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「風が吹けば桶屋が儲かる」ように、今あなたが一生懸命していることがすぐに実を結ぶことはなくても、いつか思わぬ形で誰かの役に立つことがあるかもしれない。一人一人の今日の頑張りが、きっとこの先どこかで誰かが生きるための力になる。そんな自分の目立たぬ奮闘を、たまにはそっと自分で労おう。
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一人の小さな人間ができることも、伝えられることも限られる。急にそれらを増やすことも難しい。逆にちょっとした一言や態度で誤解を招いたりうまく真意が伝わらなくなることもある。それでも愚直にやるべきことをやり続け、メッセージを伝え続けるしかない。明日も明後日も大切な人の笑顔のために。
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あの日からもう9年。祈りの日。
復興が進み元通りになったり新しくできたものが強調されがちだが、その間にまだたくさん潜む元に戻っていないものやその前で今も苦悩する人々にこれからも目を向け、忘れずにいたい。
全ての人に、平穏な日々が長く続きますように。
#東日本大震災から9年
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大きな出来事があると、何もできない自分が一人取り残されたように感じることもあるけれど、陸上選手でも短距離、長距離、フィールド競技といろいろ。今はできることがなくても、いずれ自分の力が思わぬ形で必要とされる時がきっと来る。その時まで、周囲に流されず自分の普段のペースを大切にしたい。
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自分や周囲に何かがあった時、情報がないのは最も不安だが、逆にありすぎても判断に迷い、混乱にもつながりかねない。現代は情報は求めなくても押し寄せてくる。汲んでも尽きることのない情報の海。怪しい情報に惑わされることなく本当に頼りになるものを選び抜く目を持ち、安心、安全につなげたい。
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他者に何かを伝える際、ことばの「力加減」「さじ加減」は重要。子供とのキャッチボールで豪速球を投げ込んでも受け取れないように、たとえ「正論」であっても、口調やフレーズの選択一つでうまく伝わらなかったり誤解されることは多い。特に人と直接向き合う職に就く者はこのことを日々心がけたい。
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世の中の出来事や他者の言動に対し、誰もがいつでもどこにいても意見や感想を表明できる時代。居酒屋談義や井戸端会議と違い、それらは瞬時に世界中に拡散しうる。感情的、短絡的であれば特に。軽率な一言が思わぬ形で誰かを傷つけたり自身に跳ね返ってこないよう、発信の前に一瞬想像力を働かせたい。
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イベントが中止となり、そもそも人の多い場所に行く気にもならない週末。持て余した時間、積んだままの本を開く、つい後回しにしていた趣味の作業に取り組む、お茶を丁寧に入れる、あてもなく近所を散策するなど、慌ただしく過ぎる毎日の中忘れかけていたシンプルでスローな暮らしを思い出す好機かも。
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自分はダメだ、何もできないと思いこむ人は多いが、周囲の人も同じように思っているかどうかはわからない。自分と他者の評価はしばしば大きくかい離する。あなたの小さな努力を周りでそっと見ていてくれる人は必ずいるはず。だから自分で無駄だと思いこんでその小さな頑張りを止めないでほしいと思う。
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たとえ地味で目立たなくても、大勢に賞賛されなくても、周りからあれこれ雑音が聞こえてきても、今日までやってきたようにまた明日も、自分が正しいと信じる小さなことをコツコツ一生懸命やっていこう。大切な誰かの笑顔のために、この星の未来のために、そして何より、あなた自身のこれからのために。
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不安や緊張の中にいる時その対象を意識しないことは難しい。ただそこに注意が行きすぎてしまうと余計不安の悪循環に陥りかねない。側にある好きなものを見たり触れる、音楽を聴く、頭の中で暗算する、今まで見た最も素敵な光景を思い出す、軽く体を動かすなど、注意をそらす方法はしばしば効果的だ。
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どんなに頭のいい人も要領のいい人も一度にできることは限られ、一日は誰でも平等に24時間。だからやるべき物事に優先順位をつけることは大切。特に心が疲れ余裕のない時には案外このことを忘れがち。うんと先のことを取り越し苦労するより、今日明日必要なことを見極め、それらを着実に実行しよう。
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どんな人間関係も相互作用。人生の道に迷い救いの手を求めてきた人を、同じく迷いながら日々を生きる人が支える。だが支えは一方通行でなく、悩める人が受け止めてもらうことがその人自身の救いになるだけでなく、受け止めた人の生きる力にもなる。つらく不安なことが多い今、皆が支え合い、また明日。
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到底処理しきれないほどの情報がどっと押し寄せる現代。その中には自分に合わない、共感できないものがあって当然。一見正しく大勢に賛同されそうな情報でも鵜呑みにしたり無理に当てはめたりせず、自分の頭でとことん考えよう。人と多少意見が違っても大丈夫。むしろそんな自身の視点を大切にしたい。
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大勢が正しいと信じることが絶対に正しいとも限らない。専門家が正しいと主張することだってそう。誰の考えにも偏りはある。だから誰かの「正しさ」に違和感を覚えたっていい。自分の信じる「正しさ」の根拠を追求しつつ他者の異なる意見にも耳を傾けたい。その先にきっと真の「正しさ」が見えてくる。
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目の前で苦悩する人に対し、自分が同じ状況ならどう感じるか想像力を働かせることは大事。そんなの当然と言われそうだが、今の時代、立場や地位を問わず、向き合う相手への想像力や配慮を欠く者が非常に多い。悩める当事者に誠実に謙虚に寄り添い、その苦悩を受け止め知ろうと努めることから始めたい。
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窒息しそうなほど満員の電車に揺られたり、目の前の相手にムカつきながらも深々と頭を下げたり、言うことを聞かない子供に手を焼きつつキッチンに向かったり、誰もが毎日毎日、もの凄い力とエネルギーを費やしながら一日を終えていく。目立たぬ日常の中の自身の地味な奮闘を、最後に讃えて床に就こう。
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思うようにならないたった一つのことが諦めきれずに拘り続けることはよくある。だがそうすることで結果的にそれ以外のことにまで影響し、足踏みしてしまうことも。もしかしたらそのたった一つを諦め手放すことで心が軽くなり、諦めなくてよい他の多くのことに集中できて、再び前へと進んでいけるかも。
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あることを嫌だ嫌だと思っているうちに、それが頭の中でどんどん大きくなって、結局四六時中頭から離れなくなりがち。嫌なことほど自然に離れ消えてはいかないもの。だからそれを期待するより、頭の中を他のより楽しく有意義なことで埋め、嫌なことからあえて距離をおいて相対的に小さくしてしまおう。
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布団の中には悩みや考え事は持ち込まないのが原則。今日あったいいことや過去の素敵な思い出、綺麗な景色などを思い浮かべながら眠りに落ちたい。緊張を強いられる日々、せめて寝る前の少しの時間のリラックスだけでも心がけることで、人生の3〜4分の1を占める睡眠の質にもいい影響を与えられるかも。
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自身にとって不都合な現実はつい否認や過小評価しがち。できることなら見て見ぬ振りをし、知らなかったことにしたい。だが事実から目をそらすことが問題の先送りやその後の対応の遅れに繋がり、結果多くのものが失われかねない。否認せずに現実を直視することこそ、それを乗り越え解決に向かう第一歩。
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人の上に立つリーダーは、皆から批判されることも仕事のうち。些細な一言をいちいち気にしたり感情的になったりせず、広い視野で大局を見ながら冷静に臨機応変に舵取りと決断を続けられるかが問われる。自身に都合のよい者ばかりを重用し周囲を分断するような対応では、見えない難敵が増えるばかりだ。
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新しいことを始めたり受け入れようとする際、それができない言い訳は山ほど出てくるものだ。だがこれまでやってきたことがうまくいっていないのなら、不安はあっても別な道を真剣に模索することが大切。結果は行動する前に自分で決めるものではなく、勇気を出して一歩踏み出した後についてくるものだ。
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いろんなことが複雑になりすぎて誰もが生きづらい時代。解決には時と場に応じて多くの引き出しを駆使する柔軟さが求められる。様々な立場のできるだけ多くの声に真摯に耳を傾けたい。自分は絶対正しいと確信し、同調者にしか耳を貸さず、意見の異なる他者を排除する姿勢では引き出しは増えていかない。