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長男が大切に飼育していたスズメガの幼虫を小学校で同級生に殺されてしまった日、目が真っ赤に腫れるまで泣いた長男と一緒にボロボロ泣きながら「長男くんは自分が大切なものでなくても誰かにとって大切なものを傷つけないようにしようね」と伝えたら、絞り出すように「できない」と答えた長男でした。
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電気のつけっぱなしを同居の義父から厳しく叱られた子供たちが「じいちゃんは光を厭い闇に生きる男」「たぶん雷属性の攻撃が効く」「弱点は目だね」とヒソヒソしているので聞こえないフリをしました。
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毎年ちょっと肌寒くなるとババシャツ買ってるはずなのに、ちょっと肌寒くなった時に箪笥とか押し入れゴソゴソやっても絶対ババシャツ見つからない。結局ちょっと肌寒くなる度ババシャツ買ってるのに全然ババシャツ増えない。たぶん春になると渡り鳥みたいに一斉に北のほうへ旅立ってるんだと思ってる。
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晩ごはんの時に次男がガールフレンドについて「勉強ができる運動ができるとか優しいとか可愛いとか、それもまあそうなんだけど、そんなんじゃないの。ああいう人が他にいないから言葉にできない」とモジモジ語る目がキラキラ輝いていた。誰かや何かを好きになることは誰かの目をキラキラにしますね。
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道端に大きなドングリが落ちているのを見つけて、反射的に拾おうとしたけどうちにはもうドングリを喜んで集める幼児はいないことを思い出してやめました。ドングリを集めなくなって、いっちょまえの口を聞くようになった今も可愛いけど、ドングリを集めてた頃の可愛さといったらわけがわからなかった。
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高校の担任に言われた「テメーなんか社会に通用しねえ」とか、大人が言ってた「女はババアになったら終わり」とか、既婚者から聞いた「一番好きな人と結婚するとうまくいかない」とか、乳幼児連れの頃に言われまくった「今が一番いい時期」だとか、ずっと引っかかって、長いこと心の底に沈殿していた。
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人生の先輩たちが無責任に放つ、たぶんそんなに深い意味も意図もなく口に出す予言めいたやつがね、私みたいな小心者にとってはちょっとした呪いだったんですよ。咽喉につかえた魚の小骨みたいに、いつまでも上手に飲み込めないまま、いくつもいくつも増えて、ふとした時に微かにチクチクするんだった。
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ATMで現金・キャッシュカードの取り忘れを見つけたら、ATM脇のコールセンター直通の電話をポチッとして、コールセンター係員の指示に従ってATMに入れるのが正しいのですね。最寄りの支店預かりで保護され、本人確認の後に返却されます。親切な方がそうしてくださったのでとても助かりました。
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ダンナは私が駐車場の壁に車ぶつけてボンネット凹ませた時も買ったばかりのPCに味噌汁こぼして壊した時も怒らなかったのに、私はダンナがポテトチップスを2袋いっぺんに開けた時めちゃくちゃ怒った。
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投票後の投票用紙の画像に「日本の社会人が書いたと思えない」とか「外国人か幼児が書いた」っていうRT見て腹立たしいというか悲しい。文盲の人も、鉛筆を上手に持てない人も、社会人でなくても毎日を一生懸命に暮らして、選挙に参加してるのやで。立派なカメラで他人様の存在を否定してくれるなや。
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手袋を失くした小さな女の子が母親にフルスイングで殴られて怒鳴られるとこ見ちゃって具合が悪い。女の子、殴られても泣かなかったの。殴られ慣れてる感じで。しばらくして手袋を見つけた人が「落ちてたよー」って優しく声かけたら、手袋を目に押し当てて静かに泣いてた。母親はまだ怒鳴り続けていた。
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些細な理由で子供に暴力を振るう母親と、必死に耐えて声を殺して泣く子供の両方ともが私の中にもいて、私は現在たまたま両方の不幸から少しばかりの距離を置いて暮らせているだけなんです。
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もうすぐ中二の長男が「中二病って言われたくなくてポーカーフェイスの練習してたらだんだん本当の感情を忘れてきた」などと中二真っ盛りの発言をするので、母は母で笑わないようにポーカーフェイス頑張るんですけども、やっぱり可愛くてププッってなっちゃうよね。本物の中二が中二病なのは正常だよ!
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舟和の芋ようかん焼いてバターのっけてシナモンふると美味しすぎるし、温めてビターチョコ溶かしても上等なケーキみたいで美味しいし、冷凍しといた舟和の芋ようかんと冷凍カボチャのレンチンこいたやつ一緒にマッシュして中にドライクランベリー入れて茶巾にしても美味しいし、そのままでも美味しい。
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警察署内のエレベーターで屈強な警察官10人くらいにギッシリ囲まれた時、睨まれてないのにヘビに睨まれたカエルみたいになっていたら前にいたひときわ大きな警官が「我々は悪さしてない人には怖くないです」と声をかけてくださって、それ聞いた皆さんが肩をキュッと縮めて怖くないアピールしてくれた。
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今朝も寝坊こいた長男に向かってダンナが「長男くんは寝坊しても他人のせいにしなくてエラいね」って褒めてて、おお!ってなった。したことできたことを褒めるのもいいけど、しなかったことやらかさないことを褒めるの素晴らしいと思いました。真似したい。そういう会話もっと増やしたい。ダンナ好き。
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みんな本当はワインよりファンタグレープのほうが美味しいんだけど、やれ産地だの醸造所だの歴史だの天候だのボトルやらラベルのデザインだの、そういう蘊蓄こねくって大人の気分を楽しむために無理してワイン飲んでるんでしょ?隣のテーブルで私がファンタグレープぐびぐび飲んでたら羨ましいでしょ?
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毎日パートから帰ってきて20分くらいボーッとしてから晩ごはんの支度をする私を見ている子供たちが「お仕事の人から普通のままちに戻るのに約20分かかる」と理解したようで、今日は5分おきに長女と次男がドアの隙間からこちらの様子をうかがっていたので、だんだん元気になっていく小芝居をしました。
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長女「ままち、今日○○ちゃんにぶたれて頭のてっぺんが痛い」私「○○ちゃんはどうしてぶったのかな。嫌なことがあったのかな」長女「あっ、まだお仕事の人だ」
5分後の長女「○○ちゃんにぶたれて頭のてっぺんが痛い」私「よーし、どこのどいつだ名前と住所を教えなさい」長女「ままち、おかえり!」
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世間話が下手な私なりにパート生活3年で身につけた、どこの誰ともカドを立てずに平穏な会話ができる魔法のフレーズは「変な天気ですね」「今年の風邪はタチが悪い」「野菜が高くて」です。挨拶した後この3つをランダムに繰り返して白目を剥き、歯をカチカチ鳴らしてると誰も話しかけてこなくなります。
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一昨年のインフル予防接種で雑な看護師さんに注射された長女。痛かった話を何度も繰り返すんだけど、辛い記憶も受け止めてあげましょうと否定せずウンウン聞いてるうちにだんだん大袈裟になり「彫刻刀みたいなぶっとい針で」「5分くらいグリグリやられて」「天井まで血飛沫が!」と話が盛られている。
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小児科で予防接種の順番を待っている間ずっと議会に赤ちゃん連れてった議員さんのこと考えてたんですが、私の3mくらい先ではよその赤ちゃんが母親の隣で静かに鉢植えのシクラメンをひたすらむしって口に入れては吐くを繰り返していたのでビジネスの場に彼らを招くのには相応の覚悟がいると思いました。
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中1長男とネットの使い方を話してて「学校名や名前住所が特定できることは書き込まない」と言ったら「なんでダメなの?」と聞かれたので、目の前で学校名や先生のあだ名とかでTwitter内検索かけて同じ学校の在校生アカウントをパパッと10個くらい拾って見せたら「よくわかりました」と震えていました。
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不登校気味の長男に「学校を休んでる間、できるだけ自分の好きな物事を楽しんだり関心を持った事柄を追いかける時間にしてもらいたい」というようなオーダーをしたら、大昔の映画やオペラを調べたり小説を読み漁ったりしてる。一体どこに向かうかは謎だけど、いいぞいいぞと思いながら応援しています。