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お知らせです。本日4/17はプライムニュースにお邪魔します。ブラッド・ロバーツ元国防次官補代理(核・ミサイル防衛担当)とご一緒します。
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結局今日ちゃんと話せなかったし、一週間前の出来事についてまとまって話す機会はもうないだろうからここで。
そもそも台湾関係法が存在することからわかるように、台湾について議会は自律的アクターだし、当事者意識も強い。 twitter.com/SugioNIDS/stat…
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人工衛星があるのだから気球による情報収集は必要ないと思っている人もいるようだが、なぜアメリカは衛星使いまくっているのにU-2を今でも使ってるのかとか、なぜグローバルホークのようなHALE-UAV使ってるのかとか考えてほしいと思う。
例の気球と同じくらいの高度を飛んでるんだから。
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上記の理由で、ロシアは平素では即時発射可能な弾頭は1000をかなり割っている可能性がある。タイミングによっては500程度になる可能性もある。そのため、アメリカが突然第1撃を行った場合、かなりの部分が撃破される可能性がある。この戦争が始まったときの核バランスがまさにそうだった。
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冷戦終結からいままで、ロシアには無数の選択肢があった。その中からいまの道を選んできたのはプーチンであり、決してパワーの分布構造にただ導かれたわけではないのだ。(午後また続き書きます)
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金曜の小泉さんとの対談でも、セベロドネツクの戦況にかかわらず、イニシアチブ取り戻すためにヘルソンからの反攻はやるべき、と話したのだけれど、やはりやったか。正しい判断だと思う。
となるとセベロドネツクの戦線の整理を軍事的合理性に基づいて行えるかがポイントになるかな。
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・ゼレンスキー自身、その自分のスター性を十分理解した上で、それをリソースとして利用。
・とはいえ、単に注目を浴びるのが目的のはずはなく、これだけの時間をかけてまで日本に来るには、かなり具体的な目的があるはず。
・Peace Formulaの支持だけであればオンラインで十分
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格納庫に待機している状況だと即時発射は不可能だし、第1撃を食らえば撃破されてしまう。
もう1つの理由は、SSBNの即応性が低いので、洋上で即時発射可能なSLBMが少ないこと。
昨日書いたように、米の即時発射可能な戦略核弾頭はだいたい1400。
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今日の山口真由さんとのやり取りは自分的には良かった。「落とし所」がある、あるいはそれを見つける世界で生きてきた山口さんと、「落とし所」がない問題(だから戦争になるんです)を見てきた安全保障研究者のギャップがあのやり取りに現れてたと思う。
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北朝鮮の衛星打ち上げについて。長距離弾道ミサイルは、第3段のポストブーストマニューバーフェイズで、弾頭を目標に正確に向けてリリースする。複数弾頭個別誘導だったらこの時に弾頭ごとに向きを変えてリリース。このリリースの技術は、衛星のリリースとほとんど同じ。
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なお、米には「警戒態勢を上げる」という概念がないのは昨日書いた通り。「ロシアが警戒態勢上げたのに米は弱腰でなにもしなかった」と考える人がいたらそれは間違い。
なお。米ロの戦略核にはもう1つの大きな格差がある。それは再搭載能力。これはまた改めて。
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私はこの記事に引用されている報告書の執筆メンバーに入っているのですが、この記事では変な文脈で報告書の記述が切り取られています。取材に来てくれれば議論の経緯とかもちゃんと話すのに。なぜ取材に来ずに記事を書くのだろう?
Thinkにコメントしてます。
nikkei.com/article/DGXZQO…
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米政府から、「核の態勢を変えるような兆候はない」というメッセージが出てきているが、この文章を読み解くには実は相当な専門知識が必要。
いま話すと番組に申し訳ないので、プライムニュースでお話しします。終わってからツイートします。
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予測云々について。自分的には違和感がある。まあ、世界に向き合う態度が違うというだけのことだろうけれど。
安全保障研究において、予測が外れるのはいつものことだ。冷戦の終結も、北朝鮮が崩壊しなかったことも、米中の軍事力拮抗も予測できてない。
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ロシア軍の使えるカードは2つ。1つは新編中とされる第3軍団。おそらくすでに防衛戦に投入されつつあるのだろうが、これで戦線を安定させられたとしても、その過程でそれなりに消耗するだろうから、攻勢的に使うのは不可能になる。
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だいぶ前のどこかの番組で話したと思うけど、ヘルソン反攻について。
1.戦線の長さは300km近くあり、どこかにロシア側の防備が弱いところはある。
2.ウクライナとしてはそこを探して突破を図るのではないか。
3.補給線を切ることができている以上、消耗戦に持ち込むための攻勢という選択もある。
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こう整理してみて気づいたのだが、12月中旬に米軍が諸兵科連合訓練をすると発表してから歩兵戦闘車や戦車の供与の話題が出てきたことを考えると、この段階で米型編成・装備の諸兵科連合大隊を作っていくと決まっていたのかもしれない。ゼレンスキー訪米の際に協議したのもこれだったのではないか?
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政策シミュレーションやるとき、私はボードゲームを好むのだが、「そんなの遅れてる、○軍ではコンピュータでやる」とイキってた某OB高官はCSISのシミュレーションも批判するんでしょうね。実際には英米でも10年くらい前からボードゲームが主流になってたんですけどね。
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実はヘルソン反攻の主力は歩兵で、だからこそ進撃が遅くて、機甲戦力はハルキウからドネツク方面の戦線に集中していたとかだったら凄い戦略的欺瞞だな。
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昨日のプライムニュースでも触れていただきましたが、この戦争の「終わり方」として、モスクワでの政変を含むワイルドカードシナリオがあることを拙編著では論じています。このワグネルの行動がそこにつながるのか。今のところは難しいとは思いますが・・・・。 twitter.com/SugioNIDS/stat…
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いま死物狂いで最後のギャンブルとして第二次攻勢の準備をしているのだとすれば、その効果を最大化するために、攻勢発起のタイミングで使う、あるいは準備段階で補給線への攻撃を排除するために化学兵器を使う(具体的な地名は控えます)オプションが頭から離れない。
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なお、戦争になるかならないかを選ぶのは攻撃を仕掛ける側です。戦場はどこになるかを選ぶことができるのも攻撃を仕掛ける側です。
つまり日本はそれらを選べないのです。そのあたりを考えるためにも、大戦略についての考察が不可欠なのです。
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昨日は日米露中韓の安全保障専門家のリモート会議。これまで10回以上会っている同士だからお互いに信頼関係がある。中露の同業者とも政治的要素を抜きにして軍事的分析を交換できたのは有益だった。
これがシンクタンク業界の底力。こういうときこそ普段どれだけ活動してきたかが問われるということ。
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ザポリージャ原発の現状について、IAEAの最新のリリース。外部電源との接続は1本の750kV線に頼っていたが、対岸からの330kV線が復旧したとのこと。なお、6月30日のリリースでは、爆発物が設置された兆候は視覚的には確認されていないとされている。
iaea.org/newscenter/pre…
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バフムトでのウクライナの逆襲、ここまでワグネルと正規軍の不仲が話題になるなら両者の境界近くを狙って攻撃するのは理にかなっているよな。