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このあたりを合わせて考えると、ウクライナ陸軍は防勢には備えていたが、攻勢的な機甲突破戦術を実施するには準備不足なのかもしれない。装備だけでなく、連隊戦闘団をまるごと3つ4つ作るような、教育訓練を含む支援が必要なのではないか。
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もし、ロシアが今回の報復として100発規模のミサイル攻撃を行えるならば、ロシアのミサイルの在庫と生産能力にはまだ余裕があり、1ヶ月に1度は100発規模の攻撃を行えるということ。もしこれがまた20-30発に留まるようだったら、いよいよミサイルが不足してきていると考えていいように思われる。
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エイブラムス供与はUSAI、つまりこれから契約するのね。つまりウクライナ供与用にスペックを調整できるということ。
apnews.com/article/us-m1-…
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ヘルソン反攻はウクライナ側の準備に時間がかかるが、ロシアとしてもヘルソンを失うわけには行かないので兵力を集中して対処する必要がある。つまり、ウクライナ側が決戦を強要できる可能性がある。そこで勝てれば意外に早くウクライナが占領地を奪回できる可能性が生まれる。
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こういうことが読み取れるのもつらいのですよ。ある状況下での犠牲の論理的な必然性がわかってしまうから。
特にマリウポリ攻防戦の時は「1人でも多くのロシア兵を1日でも長く引きつけるのが目的」「捨て石であっても犬死ではない」と何度も口にしたが、あれは精神的にはけっこうきつかった。
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北朝鮮の衛星に関連して、市場で売っているフルサイズセンサーのカメラとレンズとでどの程度の解像度が実現できるかということが気になっていたので計算してみました。というのも、北朝鮮がイメージセンサーとレンズを国産できるとは思えないので。
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私の学部時代の恩師はモーゲンソー専門家なのですが、モーゲンソーは地政学を「エセ科学」と断じているのですよ。
その批判に応えずに、あるいはむしろ増幅する形で「地政学」という語を使う同業者とかシンクタンクの多いこと。
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昨日は時間の関係かお話しを振っていただけなかったのですが、この戦争における兵士のPTSDは深刻な問題で、すでに昨夏に負傷して除隊したウクライナ兵士のPTSDについての報道があった。おそらくロシア側にも同じ問題は起こっているはず(帰還したワグネル囚人兵の例)。
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もう1つは核オプション。これは通常戦力による防衛線の再構築ができるかにかかっている。
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今月のロシア軍の攻撃は、上記の教科書的な攻撃手順に極めて忠実に行われているようだ。「砲撃しか行われていない日」と「地上部隊が前進している日」が交互に来ている。特に4の判断が慎重で、少しでも止められたら4-2から1に戻っている。
これは物量で勝る方が物量優位を生かす上で極めて有効。
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きっとこの懸念は外れる。絶対外れる。
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あるとすれば戦略爆撃機の常時上空待機の再開くらいだが、すでにヨーロッパでは、常時ではないが適宜B52の哨戒飛行が行われており、それも必要ない。
そもそも1400発の弾頭が即時発射態勢にあるのだから、そのままでロシアの核関係の行動には十分対応できる。
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そもそも、「パワー」だけで因果関係を説明しようとするのも、「アイデンティティ」だけで因果関係を説明しようとするのも「価値」だけで因果関係を説明することもできない。人間社会にはそれらすべてが併存し、人間の営みに作用しているのだから。
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しかし待ってほしい。本来リアリズムの論理にアイデンティティは含まれない。ここでコンストラクティビズム的にアイデンティティを説明に取り入れるなら、それはラカトシュの言う「アドホック性」であり、この時点で説明はリアリズムに基づくものにならなくなってしまう。
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ロシア軍は至るところで地雷を撒いているという話が、ウクライナ側からは3週間位前から流れて来てた。番組の流れに乗らなかったのでこれまで話して来なかったけど。奪回された街中の様子みると相当のものだ。しかもこれは街中に止まらないだろう。
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火力を活用した機甲戦の手順は以下の通り。
1. 準備砲爆撃
2.砲爆撃の混乱から立ち直る前に機甲部隊の前進
3.戦線の弱いところを見つけて突破
4-1.突破できれば、突破口を足掛かりに敵の補給を切って包囲、撃滅
4-2. 突破できなければそこで新しく戦線を張り直して1に戻る
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予想以上に「フォースユーザー」という言葉が人口に膾炙していることを知った。そして経緯が全く知られていないことに驚いた。まあ15年以上前の出来事だから仕方ない。もともと「フォースユーザー」という言葉は日本の造語だ。アメリカではwarfighterという。
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中国軍事力レポート2022、核の部分だけ。2035年までに1500発の核弾頭という記述が目を引く。
ただ、2021年版で、2027年までに毎年70発ずつ増えて700発、それから2030年までは毎年100発ずつ増えて1000発になる見込みとすでに言っている。
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まだ2日目だし、再補給も必要になるし、ロシアの機動防御も考えなければならないが、少なくともいままではウクライナの進撃速度は凄い。
評価を見直さなければならないかな。
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戦車供与について。MBTということであれば、これまでもNATO加盟国から供与されている。東欧諸国からのT72ですね。「西側製の戦車は供与しない」というのはあくまで西側が作った自己規制でしかないので、これを持って核が云々というのは的外れ。
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・予算をどう使うかは年明けの通常国会で議論し、決まる。(行政府だけでは予算は決められない)
・策源地攻撃は1959年以来、特定の状況下で憲法に違反せずに実施可能という解釈が確立している。これまでは政策的に「持たない」ことを選択してきたということ。
言い漏らしたことはまた次の機会に。
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F-16について。戦闘機は、戦車よりも数量的な上限が厳しい。現時点でのパイロットの数が、1年以内に戦力化可能な数の上限になるからだ。飛ぶ機体のないパイロットをまず訓練し、それからいま飛んでいるパイロットを訓練していく形になるだろうか。
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ここからのオプションは3つ。(1)ベルゴロド方面への逆侵攻、(2)ルハンシク州北部奪回、(3)部隊の再編を行ってのヘルソンからの反攻。それぞれメリデメあるが、いろいろ考えるとヘルソンからの反攻か。
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仮にウクライナが飛ばした爆装ドローンだった場合、暗殺目的である可能性は低い。モスクワまでの飛行にかかる時間と搭載可能な爆薬量を考えると、プーチン大統領の居場所でピンポイントで爆発を起こせる可能性はほぼゼロだからだ(居場所を特定できたとしても、飛行中に移動してしまう可能性が高い)。… twitter.com/i/web/status/1…
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広島ビジョンについては西田さんの分析が素晴らしいので、あまり付け加えることはないのですが蛇足を。核軍縮と安全保障を両立させる考え方はだいぶ前からあって、例えば中曽根弘文外相の日本国際問題研究所でのスピーチがある。 twitter.com/MichiruNishida…