古代ギリシャのヘルメス(@kodaigirisyano)さんの人気ツイート(新しい順)

本人の証言です⬇ 『螺線について』序文 実はそれらの中に二つの間違ったものが紛れこんでいましたから.どんなことに関しても発見したと自ら称しながら,ただ一つの証明もすることのできない連中に,実は成りたちえないことを発見したといわせて後から化けの皮を剥ぐのに役だつこともあるでしょう😂
どうやらアルキメデスの時代には,彼が熱心に研究して発表して命題を公表すると「それは自分も既に証明していた」と(根拠なく)言い張る人がいたらしく,証明できない(つまり偽の)命題をわざと公表することで相手に恥をかかせようという魂胆だったようです.書簡文化とツイッターは似ています😂
ツイッターでは分からないことを「教えて下さい」と言っても無視されるが,わざと間違ったことを言えば,頼んでもいないのに引用RTで訂正してくれるというライフハックがあるらしいのですが,古代最大の数学者アルキメデスにもわざと間違った命題を公開して相手の反応を試すという悪癖がありました😂
「読書の悩み9選」といえばこちら.私も抱えていました.だからこそ寄り添いたい.それぞれの悩みの対応策はリプ欄に…後程並べるかも😂
青銅器時代を舞台にする『イリアス』は「人の変わらぬ部分」が共感され読み継がれているのでしょうが,変わった部分も知っておく必要がありそうです.30歳での10歳に対する生存数は半分という時代だったようで,30歳の生存率が現代の80歳の生存率とほぼ同じといわれるとその命の儚さが実感できます.
【黙読するときの声についてのアンケートです】 読書のとき,脳内で再生される音声は誰の声ですか?
なおアキレウスを怒らせ,戦線離脱を誘発したアガメムノンは,諸将からその責任を追求され,叱られると次のように返答します. 「長老よ,御身が私の愚かさをけなしつけたのも尤もである.迷いであった,それを身とても否みはせぬ」 この素直な「自己否定」に反省,自己と魂の動揺はみられませんね.
そして謝罪を欲している人に,きちんと謝罪が届くように説得してあげることができれば,なお素晴らしいと思います.それこそ『イリアス』における悲劇を防ぐ手立てかもしれません.謝罪を拒否することで生じる「破局」は被害者だけでなく,加害者そして周囲の人にも無関係ではないのですから.
しかし我々はすでに反省という行為を知っている. 「反省だけなら猿でも出来る」というのは嘘です.反省は極めて高度かつ文化的で,魂と自己の動揺と分裂を経験する崇高な行為なのです.だから「謝ると死ぬ人」がいれば,その人が何に怯えているのかを考えてあげましょう.
ここからは少し込み入った話になりますが,アキレウスはアガメムノンの「償い」を受け入れません.彼はアガメムノンに「反省」を求めているように見えます.「反省」を知らない人々の中で,アキレウスはその感情に肉薄していた.だが誰もそれを行為にすることができない.それが悲劇を生む.
それほどに謝罪というのは覚悟を要する行為であるといえそうです.ここまで来ると「謝ると死ぬ」という心の働きが理解できます.それは自己の魂の分裂・動揺に関わることなのだと.ホメロスの世界には「魂」はなく,ゆえに自己と魂の対話はありません.ですから彼らに出来るのは「償い」だけなのです.
「反省は自己と魂の対話がなくては起こりえない」とはスネル『精神の発見』の訳者あとがきにある言葉ですが,つまり「反省」というのは時として,自己と魂を烈しく動揺させる行為といえます,それが他者から「強制」されたものであればなおさらでしょう.公衆の面前で自己と魂を動揺させねばならない.
『イリアス』では,例えばアガメムノンはアキレウスに「償い(apoina)」をします.この償いは相手が被ったものを(回復するために)数倍にして返す,そういう性質のもので,「謝罪」ではありません.謝罪というのは「自分の非を認め詫びる」という意味で,「反省」と深い関係がある行為です.
「謝ったら死ぬ」という心の働きが知られています.そこで人類で「最初に謝って死んだ人」を調べているのですが,これがなかなか難しい.こういった調査は『イリアス』を調べることから始まるのですが,そもそも『イリアス』には「謝罪」がなく,さらに「謝る」というギリシャ語も無さそうなのです.
厳しいことをいいますが,破滅の原因は2700年前から知られています.ということで勤労感謝の日ですから今年も三種類あるヘシオドス『仕事と日』413行の翻訳をお知らせしますね! 破 滅 の 原 因 が 分 か っ て よ か っ た で す☺️
古代の結婚は相続と後継ぎのためでオデュッセウス夫妻の様な年の差婚が主流でした.これを中務先生は結婚(と同性愛)は愛情ではなく支配と被支配の関係だったとし,それが古代小説の頃には変化し「同年代の男女間の恋」が発見されたとします.こういった心性の変化が分かるのが文学史の醍醐味ですよね.
セネカはツイッターを始める前にこの本を読めと言います.「人生は短いのではなく浪費しているだけ」であり,我々が怒り狂う原因で最も多いものは「私は何も間違ったことをしていない」と考える事だと.これを読まずにツイッターをやっている方はギクッとするはずですし,読んでる私もギクッとします😂
ギリシャ人が「微積分を発明できなかった理由」はかつて熱心に研究されたことがありました.こちらはその論文で,今ではフリーで読めるようです.古代ギリシャの数学者は二次式の積分に帰着できる問題を,なぜ統一的に解かなかったのか?という「謎」への一つの回答です. jstage.jst.go.jp/article/jhsj/2…
国文社が廃業ということですが,私が大変にお世話になった本たちです.いまだに「ここでしか読めない本」といえそう.まだ揃っていない「叢書アレクサンドリア図書館」は全て蔵書したいですし,これほどの訳業ですから,今後も多くの方に読み継がれて欲しいですね.
やはりタイムマシンに乗って「過去の何か」を確かめたい人もいるようですが,本能寺の変が起きた理由は明智光秀に直接聞けば分かると考えているのだと思われます.裁判で例えると絶対に嘘をつけない被告が存在しその「被告が語る動機」により事件発生の原因を知る事ができるという立場なのでしょうね.
「タイムマシン歴史観」によれば,現代に生きてる我々は,ウクライナ戦争の原因や経過について最も詳しい人ということになりますが,おそらくそんなことはなく,数十年,あるいはもっと後になって明らかになる「事実」もあると考えるのが自然ですよね.
「タイムマシンに乗って過去の出来事を調べるのがベストだけれども,まだ実用化されていないので,歴史研究者は仕方なく限られた史料をもとに歴史記述をしている」と思っている方は「歴史」という学芸について根本的に誤解をしていると思われます.
【死について考える西洋古典の本10選】 プロメテウスは,人間に対し自らの寿命を分からなくすることで「死を怖れる病」を癒やしたとアイスキュロスは伝えますが,それでも我々の「病」は完治したわけではないでしょう.そこで今回は死について考えるための入門書を(自分のためにも)まとめておきます.
「ロマンティック・ラヴ」は12世紀の発明と伊東俊太郎が書いてあるというお話を以前しました.男性が女性のために命をかける恋愛というのがそれ以前の文学に見られないというものです.そういった例は古代の文学にあるのではというご指摘をいただいたので,恋愛の専門家ではないですが少しお話します.
なお,この表は火山の噴火が盛んなときは,ナイル川が増水せず,結果として飢饉が起こるという論文からの引用.プトレマイオス朝の滅亡時やネロ帝の最期に単発的に巨大な噴火が起こっているのが確認できますね. 気象現象と王朝の盛衰を議論した魅力的な論文です.