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仕事から帰ってくると毎日賢い担当の猫に「こっち来て」と呼ばれ、自室の定位置で彼女のお話を聞く会が開催されるのだが、彼女には帰宅直後の人類にお話するときだけに使う「んにゃぐぐ、んにゃぐぐ」という鳴き方があり、多分固有の意味があるのだろうけど人類は愚かなのでお話の意味を理解できない。
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朗らか猫は以前の家で段ボール箱に入ってはいけないルールだったのか、当初私に気づくと慌てて箱から飛び出していた。一昨日は箱に入って遊んでいるところを見られてゆっくり箱から出て「入ってないっすね」と誤魔化そうとし、昨夜はついに箱の中で転がったまま「入ってないっす」という顔をし始めた。
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賢い担当の猫に体当たりしてじゃれついていた朗らか担当の猫に対し、基本的に猫に興味のない弟が「ほかの猫にそんなふうに体当たりするのはよくない、今のはラグビーでもイエローカードが出る」と説教していて、朗らか猫が神妙な顔して聞いているので笑ってしまった。
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新入り猫を健康診断に連れて行ったら、留守番をしていた先住猫はずっと「おじさんが居ない」「おじさんどこ?」とうろうろしていたらしく、私と新入りが帰宅した途端飛び出してきて出迎え、キャリーバッグから出てきた新入りを舐め回してから素に戻り、「心配なんてしてないですからね」と寝に行った。
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横浜駅で「やだー!ここ横浜駅なのやだー!他の駅がいい!ここ!横浜駅やめて!他の駅にしてー!」というイヤイヤ期らしい柔軟な発想のダメ出しがなされており、周囲の人々の心の中で横浜駅の存在が根底から揺らいでいた。
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「めちゃくちゃ面白い」と聞いてはいたもののSFは読み慣れていないから長編読めるかなぁと敬遠していた『三体』をようやく読み始めたんですけど、どうして誰も「『三体』はやさぐれ有能警察官と材料工学の研究者のおじさん2人の凸凹バディものだよ」っていう超激アツ情報を教えてくれなかったんです?
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美術領域の卒展を観に行った。展示もとてもよかったが、作者に解説をお願いし「これはこういうことですか?」と伺ったら「き、気づいてくださったのですね……!」と感激してくれる作者の横で「初めて人から気づいてもらえた幽霊みたいになっている」とコメントする学生さんの美術みがとてもよかった。
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新入り猫の深夜の構い倒しタイムがいつもより少し遅れてしまったのだが、リビングでカタリ、カタリと音がするので様子を見に行ったら、いつも私と遊ぶ場所に猫じゃらしと蹴りぐるみを並べておもてなし準備パーフェクトの新入り猫が爆音で喉を鳴らして待っていた。新入り猫、賢く健気な陽キャで面白い。
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爪を切る時可愛い担当の猫(故猫)は「緊急脱出!緊急脱出します!」と飛び出そうとし、賢い担当は「今私、とても、とても、我慢してるの」みたいな反応なのだが、新入り猫は「うはは!うはは!抱っこして!握手して!爪!うはは!」みたいな意味わからないテンションで爪切り放題で私が動揺している。
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毎晩深夜に「みんな居ない!寂しい!」と悲痛な声で鳴いていた新入り猫、寝る前と朝にめちゃくちゃ構い倒すルーティンを作ったら悲痛な叫びはなくなったのだが、早朝に「起きましょう!撫でていいっすよ!朝っす!新しい朝が来たっす!さあ!構い倒して!」とご陽気全開で起こしてくれるようになった。
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ゲームに関する修論の審査の質疑応答タイム、副査からの質問の冒頭が「素人質問で恐縮ですが」ではなく全員「私はゲームがとても好きなのですが」だったので、素人質問とは異なるタイプの謎の緊迫感とわくわく感とがあった。
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武豊騎手が4400勝を達成したレースの3着がイツモハラペコという名の馬だったのと、イツモハラペコちゃんのお母さんがイイコトバカリちゃんなのとで、土曜の昼間から心が乱されている。
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可愛い担当の猫はクリアファイルをがぶがぶ噛むのが趣味だったので、生前は穴だらけのクリアファイルを量産しては人類を困らせていたのだが、この世を去って3ヶ月以上が過ぎた今、可愛い担当の噛み跡のあるクリアファイルは「レガシー」と呼ばれ、宝物として大事にしまわれている。
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漢詩と伝奇小説の授業を隔年で交互にやっているので、美しくて静かな風景を詩に描いた柳宗元に先に出会う学年と、トイレの怪(美女)に魅入られ友達に何度救われても隙を見て汲み取り式トイレにダイブしついには死んでてしまう男の話を書いた柳宗元に先に出会う学年があり、柳宗元観の温度差が激しい。
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気に入らないときにも「あ゛」と言うだけになってきた先住猫、ついに新入り猫に猫パンチを2発お見舞いし、飛び退って避けた新入りが「姉さんが!姉さんが自分に!猫パンチ!猫パンチをくださった!」と喉を鳴らしながら弾むように部屋の中を駆け回り、上機嫌に先住猫の元に駆け戻りまた怒られていた。
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南関東に雪が降ると知ったときの雪国の人たちのツイート、長命のツンデレエルフやツンデレドラゴンが知り合いの人間に対して「お前たちは弱くて愚かで何も知らないのだからな、本当に情けない」と毒づきながら「おい!待て!話を聞け!」とせっせと生き残るための知恵を授けてくれる的なところがある。
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締切厳守の修論受付業務で、本人の責にはよらないが証明書が取れない事由で提出が遅れそうな学生から連絡が来たとき「私たちがこの受付の机を担いで全力で走っていけば道半ばで落ち合ってぎりぎり間に合うのではないか」と提案した先生のことは一生信頼できると思っている。なお提出は間に合いました。
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卒論の追い込み中の皆さん、「バックアップ取るのは大事だと知っているがまぁ自分は大丈夫でしょ」と思うともなく思って何となくバックアップを取らずにここ数日の作業を進めている皆さん、今すぐメーラーを立ち上げて自分向けに卒論ファイル全部送りましょう。ごく稀にそれで救われる論文があります。
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エレベーターで工事の人たちが「何そんな可愛いの着てんだよ」「仕方ないだろ、他になかったんだよ」と殺伐トークしていると思っていたら、可愛いトレーナーの人が降りた後、残った人たちが「子鹿のバンビだろあれ」「可愛かったな」と語り始め、弄りではなく普通の「可愛い」トークだったと判明した。
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関係者以外立ち入り禁止の日の学内に入ろうとするお散歩中の犬と人、良き棒を拾いはしゃぎ歩く犬、駆けつける本学職員、「ようこそ!犬のところに!ようこそ!」とテンション爆上げの犬、ご理解くださる飼い主、棒を捨ててじゃれつく犬、犬にわしゃわしゃ対応する職員、「またね!またね!」と去る犬。
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新入り猫、人類大好きだけでなく、猫が心底大好きで、どちらかというと私たちの側のメンタリティらしく「あ!猫いる!触らしてもらっていいっすか?そーっと近づいて、あー、避けられた!」みたいなことを繰り返して「あー、触りたい、猫、猫に触りたい」と先住猫を見ながら前足をぷるぷるさせている。
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先住猫は膝の上で抱っこすると「よろしくってよ、私を膝に乗せることを許します、寛ぎましょ」みたいな感じで穏やかに静かにごろごろいうだけなのだが、新入り猫は「うはは!うはは!うはは!自分、猫なんで!抱っこ!抱っこされて!うはは!」みたいなよくわからないテンションで爆音でごろごろいう。
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新入り猫が大物すぎてすっかりうちに慣れてしまって
先住猫「知らないおじさん、やだ!」
新入り猫「マジっすか!知らないおじさんいるんすか?!超怖くないっすか?!」
くらいの温度差がある。先住猫に「シャ!」って言われている知らないおじさんは君だよ。