1476
ひとりと孤独は違う。
ひとりの時間が必要な時はあるが、「誰も私を必要としていない」「誰も分かってくれない」という孤独は苦しい。
アダルトチルドレンは、家族の中にいても孤独を感じる。大勢の中にいても、心の中で孤独を感じる。
周囲に合わせて笑っていても、心の中が『無』になっていく。
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心を「コップ」に例えることがある。
コップに負の感情が溜まって溢れてしまう前に、休憩しよう、逃げようという。
でも優しいアダルトチルドレンの心は「スポンジ」のように、相手の攻撃も酷い言葉もいったん受け止めてしまう。コップと違って溢れないから、本人も周囲も限界が分かりにくい。
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アダルトチルドレンは、肯定よりも「否定」に慣れている。
大人から否定されることが多いと、「否定=日常=落ち着く」と脳が判断する。だから肯定されると落ち着かない。
「肯定=日常ではない」から、裏があるのではと疑う。
受け入れてほしいのに戸惑い、時に拒絶してしまうのには理由がある。
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『何かするときに最悪のパターン』を想定する人がいる。
先回りしないと怒られるような環境だったり、過去に信じて裏切られたり、ガッカリした経験があるとそうなりやすい。
ネガティブでも、神経質でも、考えすぎなのでもない。
「最悪の事態」を経験しているからこそ、心を守るために警戒する。
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誉められても素直に受け取れない、という人がいる。
子どもの頃、褒められるより否定された回数が多い人の場合、褒められるわけないと思い込んでいることもある。
例えば「考えすぎ」「神経質」「受け流せ」と否定されて育つと、『真面目』という誉め言葉も嫌になる。
それほど環境の影響は大きい。
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可愛くない、気持ち悪い、デブ…
幼少期に容姿を否定されたアダルトチルドレンは、大人になっても苦しむ。
他人に容姿を褒められても信じられず、素直に喜べない。そんなわけないと、嫌な気分になる。痩せてもオシャレしても、ふとした時に怖くなる。
嫌な言葉が「ラベル」のように貼りついてしまう。
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アダルトチルドレンは、「人からどう思われるか」が判断基準になりやすい。
自分のやりたい事より、相手が受け入れてくれそうな方を選ぶ。好かれるためより、「嫌われない為」「傷つけない為」の傾向が強い。
自分の意見を通そうとして、誰かを悲しませたり怒らせたり否定された過去が影響している。
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「他人は変えられない、変えられるのは自分だけ」という言葉がある。
その通りだが、あなたがどれだけ頑張っても辛いままなら、その環境・その人がストレスの原因なのかも。
あなたを悩ませるその人は、あなたの為に変わろうとしてくれますか?
違うなら、その人の為に自分を変えなくていいんですよ。
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アダルトチルドレンは、自分の感情を表に出さない。押し込める。特にネガティブな感情は出してはいけない、と植え付けられている。
自分の腕をつねって涙を堪えたり、歯を食いしばったり(クレンチング症候群)、毛をプチプチ抜いたり、爪や皮膚をめくるなど、無意識の行動で抑え込むこともある。
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「過去は忘れて前に進もう」「気にしなくていい」「もっと楽に考えよう」「自分を責めないで」「人に甘えていい」とアドバイスされることがある。
…そんなこと本人が一番よく分かってる。そうできたらどんなに楽かと。
いつも頑張っている人ほど、「分かってるのに出来ない」と自責してしまう。
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アダルトチルドレンは、自分に厳しい。
みんなが出来ているのに出来ないと「こんな事も出来ない」と自分を責める。もし出来ても「まだ上がいる」と思う。
性格のせいではなく、幼少期の大人との関係が影響していることが多い。
励ましや応援がない家庭環境で育つと、自分を褒めたり認めたりしにくい。
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本音で話すのが苦手、という人がいる。
否定されるのが怖い、本当の自分を知って嫌われたくない、気持ちがうまく表現できない、どう思われるか心配、信用するのが怖い、親しくなると裏切られそう、そもそも本音が分からないこともある。
共通点は、本音を言いづらい家庭環境で育ったということ。
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傷つきやすいあなたは、誰よりも心の痛みが分かる。だから優しい。
引きずりやすいあなたは、それだけ真剣に物事を考えている。
ストレスが体に出るのは、皆に心配かけないように笑顔で頑張っているから。
あなたが「直さなきゃ」と自分を責めてしまう部分が実は、あなたの「素敵なところ」でもある。
1493
「ダメダメ」言われ続けたアダルトチルドレンが大人になると、無意識に自分にダメ出しをするようになる。
何か出来ても、そう思えない。出来ない時は「やっぱり」「ほらね」と自分を責める。まるで子供の頃、周囲ががあなたを責めたように。
自信がないのは「出来ていないから」ではないかもしれない。
1494
ACの脳内は、親の言葉や態度で埋め尽くされている。
何を言えば喜び、怒り、この表情は何を意味しているのか、今何をすべきか、地雷になる言葉は何なのか…大人になり離れても考え続ける。そうしないと生きてこられなかったし、失敗すると後が大変だった。
だから、何か1つするにも疲れる。
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<ACが抱えやすい心身反応>
・頭痛
⇒ずっとそうだからそれが当たり前という人も
・肩こり
⇒首の裏が慢性的にパンパン
・歯の食いしばり
⇒ストレスから無意識に。とにかく顎が疲れる
・皮膚炎
⇒アトピー、一時的に出る蕁麻疹等
・自律神経の乱れ
⇒うつ症状、過呼吸、神経性胃炎など
1496
母親に苦手意識を持つアダルトチルドレンは、女性が苦手なことがある。特に、過干渉の母親を持つケースに多い。
年上の女性に気を遣いすぎたり、ご機嫌を取り過ぎたり、苦手なのに好かれたり、意見を言えず疲れ果ててしまうことも多い。
同様に父親や祖父母苦手な場合も、同じように影響を受ける。
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「自分の性格が嫌い」と言うACは、ものすごく多い。
でも人のことを信用できないのは、性格のせいではない。自分の考えが分からないのも、人に合わせてしまうのも、NOを言えないのもそう。
受け入れてもらえなかったり否定ばかりされたら、誰だってそうなる。環境によって作られたものはとても多い。
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勇気を出して相談しても、「辛いのは皆一緒」と言われることがある。
たしかに皆、何かしら辛さは抱えている。
でも辛さのレベルが違う。
理想的な環境で育った子どもたちと同じスタートラインに立つために、ACは親が与えてくれるはずだった「心の土台」を自分で見つけ育てなくてはいけないのだから。
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アダルトチルドレンは「ごめん」や「ありがとう」が口癖になりやすい。
「自分なんて…」という不安を抱えたまま大人になると、反射的に使ってしまう。
どちらも大切な言葉だが、自分に自信がないと相手に見捨てられないためにこの言葉を使いすぎる。
だから、言うたびに自分の心が削られる。
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アダルトチルドレンは人を警戒し過ぎたり、反対に依存しすぎる傾向がある。いずれも人はいつか離れていく、愛はいつか冷めるもの、どうせいつか捨てられるという不安に駆られやすい。他人がこんな自分を受け入れてくれるわけがないと思う。
親でさえ認めてくれないのに…と思う心の傷はあまりに深い。