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リモート会議をするならいっそのこと、参加者の実名も明かさずに意見をテキストでやりとりするようにしたらいい。すると「誰の発言か?」ではなく「どんな意見か?」を考えるようになる。会議から「空気の影響」を除外できれば意思決定の品質も随分と変わるように思うんですけどね。
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最近はよく「内省が重要」と言われていますが、内省には「良い内省」と「悪い内省」があります。まず単純に「悪い内省=WHYを問う」、「良い内省=WHATとHOWを問う」と覚えておいていいと思います。前者の問いは問う人を被害者にしてしまうのに対して、後者の問いは問う人を問題解決者にします。
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勝ち馬に乗るな、負け馬に乗れ。これが荒俣宏先生から学んだ最終奥義ですね。考えてみれば、僕の人生で出会った「勝ち馬に乗ろうと一生懸命やってる人」って、だいたい「この人、何が楽しくて生きてんのかな」っていう感じになってますもんね。桑原桑原。
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なぜ人間に美学とモラルが必要かといえば、一つには意外かもしれませんが、最終的に大変効率がいいからです。これは敬愛する政治学者の中西輝政先生が著書の中で述べておられる言葉ですが、一連の不祥事による白紙撤回を見るに、この「効率がいい」という表現の鋭さに改めて唸らされます。
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この人たちバカなんですかね。呆れてものが言えない。
asahi.com/articles/ASP7Q…
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なぜリーダーにリベラルアーツが必要なのか?シカゴ大学のロバート・ハッチンスは明確に「教養のないリーダーは危険だからだ」としていますね。その危険さがわかりやすく示されたのが今回のオリンピックだと思います。 twitter.com/shu_yamaguchi/…
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オリンピックの一連の不祥事は「ガバナンスの問題」とされがちですが、それは表面的な整理であって、本質的には、私たち日本人の人権・差別・倫理・多様性といった問題に関する基準が世界のそれと大きくズレてしまっている、ということだと思います。要するに「教養がない」んですよ。
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日本のリーダーはよく「知らなかった」を言い訳に使うんだけど重職の人選はリーダーの最重要責務なんでインテリジェンス=情報を集めてチェックするのが海外では常識です。お友達関係で仕事を回したということなんでしょうけど運動会じゃないんだから勘弁してよ、と言いたい。
nikkei.com/article/DGXZQO…
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今回のオリンピックに関連する一連の騒動や海外での報道を見てると、日本の国際的ポジションを決定的に低下させる、歴史的な契機になったと思います。オリンピックの実施の是非以前に、この状況下でオリンピックを実施する「国としての底力」がもはやこの国にはなかったのだということでしょう。
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障害者が障害を有しているのではない、障害は社会システムとルールによって生み出されているのだ、ということがよくわかる事例ですね。東京五輪、もはや完全な茶番と化してますね。人を傷つける機会になってる。asahi.com/articles/ASP7Q…
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今回のオリンピックに関して白紙撤回されたケース。国立新競技場の設計、大会エンブレムのデザイン、弁えろ発言の組織委員会会長、そして今回の開閉会式の音楽担当。こうやって並べてみると国家イベントの仕切りとしてあり得ない手際の悪さだなと思います。根本的に何かがおかしい。
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エンブレム盗作騒ぎに始まり、体型を揶揄した「五輪ピッグ」ネタによる演出統括者の辞任、そして今回の小山田圭吾氏にまつわる騒動。これだけ不祥事が連発するというのは、運営組織・・・まあ電通なわけですが、の意思決定に決定的な欠陥があるということだと思います。完全にズレてる。
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そういう意味で教養って何に必要かというと暇を楽しくつぶすために必要なんですよね。文学・語学・楽器・絵画・芸術・歴史・・・わかればこんなに楽しいものはないけどわかるのには一定量の訓練が必要という。
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暇を楽しむための技術を学ぶのが学校。だから学校=スクールの語源は「暇=ギリシア語でスコレー」なんです。暇を楽しめない人は何をするかというと要らぬ仕事をしてしまうわけです。これがケインズの「百年後には一日3時間の仕事で社会が回る様になる」という予言が外れた理由だと僕は思っています。
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さらに指摘すれば、私は件のおぞましい記事内容が、当時の価値観や常識に照らして許容範囲内であったとは全く思いません。当時はマスコミの暴力的な記事に対して、不快に思った人、傷ついた人が声を上げられなかった、というだけで許容されていたわけではないのです。 twitter.com/shu_yamaguchi/…
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小山田圭吾さんの件について「その時代の価値観や常識を踏まえて批判しないと」といったしたり顔のコメントが見られますが、全くの戯言だと思いますね。その時代の価値観や常識がそうであったのだとすれば、ホロコーストだって強制労働だって批判できないことになる。アタマ大丈夫ですか?と聞きたい。
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自動改札をイノベーションという人は多いけど「人力でやっていた作業を機械にする」という発想は個人的には古いと思います。ドイツの電車にはそもそも改札ありません。いまの「電子ハンコ」なんかもそうですが、原点から「そもそも、これって必要なの?」とラディカルに考える習慣をつけたい。
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よく勘違いされてますが「ブルシットジョブ=クソ仕事」は仕事そのものより、仕事の「意味づけ」で決まる側面があります。この「意味づけ」は本来リーダーの仕事なのですが、統計からいうと全管理職の一割程度しかやってない・・・なので私たちは自分の仕事の意味を自分で作っていく必要があります。
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ポジティブというのはネガティブを消してしまうということではなく、ネガティブな事象の捉え方を変えるということです。お酒を飲んで忘れる、という手があることは否定しませんが、それをポジティブとは言いません。捉え方のフレームを変えるのがポジティブです。
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自己理解と他者理解は表裏一体です。自分が何が得意で何が不得意かは他者の評価によって決まるので、他者がどう感じているかを観て感じて理解する力なくして自己理解はあり得ません。その点で「内省で自己理解に至る」という考え方は片手落ちでミスリーディング、さらに言えば危険と言えます。
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ビジョンが大事、というけどビジョンのない人っていないんですよね。大事なのは解像度で、ビジョンがぼんやりあるけど動けない、という人はビジョンの解像度が低いんです。「幸せになりたい」というのと「自然に囲まれた海辺の街で好きな物書きの仕事をしてマイペースで暮らしたい」とでは大違いです。
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最近、つくづく「上機嫌というのは最重要のコンピテンシーだな」と思っています。機嫌の悪い人、怒りっぽい人、不寛容な人ってみんな難しい状況になってる。しかもその状況を本人が招いているということに無自覚だから始末が悪い。
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つまり「計画の不在」が創造性を引き出してるわけです。大きな方向はあるけど詳細な計画はない。その「計画のなさ」が「図面という束縛からの開放」をもたらして建築に関わる多くの人々の集合的な創造性を引き出している。創造性について考えるとき、これはとても示唆深いと思うのですよね。 twitter.com/shu_yamaguchi/…
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首都圏の平均通勤時間は1時間。コロナ後に毎日の通勤を義務付ける企業は毎日2時間分の無報酬の労働=シャドウワークを義務付けることになる。リモートワーク可能な企業と比較すれば実質、報酬は2割減です。そりゃあ嫌ですよね。労働市場での競争力は確実に低下するでしょう。
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コロナ後にリモートワークを解除するかどうかで会社が社員をどのように考えているかがはっきりする。報酬を支払わない通勤という過酷なシャドウワークを仕事人生に渡って強いるのか?あるいは別の可能性を模索するのか?社員にどんな人生を歩んでほしいと思っているのかがはっきりします。刮目相待。