北海道から届いたアスパラをくったり茹でて、粗塩とオリーブオイルで食べる。何年も作り続けてる細川亜衣さんのレシピで、我が家での通称はアスパラうどん。ズビズバーっとうどんをすするかのような勢いで食べてしまう美味しさだからだ。柔らかな食感。弾ける甘味。これだけでご馳走だ。
桜木町駅のコレットマーレに新しくできたアラビア料理のカールヴァーン。一見インドのミールスっぽいが全く異なるベジプレートのスパイス使いに舌鼓。ランチでも最低三千円超の価格設定だが、良い食材やスパイスを用いて丁寧に作られていることが分かるし、サービス・環境も良いので、納得感がある。
かつて湖南省の農村で出会って衝撃を受けた涼拌青椒西紅柿。刻んだトマトと玉葱を塩・酢・胡麻油で和える。決め手は青椒。この場合、ピーマンではなく青唐辛子のこと。生唐辛子の鮮烈な香りと辛味が胡麻油の風味と合わさると、単なるトマトと玉葱が湖南料理に大変身。夏にぴったりの中華サラダ!
行者ニンニクは釧路の老舗居酒屋の女将さんに教わった食べ方が我が家の定番。サッと茹でて熱々のまま水気を絞ったやつを溶き卵の上にドボン。醤油をちろりと垂らしてガブリ。香りも味もクセの強い行者ニンニクが生卵の優しさにとろりと包まれ、異様に旨い。なんて艶かしい食べ方だろう!
ウドは焼くだけ。強火のグリルで皮ごと皮が焦げるまで焼いたら、裂けるチーズのように皮を剥き、瑞々しい中身に味噌をちょんと付けてをかじる。鼻を抜ける香りに陶然。アク抜きやらなんやら下処理が大変な山菜祭りにおいて、焼くだけで旨いってのは実にありがたい。
雲南料理の定番・洋芋燜飯。雲南では洋芋と呼ばれるじゃが芋と臘肉(中華ベーコン)を炒め揚げにしてから、長粒米(タイ米など)と共に炊き上げる。味付けを全て臘肉に任せる潔さ。じゃが芋・臘肉・ご飯を一緒に噛むと初めて完成する淡い味付けがいい。豪快にして繊細。素朴にして洗練。
雲南料理の汽鍋鶏。中央に穴が空いた不思議な鍋に鶏肉を詰めて、蓋。蒸気の立つ大鍋の上に二時間ほど置けば、ふふふ、一滴の水もなかったはずの鍋の中には黄金色のスープが満ちている。お店の倍は鶏肉が入ってるのでゴロゴロ感が半端ない。さあ、この鶏肉の旨味が凝縮されたスープの旨さを想像しよう。
連休なので雲南料理の汽鍋鶏。底に穴が空いた鍋に塩をした鶏肉を詰めて蒸気の立ち昇る鍋の上に置き、数時間放置。穴から鍋の中に入った蒸気が鶏肉に火を通し、スープに変わるのを気長に待つ、ヒマ人料理だ。でも、そうやってできるスープの澄んだ旨味を一度知ってしまうと、この手間が愛おしくなる。
上海人は太刀魚が大好き。上海の家庭料理の定番・香煎帯魚(太刀魚の揚げ焼き)は、太刀魚に塩をして粉をはたいて両面を焼くだけではあるが、単なる焼き魚とは違ってきちんと中華料理になる。香ばしくキツネ色に焼けた皮目に食欲をそそられ、ふっくら柔らかな身の甘さに目尻が下がる。地味旨!
えんどう豆が旬のうちに必ず作りたい臘肉炒豌豆(えんどう豆と中華ベーコンの炒めもの)!賽の目に切った臘肉をジュクジュク炒めて出した脂で豆を炒め蒸しにするだけだが、これがご馳走。パッツリふっくらとして甘味たっぷりの豆が臘肉の旨味を吸い込み、手にしたレンゲが止まらなくなる美味しさ。
神田のくじらのお宿・一乃谷で鯨尽くしの宴。まずはニタリクジラの刺身盛り合わせに大興奮!高級部位の鹿の子、本皮、須の子、ベーコン、さえずり、赤肉、心臓、胃袋、小腸、尾の身、たけり(性器)など充実の内容!食べ比べが楽しくて、どれも旨い。
全国のニラ好きにこの春絶対試して欲しいのが、韮菜炒薄荷(ニラとミントの炒めもの)。ニラの香りとミントの香り。ぶつかり合うようで溶け合う不思議。興奮に箸が止まらない。ニラひと束では全く足りず、二束でも瞬殺。十数年前雲南で知って以来、永遠の定番。世界の広さを舌で実感するひと皿。
春!グリーンピースの旬!となれば必ず作る豌豆炒蛋(グリーンピースの卵炒め)。剥きたての豆をサッと炒め煮にして、ふわっと炒めておいた卵と合わせる。レンゲでガバリ。ふわふわ卵に支えられ、プリプリ豆が香って跳ねる。こういう料理の味付けは最小限であるべきで、だからこそ自作が旨い。
人類は、元気に酒を飲みながら花見できるのがせいぜい50年くらいしかないという事実に、もっと真摯に向き合うべきだと思う。
十数年来の春の定番、菜の花と貝柱の鍋。一晩水に浸した帆立の干し貝柱を戻し汁ごと煮立て、塩と日本酒で味付けして、菜の花を煮る。煮えばなもよし、煮込んでもよし。貝柱の旨味が菜の花にからみ、染みる。具を絞る鍋の凄みがこれほどわかる鍋もない。アレンジ無用。単純ゆえに最強。試せばわかる。
【レシピ】公開半日で1000を超えるいいねを頂いたので、早速レシピを書きました。ちょっとしたコツさえ守れば、簡単に百点満点の家庭料理が出来上がります。是非お試しください。 おうちで中華 - 韮菜鶏蛋炒粉条(ニラと卵と春雨の炒めもの) note.com/chijintianxia/…
ニラが美味しい今こそ作りたい韮菜鶏蛋炒粉条(ニラと卵と春雨の炒めもの)!ニラ玉に春雨を加えて醤油味で炒めるだけで、異様に食欲をそそるひと皿が完成。モチモチの太春雨とふわふわ卵とシャッキリしたニラ。個性は違えど好相性の三者が醤油味で見事にまとまり、口の中で賑やかに躍る。旨い!
待望の「夏」休み!今回の休暇の目玉はこれ。東京九州フェリーそれいゆだ。横須賀を23:45に発ち、翌日21:00に九州の門司へ。2021年の新造船なので船内設備も充実していて、21時間のショートクルーズが楽しめるという。国内でフェリーの新航路が開設されたのは二十数年ぶり。前から狙ってたのだ。
昨晩は白ごはんさんのところで見たホタルイカの炊き込みご飯。日本の春の味覚ですなあ。これだけで何杯でも酒が飲める。酒は満寿泉の純米。合わないわけがない。
中華街の菜香新館で久々に飲茶。久々すぎて思わず頼みすぎた(笑)。広州の老舗を思わせる味と点心ラインナップ。広州在住時に日常的に食べてた定番点心がひと通り揃っていて、当時を懐かしく思い出した。また住みたいなあ、広州。
扇貝炒蛋(ホタテの卵炒め)。下味を付けて片栗粉をまぶしたホタテを軽く下茹でしておき、卵を炒めたところに炒め合わせる。卵は外はふわふわで、中はトロリ半熟に仕上げるのが好み。ホタテの旨味を卵が抱いて、優しくも満ち足りた美味しさが口の中に広がる。しあわせ。。
十数年来の定番、蕪と豚肉の雪見鍋。たっぷりすり下ろした蕪を鰹昆布だしで煮て薄口醤油で味付けたら薄切り豚肉を広げ、白髪葱と柚子皮を散らして出来上がり。豚肉で全ての具を巻くようにして食べる。蕪の甘味と柚子の香りが口の中に広がる中、白髪葱が絶妙のアクセント。なんとも見事な鍋。
昔dancyuで知った豚肉と大根のみぞれ鍋。豚三枚肉を中華鍋で焼き付けてから水・酒・昆布を加えて煮込み、別鍋に白菜と煮込んだ肉とスープを移して醤油で味付けたら、大量の大根おろしをドン!単なるみぞれ鍋とは違って、力強い味わいが魅力。大根おろしが爽やかで、大量の豚三枚肉がスルリと消える。
後ろの席で飲んでる自営業のおっさんが「3日連続で年休を取るなんて社会人としてありえないんだよ。申請してきたあいつをぶん殴りたくなったよ」などと言ってるので、一日も早く潰れますようにとひと口ごとに酒の神に祈りながら飲んでる。
冬のご馳走、蘿蔔燉羊肉(大根と羊肉の煮込みスープ)。身体を温める羊肉は冬にぴったりの食材。骨付き肉をホロホロになるまで煮込み、その旨味を大根に吸わせる。土鍋から立ち昇る太く豊かな香り。奥行きのあるスープの旨味に思わず感嘆。羊肉と大根を夢中でかじるうちに身体がポカポカしてくる。