日本では全く無名だが僕は大好きな江西料理。ローカル店で食べた辣椒炒蛋(生唐辛子の卵炒め)は、太めの生の青唐辛子をぶつ切りにして卵と炒める。普段卵の下味は最小限にするが、この料理では濃いめにする。パキッとした生唐辛子の辛味を甘辛いふわふわ卵が受け止めて、後を引く旨さになる。
雲南料理の定番・洋芋燜飯。雲南では洋芋と呼ばれるじゃが芋と臘肉(中華ベーコン)を炒め揚げにしてから、長粒米(タイ米など)と共に炊き上げる。味付けを全て臘肉に任せる潔さ。じゃが芋・臘肉・ご飯を一緒に噛むと初めて完成する淡い味付けがいい。豪快にして繊細。素朴にして洗練。
鹹肉白菜粉絲湯(豚の塩漬け干し肉と白菜と春雨のスープ)。白菜を炒めてから土鍋に移し、鹹肉と水を加えて煮る。すぐに香り高く白濁したスープに化けるので、そこで春雨を煮て、青葱と胡麻油で出来上がり。鹹肉の旨味と白菜の甘味。豊かな旨味を春雨と共にすする。ホッとする滋味。保存食万歳!
今の季節にしみじみと美味しい砂鍋豆腐(豆腐の土鍋煮込み)。淡い干し海老の出汁で豆腐、白菜、春雨、椎茸を煮込み、仕上げに香菜。味付けは塩・胡椒・胡麻油だけ。人によっては味がないと思うほどの薄味が、食べ進むうちに徐々に心に沁みてくる。食べ終わる頃には、気づけば満足のため息が出ている。
東北料理の漬菜粉(白菜の漬物と太春雨の炒めもの)。豚肉の旨味と発酵の酸味を掛け合わせて春雨に吸わせる、地味ながらも恐ろしくそそる一品。作り過ぎに見えるかもだが、このくらいないと瞬殺されることが分かってるのだ。十数分後、空の皿を見て、その正しさを知る。冬の間に何度も作る定番!
昔アモイで食べた客家料理の干蒸肉。薄切りの豚バラ肉に醤油ベースの下味をつけて荒めの地瓜粉(タピオカスターチ)をまぶして蒸すだけ。豚バラ肉の旨味をむっちょりとした地瓜粉が閉じ込めて、簡単なのに異様に旨い。甘じょっぱさにビールも進むが、ご飯にのせて食べるともう止まらん!
バカなのか。酒にこれほど税収を依存する発想自体が前世紀的だし、若者が酒に金をたくさん使えるような国づくりをしてないし、それでいて貧困のはけ口のような安酒に税金を課すし。ジリ貧しかない。 需要喚起へ若者のアイデアを 酒類消費減少で―国税庁:時事ドットコム jiji.com/jc/article?k=2…
大学時代の中国系サークルの旧友と上野の翠雲に集合。20年以上前から共に中国各地を旅してきた仲だから、「こういう料理を日本で食べられるなんて隔世の感があるねえ」としみじみしながら水煮魚。自宅だと使うのに躊躇する量の唐辛子と花椒に歓声が上がる。
上海人は太刀魚が大好き。上海の家庭料理の定番・香煎帯魚(太刀魚の揚げ焼き)は、太刀魚に塩をして粉をはたいて両面を焼くだけではあるが、単なる焼き魚とは違ってきちんと中華料理になる。香ばしくキツネ色に焼けた皮目に食欲をそそられ、ふっくら柔らかな身の甘さに目尻が下がる。地味旨!
トマトに手が伸びる陽気になってきましたな…ということで、永遠の定番・西紅柿炒蛋(トマ玉炒め)。卵の火入れ具合はその時の気分次第で、今日はふわふわよりトロトロ寄り。トマトの汁を吸った卵が旨い!家族一同、レンゲを激しく動かす。
毎年、冬の間に何度も作る東北料理の漬菜粉(酸菜と春雨の炒めもの)。豚肉の旨味と酸菜(白菜の漬物)がもたらす発酵の酸味の掛け合わせは最強。それを吸った春雨の旨さは悶絶もので、箸が止まらなくなる。こういう地味な料理こそが旨くて飽きない。
dancyu webで見かけて作ったハンガリー料理ののグヤーシュ。牛筋肉に下味つけて焼き付けてから、別途炒めた香味野菜と合わせて2時間煮込んで、更に根菜数種を入れて一時間…って極めて面倒くさかったが、その苦労は報われた。たっぷり入れるパプリカパウダーのコクと香りが肝。これはお店の味だ。
中国経験者なら知らぬ者はいない油炸花生米(揚げピーナッツ)。頼まなくても出てくる小菜(お通し)の中で不動の人気を誇る。作りたてより冷ますとサクサクカリカリになって旨いのだ。香ばしさと強めに効かせた塩が果てしなくビールを呼ぶ!単純だけどコツが多い料理なので、上手くできて嬉しい!
初めて食べたすっぽんの刺身、旨かったなあ。肉と魚で言えば肉寄りでなるほど爬虫類って感じの味なのだが、臭みがゼロで旨味ぴゅるぴゅる。端っこのレバーもキレイな味!白子や卵黄は大きさに反して濃密な味わいで、精がつくと言われるのも納得。ひと切れ、ひと粒で酒一杯飲める。
待望の「夏」休み!今回の休暇の目玉はこれ。東京九州フェリーそれいゆだ。横須賀を23:45に発ち、翌日21:00に九州の門司へ。2021年の新造船なので船内設備も充実していて、21時間のショートクルーズが楽しめるという。国内でフェリーの新航路が開設されたのは二十数年ぶり。前から狙ってたのだ。
神田のくじらのお宿・一乃谷で鯨尽くしの宴。まずはニタリクジラの刺身盛り合わせに大興奮!高級部位の鹿の子、本皮、須の子、ベーコン、さえずり、赤肉、心臓、胃袋、小腸、尾の身、たけり(性器)など充実の内容!食べ比べが楽しくて、どれも旨い。
昨日はセント・パトリックス・デー。緑のビールを飲む習慣があるこの日、お馴染みのWyvernではなんとこんなスペシャルな一杯が!PUNK IPAにブルーキュラソーを垂らして緑色にしたビールの上にギネス!「映えだ!」「映えですね!」と大喜びしてグビリ。映えだけじゃなくて旨い!
広東省の田舎で知った白灼魷魚(イカの丸茹で)。下処理したイカを丸ごとさっと茹で、筒切りにして皿に盛り、薬味をバサッ!熱々の油をジュワーッとかけ回したら、醤油ダレ。柔らかなイカの旨さがシャキッとして香り高い薬味と甘辛い醤油ダレで何倍にも膨らみ、この手があったかと膝を打ちたくなる。
トマトと玉葱を敷いた大皿に塩焼きにしたイサキをのせてオリーブオイルとワインビネガーをドバドバ。魚の身をよくほぐし、トマトと玉葱を細かく切り刻み、全てをよく混ぜていただきます。ポルトガルで知った焼き魚の食べ方。冷えたヴィーニョベルデがよく合う!
広東料理の定番・豉汁蒸排骨(豚スペアリブの豆豉蒸し)。飲茶では小さな蒸籠でちょこっと出てくるけど、家庭ではたっぷり!豆豉のコクが染みた骨付きの豚スペアリブはむっちりとした旨味の塊。手で持って骨の際まで齧りとって味わうのが正解。次から次に手が伸びて、1kgの肉塊もすぐに姿を消した。
糖醋藕絲(細切り蓮根の甘辛黒酢炒め)。細切り蓮根を炒めて、黒酢・醤油・砂糖・片栗粉を炒め合わせる。程よいとろみが照り輝き、食欲をビシバシ刺激。甘辛酸っぱい味付けが、シャキシャキ蓮根にピタリ。黒酢の風味がきんぴらとは全く別物の美味を生む。細切り蓮根の意外な旨さ、未経験の人は是非!
ブロッコリーを使う中華料理はそれほど多くはないのだけれど、これが旨すぎるのでこれだけでいいんじゃね?と思える蒜蓉炒西蘭花(ブロッコリーのニンニク炒め)。下茹でしたブロッコリーにニンニクの香りをまとわせるだけで、不思議なほど箸が進む。茎も皮を剥いて使うと美味しい。
羊肉燉土豆(羊肉とじゃが芋の煮込み)。骨付き羊肉1kgとじゃが芋をじっくり煮たあと、強火で煮詰める。内蒙古式にシンプルな味で羊そのものを楽しむ。骨周りの筋をムチッと噛み切ったり、巨大なじゃが芋に齧り付いたりしてると、ああ、これぞ北方中華だよなあという幸福感に浸れる。量も正義!
【宣伝】明日6/6(月)に発売するdancyu7月号「アジア麺」特集に「私の偏愛アジア麺」として四川省の麺レシピを掲載してもらいました!今回は紹介の文章も自分で書いてます。また、頑張ってタレの分量も書いた(!)ので、是非ご覧ください。 amzn.to/39916Ho
お馴染みブーシェルのブロートツァイトテラー(バイエルン風パーティーセット)を携えて山下公園へ。開封して並べるだけのシャルキュトリー6種に黒パン、スプレッド2種、ドイツビール2本、更には並べる木皿まで付いてくる最強セットだ。ピクニックにおあつらえ向きすぎる…!