古代ギリシャのヘルメス(@kodaigirisyano)さんの人気ツイート(新しい順)

『ホメロスと色彩』 間違いなく最高の一冊です.葡萄酒色の海,黒い水,緑の恐怖など我々の理解をこえるホメロスの色彩表現の解釈を通じて話題は哲学やジェンダーそして産業革命まで多岐にわたります.読了後に中務訳『オデュッセイア』の頁をめくると極彩色の世界が広がっていた事に気付かされます.
厳しいことをいいますが,「学校では習わない〇〇」や「学校では教えない〇〇」といったタイトルの本に警戒心を持つようになると一人前です☺️
【西洋古代の「科学」に関するオススメ書籍100選】 科学史や科学哲学の本で冒頭を飾ることの多い西洋古代の科学は,天文学と数学が注目されることが多いですが勿論それだけだったわけではありません.現代とは違った枠組みで思考する世界が広がっていますので関心のある本を是非手に取ってみて下さい☺️
これはライフハックですが,講義録とされるアリストテレスの著作で「~としよう」または「~とせよ」というのが出てくると,それは彼が図を描き始めたと思ってください.『原論』の言い回しと似ており数学を語るときの定型表現なのです.「ここで黒板に書き始めたな」と思って読むと臨場感があります😂
ギリシャ天文学に関心のある方に便利な図をご紹介します.宇宙の成立と農事暦を詩で表現したヘシオドスから「文学」「精密科学」「哲学」という天文学の三本の川が生じたという解釈のもと,その川の流れと相互関係が分かる図です.出典:The History & Practice of Ancient Astronomy,p.18(一部変更)
タイムマシンという突飛な(そして矛盾をはらむ)思考実験は「歴史」=「史料編纂」ではなく,「史料」=「過去の(常に不足気味の)近似」ではないよ,ということをいいたいわけですが,この突飛な思考実験によりあまりにも自明である「歴史」を再考するヒントになれば嬉しいです.
ここはかなり際どい部分で,そもそも「過去とはなにか?」ということに関係するのですが,タイムマシンによる「観察」を史料として扱うとしても,最初に提起した,それは史料にある人物や事件と同一であると誰が担保するのか?という難題があるため,結局は史料を読む者の解釈の問題になります.
繰り返しになりますが,プラトンと名乗る人物をタイムマシンで尾行し,彼がエジプトへ行かなかったことを「観察」したとします.この「観察」をもとに「プラトンはエジプトへ行った」という史料を否定できたといってよいのか?そのためには「観察」を裏付ける別の史料と解釈が必要ではないのか?
この難題はタイムマシンに関係なく現時点で難題です.例えばタレス,プラトン,アルキメデスらが「エジプトへ行った」と史料にある場合,そのエジプトは同じエジプトなのか?「これらの史料にある『エジプト』を同じエジプトであると史料の作者は考えている」という解釈に合意するしかなさそうです.
このように考えるとタイムマシンが発明されたからといっても「史料が実は間違っていた」と指摘するのは結構難しそうですし「更なる発見」を史料に追加するのも容易ではなさそうです.プラトンほどの著名人でさえもこのような難題があるのですから,これがマイナーな人物や事件,災害であれば尚更です.
タイムマシンを使って前四世紀のアテナイで「プラトン」と名乗る人に出会ったとして,その人が史料にあるアカデメイアの創設者プラトンと同一人物であると確認するには,伝記史料と一致すればいいのか?もしも一致しない部分があればそれは史料が間違っていたのか?同名の違う人に出会っているのか?
「歴史研究者はタイムマシンがないから“仕方なく”史料を元に研究しているのではない」という話をしたところ「タイムマシンがあればより詳しく研究ができる」という方がいました.そこで考えてほしいのはタイムマシンで出会ったプラトンが史料にあるプラトンと同一人物であるとどうやって担保するのか?
西洋古代の女性は服の下に何か着ていたのか?という疑問を見かけたので少し調べてみました.一般的に一枚の布を図のようにゆったり纏うようで,その下に何を着けていたのかは絵や彫像からは分かりにくいようです.しかしいくつか「下着」と思われる物もあるのですが問題はそれが「普段着」かどうか.
ツイッターを始めて歴史創作をされる方が結構いるという事を知ったのですが,特に史料が少ない時代や人物を扱うときには,この『ヒュパティア 後期ローマ帝国の女性知識人』が参考になると思われます.少ない史料を元にどこまで魅力的で説得力のある再構成をできるのかという実践として有益な本です.
どうしても主人公が死ぬ悲劇を書きたい人が後をたたないので,せめて「アンハッピーエンド」と「バッドエンド」の区別はつけて欲しいって話.別にアゴラの雑談で話す分にはどっちがどっちでもかまわないのだけど,ディオニュシア祭での上演を考えているなら詩人は明確に認識しておいたほうがいいです😂
『占星術の起源』 面白過ぎて今まで読んでいなかったのを後悔しています😂 オリエントと地中海世界の古代を中心にし占星術を育んだ文化を解説.神話,聖書,西洋古典との関係,考古学的な成果までコンパクトに学べました.新訳がでたバビロニア叙事詩『エヌマ・エリシュ』の導入としても良さそうです.
【古代の著名人が成人した頃にやっていたこと】をまとめました.遺産を放蕩した人や刺客に追われた人など,皆さん良くも悪くも人生の転機を迎えたようです.彼らの20年後が気になりますよね?そのうちまとめますね☺️ なお成人年齢は時代や地域により異なりますが例えばアテナイでは18歳とされています.
アルキメデスが入浴した,もしくは設計したかもしれない浴場の遺跡がシチリアのモルガンティナで発掘されています.この新機軸の丸天井を見て,彼の最大の業績とされる球の体積を決定する方法を思いついたと想定する研究者もいます.お風呂とアルキメデスの関係はヘウレーカの逸話だけではないみたい.
古代ギリシャ料理はおせちです😂😂😂 #謹賀新年
【干支の古代ギリシャ語名】 新アテナイ人の皆様,明けましておめでとうございます.覚えておきたい干支の名前と豆知識です. 西洋古代にまったく関係ない干支ですが,きちんと動物の画像があってよかったです😂
驚かないでほしいのですが,西洋古代の「科学者」の数と地中海の沈没船の数(=貿易の活発さ)の時系列には相関があるようです.このデータによりローマに支配され古代の科学は衰退したという説明は不適切で,衰退の要因はハドリアヌス帝以降の統治政策にあるという解釈が提唱されました.驚きですよね.
どこから誉めればいいのか分かりません.出典や参考文献は省略されているため定説だけの教科書的内容ですが次第に著者である左近司先生の哲学者への疑問が増えていき読者は原典を読みたくてウズウズする仕掛けになっています.中世を「花開いた」とする末尾は秀逸.こういう入門書を待っていたのです!
「絶対にバレない状況でも悪事を犯さないか?」というプラトン『国家』での「ギュゲスの指輪」という思考実験.「罰への恐怖」よりも「良心の疚しさ」を感じることで悪事を犯さないと考える人は,この思考実験がピンとこないかもしれませんが,ではこの「良心」というのは誰の発明か?
中世が暗黒時代というのは誤った通念といえますが,数学に関してはそう捉えざるをえない側面があります. 三角数の和と三角形の面積がどうして一致しないのかを教皇シルウェステル2世(950年頃ー1003年)に問い合わせた人がいるようなのです.面積公式(底辺×高さ÷2)すら普遍的ではないというのは衝撃的.
《武装するフクロウ》 フクロウ(ギリシャ語でglaux)はアテナイのシンボルですので当然「ゆるキャラ」が考案されていました.左の翼は盾を装備していますが,武器を持つのは右の翼ではなく…み…右手です😂