101
人は多様な側面を持つ。周囲や世間の物事に様々な考えを持ち、それらはしばしば一貫していなかったり是々非々だったりする。そんな人の多様性に対する想像力の欠片もなく、一つの視点のみからいとも簡単に他者をカテゴリ分けし、無用な緊張や争いや差別を煽りたがる者が実に多い。立場や地位を問わず。
103
不安や恐怖に襲われると息は乱れ、さらなる不安を引き起こす。苦しいと感じて速く呼吸しがちだが、かえって苦痛が増し悪循環だ。逆に意識して深くゆっくり、お腹の動きを手で確認しながら呼吸することで、多くの場合不安を軽減することが可能だ。まず呼吸を整え、落ち着いて次に必要な行動に移りたい。
104
混乱の中、不安や気がかりなことは周囲の人に言葉に出して伝えてみるとよいかもしれない。周囲の人も同じような不安を抱えているかもしれないし、思わぬ解決策が導かれるかも。何より言葉に出すことは心の整理に役立つ。整理できないまま闇雲に行動に走るより、次の一歩がより確かなものになるはずだ。
105
今日自分が見聞きし手にしているものが明日もあり続ける保証はない。たとえあり続けたとしても見聞きし手にする自分がそこに居続ける保証もない。自分の周囲にあるモノや人との繋がりは決して当たり前でなく、小さな奇跡や偶然の積み重ね。そう考えると一見平凡な日常も少しだけ眩しく見えてくるかも。
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マンネリや倦怠期を脱出するきっかけはしばしば、職場への道順や交通手段をちょっと変えてみたり、普段は興味のないことにあえて取り組んでみたりといった、一見無駄に思えることの中にあったりする。煮詰まり膠着している時は先へ先へと焦りがちだが、逆にちょっとした無駄を楽しむ余裕を持ちたい。
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向かい風をつらく感じるのは、あなたが風に向かって歩いているから。人生頑張るばかりでは疲れてしまうけど、それでも立ち向かっていかなければ手に入らないもの、変えられないことがある。それがどんな小さな目標であれ逆風に立ち向かい、人知れず不器用でも一歩を進めようとしている人を応援したい。
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猛スピードで走り続けていれば前だけに注意が集中し、視野が狭くなって見落とされるものも増えてしまう。心身が不調に陥ると生活に支障を来たし人生のスローダウンを余儀なくされるが、逆に突っ走っていた時には見落としていた、自分にとって本当に必要なことや大切なものを再確認できる好機でもある。
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毎日何となく幸せと感じられても、何かが足りず、満たされず、明日も僕らは走り、求め続ける。まるでまだ見つからないパズルのピースを探すかのように。もしかしたら最後の一ピースは一生探し求めても見つからないかもしれない。だが走り続けるうちに、自分というパズルは着実に完成品に近づいていく。
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どんな言葉を投げかけても響く人とそうでない人がいて、同じ人でも響くタイミングというものがある。誰にでも等しく響く言葉など存在しない。それでも絶妙のタイミングで伝えることで、誰かに何かよい変化をもたらすことができるはず。そう信じて明日も目の前の人に、拙い一言でも心を込めて発したい。
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どんな時も、大切な人やもののためにずっと変わらずにい続ける一人でありたい。様々な雑音や、人と人との争い事、噂や中傷等、周囲は刻々と変わり続ける。それらに全く影響されないのは難しいことだが、できるだけ巻き込まれず振り回されずに適度な距離を置き、変わらずぶれない自分でいたいものだ。
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あらゆる現場で余裕がなくなっているこの時代、過酷な状況に必死に耐えている人は多い。そんな中、常に明るく暖かく見守り、絶妙なタイミングで声をかけてくれる誰かがいれば、苦しさも乗り越えられる。現場で上に立ち引っ張る立場の人はもちろん、誰もがそのことを時々思い出し、互いに支え合いたい。
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石橋を叩く慎重さは必要だけど、叩きすぎていたらいつまでも渡れない。自分をここまで導いてきたのは、日々の小さな決心の連続だ。決心へのプロセスには十分な下調べや相談や熟慮も大切だが、自分の直感が最後の一押しとなることも多い。明日も自分の直感を信じて、新たな景色への一歩を踏み出したい。
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布団の中には悩みや考え事は持ち込まないのが原則。今日あったいいことや過去の素敵な思い出、綺麗な景色などを思い浮かべながら眠りに落ちたい。緊張を強いられる日々、せめて寝る前の少しの時間のリラックスだけでも心がけることで、人生の3〜4分の1を占める睡眠時間にもいい影響を与えられるかも。
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「私は欠点だらけでいいところなど一つもない」と自分を責め続ける人にも、少し話せばいいところがたくさん見つかる。影があるその側には必ず光があり、影が濃いほど光は眩いもの。あなたの周囲の人にはあなたの光が見えている。それは思い込みを捨て視点を変えれば、あなた自身にもきっと見えるはず。
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誰かと繋がっていないと不安で、でもいざ繋がってみると互いに傷つけたり傷つけられたり、この時代の人間関係はしばしばややこしくて面倒くさい。それでも一人では生きていけない。たとえうまく繋がれなくても、自分の傍らを通り、流れていく人が増えるごとに、人生はより深く豊かなものになっていく。
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自身にとって不都合な現実はつい否認したり過小評価したりしがち。生活や健康に直結する問題ならばなおのこと。だが現実から目をそらし見て見ぬ振りをすることが解決の先送りや不適切な対処行動に繋がり、その間多くのものが失われかねない。現実を否認せず直視することこそがそこを乗り越える第一歩。
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多くの人々の目を惹くわかりやすくカッコいい言葉や行動だけが尊いのではなくて、街角やネット社会の片隅で目立たぬ誰かが不器用に発した小さな小さな一言だって、何かを動かせるかもしれない。傍観者にならず、一人ひとりが小さな勇気を出して起こす行動が、明日を、世の中を少しずつ変える力になる。
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いろんなことが複雑になりすぎて誰もが生きづらい時代。解決には時と場に応じて多くの引き出しを駆使する柔軟さが求められる。様々な立場のできるだけ多くの声に真摯に耳を傾けたい。自分は絶対正しいと確信し、同調者にしか耳を貸さず、意見の異なる他者を排除する姿勢では引き出しは増えていかない。
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他の人を想い続けられるのが人の素晴らしさ。身近な大切な人はもちろん、なかなか、あるいはもう会えない人、時には会ったことすらない人にまで想いを寄せ、祈る。想いが届かず切なくなって胸が痛むこともあるけれど、誰かに想いを寄せた分だけ、幸せな、心穏やかな気持ちがあなたにきっと還ってくる。
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自分の望むように事がなかなか進まない時、つい結果を急ごうと焦ってしまうことは多い。だが焦って思いつくまま行動を起こしてもかえってうまくいかず、事態が悪化することすらありうる。「急がば回れ」が有効なことは案外多い。はやる気持ちを抑えて、一息ついて考えるゆとりを忘れないようにしたい。
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何事もなく今日も過ぎたと思えても、知らずに自身が抱えるものの負荷がかかり、それが慢性的な疲れや睡眠の質の悪化に繋がることがある。寝床には悩みやストレスは極力持ち込まず、別のことに考えをシフトさせるなどして短時間でも心の荷を下ろそう。明日のため今日の終わりにできるだけリラックスを。