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今月に入り外来にはコロナ禍に伴う貧困や失職、関連する業務激増などでメンタルの不調を来した人がちらほら。これは序章にすぎずこれからもっと増えていくだろう。外的な原因がはっきりしたメンタル不調ほど医学的アプローチのみでの解決は困難。一日も早い終息と傷ついた人の心に響く施策が待たれる。
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どんなに頭のいい人も要領のいい人も一度にできることは限られ、一日は誰でも平等に24時間。だからやるべき物事に優先順位をつけることは大切。特に心が疲れ余裕のない時には案外このことを忘れがち。うんと先のことを取り越し苦労するより、今日明日必要なことを見極め、それらを着実に実行しよう。
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不安や恐怖の中にいる時、その対象について考えないことは難しい。ただそれに注意が集中してしまうと、余計不安の悪循環に陥りかねない。側にある興味のあるものを見る、音楽を聴く、頭の中で暗算する、今まで見た最も素敵な光景を思い浮かべる、軽く運動するなど、注意をそらす方法はしばしば有効だ。
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この世に生まれる時も去る時もみんな一人。人生の過程で他の誰かと出会い交わり手を取り合っても、結局誰もが孤独な生き物。つらいことも多い人生の一人旅だが、同じく旅を続けながら時々立ち止まってともに苦楽を分かち合い、声をかけ合う仲間が確かにいると感じられれば、苦しい旅もまた違ってくる。
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誰かの相談に乗りたいと思っても、気のきいたことが言えず沈黙になるのが心配という方は多いだろう。だが沈黙は決して悪いことではない。無理に聞き出さない姿勢は相手に安心感を与え、ともに考え悩む姿を見せるだけで相手には大きな希望になる。沈黙を過度に恐れず、目の前で悩める人に寄り添いたい。
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あらゆる現場で余裕がなくなっているこの時代、過酷な状況に必死に耐えている人は多い。そんな中、常に明るく暖かく見守り、絶妙なタイミングで声をかけてくれる誰かがいれば、苦しさも乗り越えられる。現場で上に立ち引っ張る立場の人はもちろん、誰もがそのことを時々思い出し、互いに支え合いたい。
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皆頑張っているのに自分だけ頑張れていないとか、周りの誰もが自分より偉く見えてしまうとか、頑張る期間が長くなるほど疲れも出てきてそう感じることが増えてくるかも。皆のため、世の中のため自分は二の次にしがちだが、頑張り続けるためにも自分の心のケアは大切。自分の頑張りを認め労いまた明日。
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何かが劇的に変わることなどそうはなくて、毎日同じ繰り返し、堂々巡りと感じることの方がずっと多い。だが同じようなことでも経験を重ねる度に反省したり学習したり、少しずつ修正、バージョンアップされていくはず。明日も結果がどうあれ目の前のことに集中し、自身のバージョンアップを目指したい。
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薄雲越しの太陽、少し欠けてる!
(北海道美唄市)
#部分日食
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自分はダメだ、何もできないと思いこむ人は多いが、周囲の人も同じように思っているかどうかはわからない。自分と他者の評価はしばしば大きくかい離する。あなたの小さな努力を周りでそっと見ていてくれる人は必ずいるはず。だから自分で無駄だと思いこんでその小さな頑張りを止めないでほしいと思う。
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たまには頑張った自分にプレゼントをしよう。大人は頑張っても褒めてもらえないし、目に見える評価を受けることも少ない。頑張り続けることが当たり前ではつらい。だから高価なものじゃなくても、それを見てもうひと頑張りできる何かを自分に贈りたい。頑張る度に増やしていけるようなものもよいかも。
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何でも興味を持ちやりたがることは結構なことだが、あれこれ手を広げて目立つ割に実は大したことをしていない人も少なくない。名刺やプロフィールに経歴や肩書が華々しく書かれた人を見るとつい羨ましくなってしまうが、自分の身の丈の地味なことを人知れず頑張っていることだって立派な経歴や肩書だ。
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たった一つの小さな失敗を契機に、これまで積み重ねた無数の小さな成功を忘れてしまうことがある。でも成功の積み重ねは、決して目立つことはなくても誰かの役に立ってきたということを忘れてはならない。一つの失敗に打ちのめされることなく、誰かのための小さな成功をまた一つ一つ積み重ねていこう。
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マンネリや倦怠期を脱出するきっかけはしばしば、職場への道順や交通手段をちょっと変えてみたり、普段は興味のないことにあえて取り組んでみたりといった、一見無駄に思えることの中にあったりする。煮詰まり膠着している時は先へ先へと焦りがちだが、逆にちょっとした無駄を楽しむ余裕を持ちたい。
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不安や緊張の中にいる時その対象を意識しないことは難しい。ただそこに注意が行きすぎてしまうと余計不安の悪循環に陥りかねない。側にある好きなものを見たり触れる、音楽を聴く、頭の中で暗算する、今まで見た最も素敵な光景を思い出す、軽く体を動かすなど、注意をそらす方法はしばしば効果的だ。
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目の前で苦悩する人に対し、自分が同じ状況ならどう感じるか想像力を働かせることは大事。そんなの当然と言われそうだが、今の時代、立場や地位を問わず、向き合う相手への想像力や配慮を欠く者が非常に多い。悩める当事者に誠実に謙虚に寄り添い、その苦悩を受け止め知ろうと努めることから始めたい。
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他人の欠点ばかり目につきそれを殊更に責めてしまう時には、自分の中に直視しがたい何かがあって不安や自信喪失に陥っているのかもしれない。他者をこき下ろして優位に立つことで得られる満足感など一時的なもの。責めたくなる対象は、自身と向き合い人のふり見て我がふり直すためのいい教材なのかも。
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いろんなことがややこしくて、楽しさも見つけにくくて、今の時代毎日生きていくだけでも本当に大変。だから今日まで生き抜いた人は皆等しく偉い。生きづらさを感じる人が多いことを知り、自分にできることから手を差し伸べてくれる人も増えている。その小さな力を信じ、明日も自分なりに生きてみよう。
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緊張や恐怖を感じている方へ。胸とお腹に双方の手を当てお腹に当てた方だけ動くように息を吐いて、吸って、止めてを各3秒かけゆっくり繰り返す。また椅子に腰掛けたり横たわったりして、身体中の各所の力を順々に意識して抜いていく。何もいらずどこでもできるリラックス法で、不安な今を乗り切ろう。
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あの日からもう9年。祈りの日。
復興が進み元通りになったり新しくできたものが強調されがちだが、その間にまだたくさん潜む元に戻っていないものやその前で今も苦悩する人々にこれからも目を向け、忘れずにいたい。
全ての人に、平穏な日々が長く続きますように。
#東日本大震災から9年