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ダンナに「察する」能力が無いことがわかってからというもの、ダンナに対して何か腹を立てた時にはその理由と希望の解決策や和解案をセットで提示するようにしていて、おかげで自分が腹を立てた時に理由を分析できるようになったし、無駄に争わずに済んでいる。発達障害も悪いことばかりじゃなかった。
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使い終わった爪楊枝をそこらに転がしとくと、畳のヘリからチンチ小袴という小さなお侍さんたちが現れて、夜な夜な爪楊枝を刀にして剣舞する。チンチ小袴を見た人は原因不明の病に苦しむのです。だから爪楊枝は必ず折って紙にくるんで捨てなくてはいけないんです、というのをダンナに力説して笑われた。
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電気のつけっぱなしを同居の義父から厳しく叱られた子供たちが「じいちゃんは光を厭い闇に生きる男」「たぶん雷属性の攻撃が効く」「弱点は目だね」とヒソヒソしているので聞こえないフリをしました。
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反抗期の長男がブリーフパンツに反抗を始めたのでトランクスタイプを買い与えたら、お風呂上がり「チンコが自由で涼しい!自由で涼しい!」とやかましかった。今までの色々なことから自由になり、未知の不自由と出会うのだ。ゆっくり楽しんでくれたまえ。
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「あなたがたのうち日頃から掃除をしている者だけが年末に大掃除をしなさい」イエスがそう言うと、私たちは戸惑い、一人また一人と使い慣れない掃除用具を放り出して、こたつやおふとんやTLへ戻り、ルンバだけが残った。
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日本酒は長野の千曲酒造ってとこのスパーク・リ・ヴァンとか福島の末廣酒造のぷちぷちってやつなどをよく飲んでます。カルピスは一番ノーマルな原液(お中元)で、割合は20 :1(日本酒:カルピス)を超テキトーにダブダブ注ぎました。なにしろ飲みやすくて危険極まりないので詳しくは秘密です。
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タクシーに乗って、運転手さんから「お客さん、外国暮らし長かった方ですか」とか「帰国子女ですか」と聞かれることが時々あって、ある時「どうしてそう思うのですか?」と聞き返したら「車に乗ってきて、まず挨拶してくれるのは決まって外国の人か海外生活が長い人だから」とのお答えでした。不思議。
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悪筆の次男が学校から持ち帰ってきたプリントの余白に、ぎっしりひらがなの「れ」が並んでいた。こないだ個人面談で担任から「れ」だかアルファベットのRだかわからないと指摘されたばかり。さっそく練習してエラい!と褒めたら「れとRの完璧な中間を完成させようとしている」と打ち明けられて脱力。
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私は毎年この時期、このグラデーションの観察に夢中になり、狂気めいた値段のかまぼこに圧倒されるあまり四六時中かまぼこのことを考えては普段あまり食べないかまぼこが無性に食べたくなる。しかしながら狂った値段のかまぼこを買うのがどうしても悔しくて、一人わさびのチューブ握りしめて泣くんだ。
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仕事で関わるその老婦人は長く私を拒み、いつも目を逸らしたまま手元のチラシを折り続けていました。ひたすら足を運び、仕事を済ませては彼女の作品や技術に賞賛を送って1年以上が経った今日。できあがった小鳥をうっとり眺めているところに彼女から無言でチラシを差し出されたんですよね。
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今まだ上映中のRRRというインド映画を愛しすぎてほうぼうの映画館で10回おかわりしてテルグ語を覚えつつある長女ですが、クリスマスプレゼントに配給会社の株を買ってくれとか言い出しており、母は悩んでいます。その長女によると今Googleで「RRR」を検索するとちょっと面白いことがあるらしいですよ。
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上司のヤギさんがエラい人の愚痴を言ってて「死ねばいい」と言い放ったので、つい「いくら腹が立ってもそんな物騒なこと言うもんじゃありません」と諌めたら小さな溜め息をついて「そうだな、ミミズだけ食って生きればいい」と言い直してから「それから苦しんで死ねばいい」と付け足してた。闇は深い。
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さっき長女と散歩して、見つけたヤマモモに夢中になりすぎて熟した実をもいでたら二人して手と口が真っ赤に染まって、着ていたTシャツも点々と赤く汚れて大変なことになりました。そのままゲラゲラ笑いながら帰ってきたんですけど、玄関先でシリアルキラー母娘と鉢合わせた義父が後ずさりしてました。
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小児科で予防接種の順番を待っている間ずっと議会に赤ちゃん連れてった議員さんのこと考えてたんですが、私の3mくらい先ではよその赤ちゃんが母親の隣で静かに鉢植えのシクラメンをひたすらむしって口に入れては吐くを繰り返していたのでビジネスの場に彼らを招くのには相応の覚悟がいると思いました。
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SNSや情報番組やグルメ雑誌に見向きもされないような、古ぼけた海辺の元和菓子屋の店舗で隠れるように焼いて黙々と細々と売られるパン。予約を受けるのは食パンだけなんだけど、時々よもぎ入りとかレーズン入りが並んで筆談で購入できたり、予約の食パン以外にあんパンやクリームパンがついてくる。
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合コンした某広告代理店のノリおっかなかったよ。一番年上の「俺が飛び降りろって言ったらお前たち飛び降りるだろ」に後輩くんたちが一斉に「ハイッ飛び降ります!」ってビルの屋上ビアガーデンで。私たちベンチャーの雑草だから上下関係とか伝統よくわかんないですぅっ、で流したけど内心ウヘェって。
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猫を溺愛している老婦人が「この子は賢いから絶対に噛まないのよ」と言いながら猫を撫でていて、その手に猫がガブガブ噛みついてるのに「愛情を持って育てたから人の心がわかるの」と言い張っていたので、色々な思いを押し殺して「そうですか」と私も猫の頭を撫でて、やっぱり思いっきり噛まれました。
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長男が「10から先の英語の数字、11はセブンイレブンあるからわかるし、13はゴルゴだからわかる。12の変なやつがどうしても覚えられない!何だっけ?」と聞いてきたので、表情を変えず作業も中断せず「クトゥルフ」と答えておいた。素直に「クトゥルフか、ありがと!」って感謝されて胸が痛い。
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子ども会のナントカ会長の仕事で有給を取ってエラいお年寄り方とのナントカ会議に出席したのですが、どの議題にも要約すると「今の若い親はダメ、俺たち頑張った」「今の子どもは弱い、昔の子どもは強かった」というような意見しか出されずに得たものといえば入れ歯のニオイと軽い殺意くらいでした。
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毎日やって当たり前になって頑張っても褒められなくて、を繰り返すうちに誰かのために何かを頑張ることも素直に自分の気持ちを誰かに伝えることもできなくなっちゃうのかもしれないなー、と考えたりしました。ささいなことでも喜ばれて褒められて認めてもらえて、満たされる経験すごく大事。
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パート先の円形脱毛症できた職員さんが、定時に帰る他の職員が気に食わないと愚痴るのを聞いてて「円形さんも早く帰れたらいいですよね」と返したらフーッと溜め息をついた後「俺が早く帰りたいんじゃなくてアイツらが残んねえのが気に入らねえんだよ」と言い出したのでいっぺんに同情する気が失せた。
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こないだエラい人の講演会を聞いてたら講師のエラい人が「精神の健康状態を確認するため&健康を損なわないために信頼している精神科医に月1でカウンセリングを受けている」と話してた。悪くなってから行くだけでなくて予防やチェックに行けるのいいなって思った。歯とか内臓と同じノリで精神のケア。
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いわゆるムズカシイお年頃の長男に対しては言いたいことも聞きたいことも100のうち1か2くらいにとどめるよにしている今日この頃なんですが、雷雨の中ズブ濡れで帰宅した長男に玄関先で「大丈夫だった?」って聞いたら「パンツ3枚とも濡れた」という答えで、着替え見てたら本当に3枚履いてたよ。
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野球のルールを知らない。サヨナラホームランというからには打った選手はそのまま一周して球場を出て帰宅するものだと思っていた。サヨナラホームランで球場が湧く映像とか見ても、みんな早く帰れる選手が羨ましいんだろうなと理解してました。
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お店が開いてるのに「市場が休みなんだから売るもんねえよ!盆暮れ連休は電話よこしてから来い!」と怒鳴られて、おそるおそる「ここの、このアジは...」と食い下がってみたら「古くて美味くねえよ!子供用にマグロだけ切ってやるからそこら歩いてろ」と命令されて、おとなしく店の回りを歩いてる。