藤計劃「虐殺器官」を読了。仕事で本格ミステリを優先する都度、気になっていたSFである。タイトルの意味を痛烈に理解した。凄いというのは簡単だが、思い返せばやっぱり凄い。内容に則した文章の技術。なんと勿体ない夭折か。生きててすみません。もうしばらく、下手糞だけど小説を書いてます。
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@ikkyujapan @gishigaku 当時の脚本を書いていた辻です。仰るとおりゴッドが最終回です。キー局と地方で放映本数が食い違ったため、突如もう一度最終回を書かされた貴重?な体験。そのため、未放映の局があちこちにあったようです。
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柳本光晴「響 小説家になる方法」1を読了。誰彼かまわず「読んだ?」「読みなさいよ」「お読みなさいまし」とすすめたくなった。これほどの暴走キャラ創造術をマスターできたら、小説家マンガ家アニメ原作脚本家、なんにでもなれますって。マンガ大賞? そんな肩書と関係なく既刊6巻まで注文した。
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「シン・ゴジラ」再度見る。前立腺肥大と折り合いをつけ、第三形態鎌倉上陸はキャッチしたが、ラストとタイトルロールを見られず、糞っ。脳内の黄変には抵抗できん。膨大な情報量に押し潰されつつ、カット割カメラワークに特化して見入ったのは、もと演出家のサガか。会議と破壊の演出編集に降参した。
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「東離剣遊記」1を見る。高飛車で歯切れのいいナレーションがすでに虚淵節全開で、激しいアクションと、要所を締めるキメの芝居と台詞。主要人物のポジションが安定しており、客も腰を据えて見られる。…と1話だけに、期待を満たす当然の出来といえたが、さてこれからですね展開の妙は。楽しみだ。
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「ユリ熊嵐」観了する。講義をもっているデジタルハリウッド大学で、学生に尋ねられられたことがある。「どんなアニメを見ているんですか」「たとえばユリ熊嵐とか」答えると彼はニヤリとした。どういう意味の笑いであったのか。説明しにくいが、シンの通った感覚的アニメと思っている。
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「正解するカド」0・1話を観る。野崎まどのアニメシナリオは初めてかな? 小説はデビュー作から大半を読み、横紙破り、くせ球の認識だったが、これは大上段にふりかぶったファーストコンタクトテーマ。一辺が2キロの巨大立方体が空港に着地する。小松左京を思わせる発端だ。東映アニメ恐るべし。
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「東離剣遊記」2の感想。日本や中国などに伝承される説話芸を連想した。張扇と共に謳いあげる装飾的な美文調、かつての講談や浪曲の、卑俗ながら華々しいエンタメ性を再現して,ロングやモブシーンに見る人形劇の弱点克服に成功している。「ダンガンロンパ」の第3部も面白く見たが、字数が尽きた。
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山本おさむ「赤狩り」1を読む。言論統制当たり前の国で育ち、戦後民主主義で躾け直されたぼく、呆然としたっけ。アメリカだっておんなじか。マンガアニメの害毒を叫ぶ某県教育委員会に、岩波ホールで「恥ずかしくないのか」と面罵されたぼくなぞ、小さい小さい。でもまたいつか日本が通る道だろうか?
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竹宮恵子さんから「少年の名はジルベール」を戴く。「風と木の詩」に至るまでのざっくばらんな内輪話。少女マンガ家のビッグネームが大勢出てきて楽しいが、それだけではない。あの時代の少女マンガ界の鬱積と高揚が、間近に迫ってくる。当時の事情を多少は知るぼく、苦くて甘い追憶にひたりつづけた。
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以前ここで名をあげた「だがしかし」のアニメ化が決定したらしい。脚本演出しだいで伸びる内容だけに、スタッフのご健闘を祈ります。昔ぼくは「おろち」「ザ・ムーン」「漂流教室」「タンクタンクロー」「マカロニほうれん荘」などのアニメ化に失敗している。ビッグチャンスをぜひモノにしてほしい。
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「楽園追放」を見る。ウェルメイドのSFCGアニメとして,広い客層にアッピールするだろう。SFとアニメが好きなぼくには、とても嬉しい。ツンデレ節の炸裂、板野サーカスを思い出すアクションと、理屈抜きで面白かった。わーい。
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安倍吉俊の「リューシカ・リューシカ」10を読む。最終巻である。ぼくがこの作者を知ったのは「灰羽連盟」だ。テレビアニメであんな純ファンタジーが創れるなんて。リューシカの底が抜けたような空想力も大好きだ。いつかもっと大人になってから読み返したいのに、もうぼくは爺さんなのか。哀しい。
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テレビ草創時代の人たちが退場してゆく。ぼくも書ける内に書きたいものをと、徳間文庫「義経号、北溟を疾る」につづいて、東京音頭の頃の銀座・燕号・広小路を舞台のミステリ「昭和ゆめうつつ」、明智探偵が復員する直前に小林少年と共闘して浮世絵流出を防ぐ「焼跡の二十面相」の脱稿を志している。
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「タイバニ」を見る。時間をかけただけに作画はていねい。だが犯人の正体がわかると、また敵討ちかヨと白けさせる。せっかくのコンビ再起動も、演出の盛り上がりにも水をさす。なんとか謎の深まりにひと工夫ほしかった。「男は度キョウ女は愛キョウ、ゲイは最キョウ」のセリフは受けた。
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幾原邦彦「ユリ熊嵐」1・2を見る。カクゴはしていたがぶっ飛んだ怪設定。ペンギンがクマに代わった程度のものじゃない。進撃のクマですか、これは。ただし壁の内部は宝塚だ。螺旋階段を使った映像演出の冴えなど、悪酔いを用心しながら、酒を飲みつつ配信を楽しんでおります。
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緊急告知です。明日9月9日(土)夜の文化放送「エジソン」に出演いたします。なにをしゃべるのかよくわかりませんが、お時間のある方どうぞ聞いてやってください。joqr.co.jp/agson/
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「進撃の巨人」15を読む。連載長篇はトーナメント的展開が多いが(やってみるとわかる。締め切りに追われる身としては、この構成がいちばんラク)、作者はそんな安易な道へ逃げない。螺旋状に主題を掘ってゆくから着地点が見えず、先へ先へと読者をひきずってゆく。アニメも実写も楽しみである。
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[予告] 今日は日本が負けた日です。どこと戦ったか、なんていいっこなし。中日新聞夕刊の文化欄に、中二だったぼくが名古屋で空襲を受けた話を書きました。ご縁のある方は読んでやってください。もう爆弾や焼夷弾と戦った体験のある人は、少なくなりましたから。