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教育というのは本来「共に生きる方法を教えるもの」であるはずなのに、いまは「自分だけが生き残る方法を教えるもの」になっています。それでは誰も生き残れないのではないでしょうか。
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アート作品みて「わからん」と吐き捨てるオッサンたち。ではそもそも、いったいなにを「わかってる」んですか?と。部下や家族の気持ち、社会の動き、アナタ自身の行く末、全部わからないんじゃないの?と。わからなさを積極的に楽しめないから、そういう哀しい状態なんじゃないですか?と問いたい。
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よく「ファーストペンギンがいない」と嘆かれますけど、本当に重要なのは「セカンドペンギン」なんです。「ファースト」って相対的な概念で、「セカンド」が出て初めて「ファースト」になれる。「セカンド」が続かないと「一人で飛び込んだ痛いヤツ」になってしまう。「セカンド」重要です。
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以前、早稲田の入山先生が「人の創造性は累積移動距離に相関する」と言ってました。本当にそうだと思います。コロナ後の「移動の少ない世界」では意識的にセレンディピティを求めて動く力、動いた先で偶然に出会ったものに気づく力、それを仕事に適用して結びつける力の三つが大事になると思います。
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センスとスキル。センスがあってスキルがない人はリーダーに、センスもスキルもある人は参謀に、両方ない人は現場に据える。最悪なのはセンスがないけどスキルは高いという面倒くさい人で組織を悪い方向に引っ張るので隔離が必要。センスのない人がスキルを高めると価値が下がるというパラドクス。
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最近つくづく思うのは「勝とうとしなくていい」ということです。やりたいことを自分のペースで地道にやっていくと、無理して勝とうとしてる人の方から勝手に脱落していきます。問題を起こしたり体調を崩したりでね。そういうやり方で勝てるのってせいぜい十年で、人生百年時代には通用しません。
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呪いに掛かった人は呪いに掛からなかった人のことを憎みます。自由に生きている人のことが大嫌いなんですね。このルサンチマンを解消するためには自分に掛かった呪いに気付き、それを解くしかないのですが、そうはならず、むしろ他者に呪いをかける方に行ってしまうんですよねえ、哀しいことに。
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1アウトプットしようと思ったら最低100はインプットする、というのが基本的な公式です。10とか20とかのインプットですぐにアウトプットしようとすればコピペの嵐に陥ります。
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人生の早いタイミングで成功するのを目指す人が多いけど、これは非常に危険なことです。「慢心する」とか「傲慢になる」とか、そういうことではなく、その人の時間単価が急上昇することで機会費用が大きくなる結果、人生にとって一番重要な「いろんなことを試す」ことができなくなるからです。
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最近つくづく思うのは「楽しんで仕事をしてるヒトには誰も勝てない」ということです。論語にある通り「これを楽しむものに如かず」なんですね。だから「勝ちたい」と思うのならスキルを高めて努力するよりも「楽しさと価値が一致する場所」を探す方が良い。努力とスキルで何とかなるのは二十代までです
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「幸福になること」と「幸福の記号を入手すること」を取り違えてる人が余りにも多い。港区の億ションも高級車もブランド物のハンドバッグも流行のレストランでのディナーも全て後者であって前者を保証しない。気をつけないと「幸福の記号を全身の纏った不幸の天才」になりかねない。
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40代終盤に差し掛かって思うのは、40代の武器は「信用」と「健康」だったんだな、いうこと。無理して勝とうとしてる人ほどこの二つをダメにして結局は脱落していく。若手の頃とは競争優位の源泉が変わるんですね、戦略シフト。
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「完璧」を目指したら何も始められないし続けられない。この年になってつくづく思うのは「まずは70点でいい」ということです。「完璧」を目指す人ほど試すこともできずに袋小路で窮屈なままに手詰まりになってる。まず始める、続ける。明らかに他人を不幸にしてると思ったらその時点で止めればいい。
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アフリカの雨乞いって100%的中するんです。なぜかというと雨が降るまでずっとやり続けるから。これってギャグのネタになる話なんだけど、キャリアも同じで、成功する人って、結局のところ、成功するまで「ずっと失敗したけどトライし続けた」ってことなんですよね。
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先日、50代半ばの友人から「完全引退します」と連絡を受け「え!?まだ元気でしょ?」と返したら「何言ってるの、元気なうちに引退するから次が楽しめるんじゃない。元気がなくなってから引退して、それで何すんの?」と言われ、言葉を返せなかった。
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先日、ある企業で「リモートワークで上司に相談できないことが若手のストレスになってる」という話があったのですが、今の日本は明らかにオーバーコミュニケーションになってるので、むしろ相談せずに自分で決めて自分で責任取らせるようにしたほうがいいんですよ。明らかに過保護です。
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あれだけ「デキナイ理由」を挙げて二の足を踏んでいたリモートワークが一気に進んでいる。結果的に何か問題があっても「あの時はこうするしかなかった」と説明できる、つまり免責要件が担保されたので一気に進んでるのでしょうね。いずれにせよ元の世界には戻れない不可逆な変化の中に私たちはいます。
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三日坊主になるのを嫌がってグダグタと始めない人がいますけど致命的な考え方だと思います。三日坊主を百回続けるつもりで何でもやってみたらいい。めちゃくちゃ学べること多いと思いますし、その中から一生続くことが必ず見つかります。人生を無駄使いしなければ人生は見つけられない。
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アートってよくわからん、と言われて、山口さんはわかりますか?と聞かれるけど、僕にもさっぱりわかりません。大事なのは、わからない、ということが許されているということ、わからないというものがちゃんと存在してる、ということですよね。みんな、わかってもらおうとし過ぎなんですよね。
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要するに「好き・嫌い」が一番大事な判断基準になる時代が来た、ということです。よく「好き・嫌いでモノを言うな」と言う人がいますが、そう言う人には「正しい、正しくないでモノを言うな」と言い返してあげましょう。「正しさ」に大きな価値が生まれない時代ですからね。
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この年齢になって気づいたんですけど、他人の成功に嫉妬深い人は結局、早期に頭打ちになりますね。なぜかと考えてみると「妬む」ってすごい脳のキャパシティを食っちゃうんですよね。妬む、恨む、悔む、怒る、悩むは「思考の五悪」で、これに脳のキャパを取られるとパフォーマンスが大幅に落ちます。
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最近、つくづく「運の良し悪し」は言葉遣いで決まるんだな、と思います。いつもネガティブな言葉を呟いているる人からはポジティブな人ほど離れていきますが、運はポジティブな人を介して人に伝播するのでこれは致命的です。他人の批判ばかりしてる人ってだいたいが不幸そうでしょ?
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知性を「正解を出す力」と思ってる人が多いけど、今どきそんな能力には一ミリの価値もありません。これからは「問題を見つける力」がカギです。皆んなが「そんなもんだろ」で済ましていたことに「ちょっと待て、これっておかしくねーか?」と言って「確かに…」と言わせられるか?
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大学の図書館に行って経済雑誌のバックナンバー過去50年分の新年特集号だけをザッと読んでみると面白いことに気づく。一つは過去五十年のあいだで「変革の時代でなかった時代」はない、ということです。どの号にも全て「変革」とか「革新」という言葉がでてくる。あんまり踊らされない方がいい。