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6月下旬に、共著で新刊出します。
NATO拡大と戦争の因果関係、代理戦争論の検証、この戦争の抑止可能性、宇宙・サイバーの役割、終戦につながる3つのシナリオといったところが論点です。
ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか デジタル時代の総力戦 (文春新書) amzn.asia/d/4Ymx5N1
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ちなみに米では、徴兵を廃止したこともあって軍と社会との距離が遠い。
米国人とイラク戦争の距離の遠さの1つの原因。この点について大規模なサーベイを元に分析したのが以前も取り上げたこの研究。軍に対するリスペクトは高いが、距離は遠いというのがファインディング。
twitter.com/SugioNIDS/stat…
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棄却するとすれば、そもそも「代理戦争」と言う語自体が厳密な定義が難しいことがむしろメインの理由になるかもしれない。結果として「代理」的な役割を果たすのと、意図して「代理」に仕立て上げるのとでは意味合いが全く違うのに混同されてしまっている。後者の意味で使う人の方が多いと思うが。
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核抑止のコアな専門家は世界で20人はいない。線引きにもよるが10人を上回る程度だろう。英文メディアが報じているからと言って金科玉条扱いはしないように。
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去年の初めくらいから書いていた本、ようやく出来上がりました。
自分自身の経験も踏まえた、わたしなりの戦略論です。経営戦略論も盛り込みました。アマゾンだと年内に発送できるみたいです。
今回の戦略3文書と読み比べていただいても面白いと思います。
amazon.co.jp/dp/4890634304?…
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もちろんウェントのアナーキー論文で論じられているように、コンストラクティビズムはリアリズムを包含しうる。しかし包含されてしまったらそれはもはやコンストラクティビズムであり、リアリズムではない。
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米ロの再搭載能力について。
米ロの戦略核戦力は、新STARTに基づいて運搬手段600-700、配備弾頭1550と決まっている。米はこのうちICBMが400、戦略爆撃機が66(前の書き込みで約100と書きましたが、現在は66でした。訂正します)、SLBMが234。
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ちなみに少し前に報じられた北朝鮮からロシアへの人員派遣は、北朝鮮から海外への労働者派遣を通じた外貨獲得を封じるために、北朝鮮国民への労働許可を制限した国連安保理決議2371に違反する可能性が高い。
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フォーマルセオリーを含む定量手法が国際政治学の中心になっていく中で、イズムと離れた形で定性手法を再建させようとして進んできた道なのです。
以上、リアリズム研究の大畠秀樹先生のゼミ出身で、留学中にベネットの講義を取った(Aをちゃんと取ってます)現代軍事戦略の専門家の私見です。
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戦況というのは戦闘における損害でその後の展開が変わる。ところが現在進行中の戦闘がどう転ぶかはわからない。なのでそこは複数のシナリオを前提として置くしかない。その前提部分を聞き逃すあるいは無視して結論だけ記憶に残る人が多いみたいだが。
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3.ノヴァカホフカダム破壊自体が陽動。バフムト付近での限定反攻と連動してロシア軍を分散させ、オーソドックスにメリトポリを狙った攻勢を発起する。
まだどれかわかりません。
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政策シミュレーションって、「シミュレーション」という言葉を使っているから未来予測的に受け取られがちだが、そういう意味でのシミュレーションではない。
大事なのは、そこで事態がどう展開したかということではない。参加者が「想定外」な仮想的な状況での頭の体操をして「気付き」を得ること。
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興味深いのは撃墜を中国が批判していること。データの回収法が謎だったが、大西洋上の船舶で回収する予定だった可能性が浮かんでくる。
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なぜなら、機械としての戦車の操縦法よりも、諸兵科連合戦術の体得の方に時間がかかるからだ。逆に言えば、諸兵科連合戦術を体得してしまえば、あとは戦車の操縦法だけの問題だと言うこと。最初の大隊の訓練に6週間かかるとすれば、その間に戦車の供与ができればいいということでもある。
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今月行っていた下記の作業を通じて気づいたことがあり、今週はそれをいくつかの局で話しました。
トシキフカ突破を含む最新の戦局分析は昨日のワイドスクランブルで話しましたが、ここ数日出演予定ないのでここで書いておきます。 twitter.com/SugioNIDS/stat…
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一方、「米大統領」が核使用を決断し、「同盟国首脳」が核使用を望まなかった場合、米国は同盟国の機体ではなく、米国の機体を使って核攻撃を行う。つまり同盟国側には単独での使用権も拒否権もない。
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核共有の矢印は、敵ではなく同盟国を向いている。NATOで同盟国を安心させるために、さまざまな試行錯誤を経てたどり着いたもの。なので、国民が「核共有がないと夜も眠れない」と考えるならば一定の意味がある。しかしそれは正確な知識をもとに議論を深めての結論であってほしい。
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一個大隊を6週間で訓練(安定化作戦用の訓練やCBRN戦訓練などを省略して短縮しているものと推測)するとすれば、3ヶ月で2個大隊、4ヶ月半で3個大隊、つまり1個旅団戦闘団。いまから始めれば、これが5月に投入可能となる。ちなみに来年の春季攻勢までには3個旅団戦闘団が投入可能になる。
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2.本命はベルジャンスク周辺の奪回によるアゾフ海までの前進。ノヴァカホフカダムの破壊によりクリミアの水源を断ち
、アゾフ海沿岸からクリミア大橋を攻撃し、クリミア半島を孤立させる。
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ヨーロッパ全体で100両程度だとすると一個旅団プラスアルファ。米軍による訓練でその兵力が編成できるのが四月下旬。米軍編成、レオ2装備の一個機械化旅団が4月末から5月に出現するということ?
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なお、上記の「アマチュア」云々の発言は、もともとは私が敬愛している米国の女性ストラテジストの言葉。
コロナ後も何度もオンラインでは話をしていたが、今回は対面で会うことができた。日本のテレビで引用していることをお話ししたところ、驚きつつもたいへん喜んでくれた。
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・論点の重要性を考えれば、文書全体の長さに比べて不自然に短いので、ゼレンスキーとの議論の中心はやはりこの点になるのではないか。
・なお、完全な憶測だが、F-16だけでなく、MEDEVACなんかも議論されるような気がする。実際にワークさせるのは難しいが、非殺傷的な支援のオプションとしてはあり。
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今回、ロシア軍の動きを見誤ったのが二回。キーウ撤退とアゾフスタル突入の中止。この二回に共通しているのはリスク回避。となると三回目もあるかも、というのが昨日から何ヵ所かでお話ししている第4シナリオ。(3つ目まではドンバス会戦次第)
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もう1つ、ウクライナが反攻に転じて前線が崩れたときも可能性がある(反攻の余力があれば)。
それを抑止できるかもしれない方法は1つだけある。覚悟が必要だが。けれど1つある。(これも具体的に書くのは控えます)
実行するのは正確なインテリジェンスが入ってからでもよいが、今でもいいと思う。
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(追加)昨日の岸田首相の答弁「政府として議論することは考えていない」という答弁は、実によく考えられしている答弁だ。全文読むと対象をNATOモデルの核共有に限定していることがよくわかる。NATOモデルは別に理想型ではないので、他の形を議論すればよいのだ。