601
しんどい時こそ、いつも以上に笑顔で頑張る人がいる。
気付いて欲しいけど、気付かれるのが怖い。だから心配をかけないように、怒られないように、弱さにつけこまれないように、周りがあなたの辛さや限界に気がつかないほど完璧に演じる。
本当に辛い時、頼れず助けてもらえなかった過去が尾を引く。
602
家族を大切に想い、自分のことより家族を優先し、家族のために尽くしてきた人ほど、誰かが求めている「自分像」を演じるのが得意になる。
これは初対面の人と仲良くなるのが得意なACに多くみられるが、彼らは人と親しくなるのが怖い。
その人の為に演じた自分像と「本当の自分像」との違和感に苦しむ。
603
604
理想的な環境で育った人は、「大人になってまだそんなこと言ってるの?」という。
でも、大人になってまで影響を与えるのが家庭環境。
子どもが最初に所属する社会が「家族」。
家族の中の自分の在り方が、世の中に出た時の自分にリンクする。家族を信じられなければ、世の中の人を信じられなくなる。
605
暴力やネグレクト、酷い言葉を浴びせられた人だけがアダルトチルドレンになるのではない。家庭内がいつもピリピリしていたり、親の態度から「愛されていない」「私なんていなくてもいいんだ」と感じ取る場合も同様の傷を負う。
まだマシ、もっと酷い人がいる、これくらいで…と思う必要は全くない。
606
一見幸せなカップルや幸せな家族の裏に、たった一人の犠牲者が隠れていることがある。
そういった「表面上の幸せ」は、その子が色々なものをぶつけられ、引き受け、耐え、我慢することでギリギリ保たれている。その子の辛さは、家族さえ知らない。知ったところで受け止めてもらえない。それがACの辛さ
607
608
断われない、他人優先、人との距離感に悩む…
ACと、そうではない人が抱える悩みは同じものが多い。
でもその傷の深さが全然違う。
ありのままの自分を受け止めてもらう時期に親を受け止め、自分を大切にすべき時期に親を優先し、「与えられるはずのものを自分で身に着けていく」過程はあまりに重い。
609
610
アダルトチルドレンは、ちょっとした指摘を「自分への批判」と受け取りやすい。「どうしてそう思うの?」という質問が、自分への否定に聞こえてとっさに反発する事もある。
性格が捻くれているのではない。
批判されることの多かった幼少期がそうさせる。心を守るため、無意識に裏を読みすぎる。
611
612
・イエス、ノーを言えない
・嫌なのに断れない
・したいことが分からない
・ワガママを言えない
・平気じゃないのに「大丈夫です」と言う
・幸せにしてくれそうな人ではなく「大切にしない人」を選んでしまう
子供の頃、大人に迷惑をかけないよう我慢した経験が多いと、このような悩みを抱えやすい。
613
ACかも?毒親かも?機能不全家族なのかも…
気付いて調べ出すと、もっと酷い環境で生きてきた人を知り「私は大したことない」「もっと酷い人がいる」と思う事がある。明らかな虐待を受けてないとそう感じやすい。
でもその思考こそが影響の1つ。生きづらさの原因。
心の傷は目に見えないだけ。
614
アダルトチルドレンが、「八方美人」「誰にでもいい顔をする」と非難されることがある。
でも実のところ『好かれるため』ではなく、『嫌われないため』にそうしていることが多い。相手を傷つけないため、不快にさせないために、丁寧に言葉を選んでいる。
自分が得するためにそうしているのではない。
615
モラハラ・パワハラは、殴らない心への暴力。
会社、夫婦や恋人間だけでなく、親子でも同様のことが起こる。
普通の生活はさせてもらっているし感謝もしているし毒親というほどじゃない…というような、幸せそうな家庭に隠れていることも多い。小さな否定や束縛だとしても、毎日続けば心が壊れていく。
616
勇気をもって悩みを打ち明けた時。
「私はもっと辛い」「私はもっと大変」と言われることがある。あなたの悩みを聞いてもらうはずが、相手の悩みを聞かされる。
こういう人が親だと、子どもは苦労する。
人間関係の基礎は親子だから、「どうせ誰も自分のことを分かってくれない」と諦めてしまう。
617
ACは、大切な人との関係を自分から壊すことがある。
好きなのに傷つけたり酷い部分を見せて、試し行動をとる。不安から、関係を自ら壊して「ほら。こんな私なんて好きになる人はいない」と妙に納得することもある。
でも本当はそんな部分も含めて受け入れてほしい。だけど、受け入れられるのも怖い。
618
喧嘩や争い大声が苦手という人は多いが、アダルトチルドレンの場合は「苦手を通り越して恐怖」さえ感じる。
だからその場を和ませようと焦る。相手の機嫌を直そう、これ以上怒らせてはいけない…と何かに追い立てられる。自分が悪くないのに謝ったりする。
共通点は、争いの多い家庭環境だったこと。
619
優しくて我慢強いACも人間だから、どこかで限界がくる。
ギリギリまで耐えるからこそ、心が破裂する。人が変わったように怒鳴り散らしたり、物を壊したり泣き叫んだりする。
これが本当の自分なのでは、嫌いなあの人と同じではと怖くなるが、それは違う。
過去に抑えた感情が多いほど反動は大きい。
620
621
ACは成人しても結婚しても家を離れても、親の影響に苦しむ。
「過去のことじゃん?」「もう忘れたら?」と心無い言葉をかけられることがある。この苦しみは、理想的な環境で育った人には到底理解できない。
過去のことを忘れられたらどんなに楽か…そう思っているのは、誰でもない自分自身なのだから
622
623
ACは、子どもの頃にネガティブな気持ちを抑え込む。そうしないとその環境で生きていけなかったから。
でも1つの感情だけを抑えることはできない。
我慢する為に「嫌」「したくない」を抑えると、「嬉しい」「楽しい」「好き」という明るい感情も抑えられる。
これが「自分がよく分からない」に繋がる
624
アダルトチルドレンは、相手の反応を気にしすぎてしまう。
「考えすぎ」と指摘されることもあるが、考えなくて良ければどれだけ楽だろうということは、本人が一番痛感している。
子どもの頃に愛された実感がなかったり、ありのままの自分を否定された経験があるとそうなりやすい。性格のせいではない。
625
アダルトチルドレンは人を警戒し過ぎたり、反対に依存しすぎる傾向がある。いずれも人はいつか離れていく、愛はいつか冷めるもの、どうせいつか捨てられるという不安に駆られやすい。他人がこんな自分を受け入れてくれるわけがないと思う。
親でさえ認めてくれないのに…と思う心の傷はあまりに深い。