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傷つきつらい時には、藁をもすがる思いで、親切でわかりやすい声につい飛びつきたくなるもの。だが弱みにつけこむ罠は至るところにある。一見優しい、あるいは歯切れのよい言葉を鵜呑みにすることなく、その内容や発信者が本当に信頼に値するかどうか、もうひと手間かけよう。もっと傷つかないために。
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大勢が正しいと信じることが絶対に正しいとも限らない。専門家が正しいと主張することだってそう。誰の考えにも偏りはある。だから誰かの「正しさ」に違和感を覚えたっていい。自分の信じる「正しさ」の根拠を追求しつつ他者の異なる意見にも耳を傾けたい。その先にきっと真の「正しさ」が見えてくる。
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「大切な誰かのため」に行動している時、実は本当に一番大切なのは「誰かのため」を演じる自分自身かもしれない。自分の人生と向き合う作業は苦しくて簡単に割り切れないことも多いけれど、それでも時々道を外れたり転んだりしながらも自分の足で不器用に生きる姿を、大切な誰かはきっと見守っている。
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窒息しそうなほど満員の電車に揺られたり、目の前の相手にムカつきながらも深々と頭を下げたり、言うことを聞かない子供に手を焼きつつキッチンに向かったり、誰もが毎日毎日、もの凄い力とエネルギーを費やしながら一日を終えていく。目立たぬ日常の中の自身の地味な奮闘を、最後に讃えて床に就こう。
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どんなに頭のいい人も要領のいい人も一度にできることは限られ、一日は誰でも平等に24時間。だからやるべき物事に優先順位をつけることは大切。特に心が疲れ余裕のない時には案外このことを忘れがち。うんと先のことを取り越し苦労するより、今日明日必要なことを見極め、それらを着実に実行しよう。
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自分はダメだ、何もできないと思いこむ人は多いが、周囲の人も同じように思っているかどうかはわからない。自分と他者の評価はしばしば大きくかい離する。あなたの小さな努力を周りでそっと見ていてくれる人は必ずいるはず。だから自分で無駄だと思いこんでその小さな頑張りを止めないでほしいと思う。
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目の前の大切な誰かのために、今日も献身的に尽くしたという方へ。相手の喜怒哀楽に一喜一憂しすぎてどっと疲れてしまっていませんか?誰もが感情を持った一人の人間。明日もゆとりを持って大切な人と向き合うために、たとえほんの僅かでも自分自身の喜怒哀楽を大切にする時間を持つこともお忘れなく。
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窒息しそうなほど満員の電車に揺られたり、目の前の相手にムカつきながらも深々と頭を下げたり、言うことを聞かない子供に手を焼きつつキッチンに向かったり、誰もが毎日毎日、もの凄い力とエネルギーを費やしながら一日を終えていく。目立たぬ日常の中の自身の地味な奮闘を、最後に讃えて床に就こう。
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緊張や不安が連日続けばそれが普通のようになって、どんな人でも徐々に心身が影響を受けてくる。一日のどこかで、意識して全身の力をできるだけ抜きソファに深くもたれる、目を閉じて綺麗な景色を思い浮かべる、ゆっくり深く呼吸を繰り返すなど、僅かでもリラックスできる時間を頑張った自分に贈ろう。
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いろんなことが複雑になりすぎて誰もが生きづらい時代。解決には時と場に応じて多くの引き出しを駆使する柔軟さが求められる。様々な立場のできるだけ多くの声に真摯に耳を傾けたい。自分は絶対正しいと確信し、同調者にしか耳を貸さず、意見の異なる他者を排除する姿勢では引き出しは増えていかない。
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多少の失敗があっても何とか一日過ぎて行くのは、それ以上の成功の蓄積があるから。ただ流れているように見える日常の中にあなたの頑張った成果が眠っている。大人は簡単に人から褒めてもらえない。一日の終わりに小さな成果を拾って自分を褒めよう。失敗を責め続けるよりその方がずっと明日に繋がる。
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あれこれ頑張ってもうまくいかず、凹んだり嘆いたり。でも僕らはもともとスーパーマンではない。歳を重ねるごとにそんな当たり前のことを識り、無数の失敗の果てに見出した数少ない長所を伸ばそうと努力する。今の試行錯誤は、その後の人生の中で自分を輝かせる何かを見つけるための貴重なプロセスだ。
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何かをきっかけに自分を変えようと決意してもなかなか思うようには変われないもの。でも100変えようとして99がダメで1つしか変われなかったとしても、一見どこが変わったかわからなかったとしてもまずはそれでOK。変わることを信じ変わろうと行動し続けることで、目指す自分は少しずつ近づいてくる。
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誰かの相談に乗りたいと思っても、気のきいたことが言えず沈黙になるのが心配という方は多いだろう。だが沈黙は決して悪いことではない。無理に聞き出さない姿勢は相手に安心感を与え、ともに考え悩む姿を見せるだけで相手には大きな希望になる。沈黙を過度に恐れず、目の前で悩める人に寄り添いたい。
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頑張っても報われないと感じることが多い時代。達成感や満足感がなかなか得られない一方で、負の感情が少しずつ心に蓄積していく。たくさん溜まって心が折れてしまう前に、周囲の誰かに小出しにしたい。誰もが抱える満たされぬ思いを皆で分かち合い、小さな頑張りを認め合って、また明日へ漕ぎ出そう。
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何も変わらないと嘆きながら、自分から変わろうとしない人は多い。無意味なことや本当はやめたいと思うことをずるずる続けていて、延々と同じことの繰り返しになっていないだろうか?少し時間の余裕のある休日などはそんな惰性で続けていたことを見直す好機であり、それこそがきっと変化の第一歩だ。
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伝染病や飢饉に怯え戦が絶えなかった昔は日々を生き抜くこと自体明らかに価値があった。一見豊かな今を生きる僕らは「生きる意味」やら「生きがい」やら、目に見えない難敵との戦いを強いられる。戸惑うことも多いが、昔も今も目の前の一日一日を生き抜いたこと自体にまずは価値があることを忘れずに。
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いろんなことがややこしくて、楽しさも見つけにくくて、今の時代毎日生きていくだけでも本当に大変。だから今日まで生き抜いた人は皆等しく偉い。生きづらさを感じる人が多いことを知り、自分にできることから手を差し伸べてくれる人も増えている。その小さな力を信じ、明日も自分なりに生きてみよう。
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何事もなく今日も過ぎたと思えても、知らずに自身が抱えるものの負荷がかかり、それが慢性的な疲れや睡眠の質の悪化に繋がることがある。寝床には悩みやストレスは極力持ち込まず、別のことに考えをシフトさせるなどして短時間でも心の荷を下ろそう。明日のため今日の終わりにできるだけリラックスを。
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皆頑張っているのに自分だけ頑張れていないとか、周りの誰もが自分より偉く見えてしまうとか、頑張る期間が長くなるほど疲れも出てきてそう感じることが増えてくるかも。皆のため、世の中のため自分は二の次にしがちだが、頑張り続けるためにも自分の心のケアは大切。自分の頑張りを認め労いまた明日。
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たった一つの小さな失敗を契機に、これまで積み重ねた無数の小さな成功を忘れてしまうことがある。でも成功の積み重ねは、決して目立つことはなくても誰かの役に立ってきたということを忘れてはならない。一つの失敗に打ちのめされることなく、誰かのための小さな成功をまた一つ一つ積み重ねていこう。
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働く人が楽しく幸せと感じられない職場は、仕事を通して誰かを幸せにすることも難しい。多忙で大変な仕事であっても、マネジメント一つで楽しいものにすることは不可能ではない。特に人を直接対象とする職種のリーダーはそのことを忘れず、自身の部下から利用者へ多くの幸せを届けられるよう努めたい。
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社会に適応できず、苦悩や衝突の末に正気ではいられなくなってしまった人が100人いるなら、彼らがそこに至る過程も彼らの心の闇も100通り。彼らそれぞれの事情を勝手な理屈でわかった気になるのでなく、闇を直視し、目線を揃え真摯に向き合い寄り添う先にしか光はない。他者の心に常に謙虚でありたい。