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結果、竹中氏はものの見事に労働者の分断に成功し、労働組合はボロボロになって機能しなくなり、労働者の賃金は下がり、経営者と株主が漁夫の利を得る構造ができるよう手助けをした。竹中氏がいなければ、ここまで巧みに社会が変わらなかったかもしれない。竹中氏の弁舌の力はとても大きい。
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江戸時代は資源リサイクルも行われた、安定した定常状態だったと思われがちだけれど、解像度を上げてみるとかなりの流転がある。
江戸時代に入る前の安土桃山時代から、吉宗の活躍した享保時代までは、耕地面積の拡大と人口増大が続いた。なぜかというと。
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日本では、勝ってスポーツが大好きになった人以外は、大嫌いになる傾向があります。若年層からの全国大会の勝ち抜きシステムが、勝てない子にとって楽しくない仕組みだからです。子どものときに、勝ち負けではないスポーツのおもしろさを感じていることが大事だと思うのです。
為末大氏 朝日新聞220328
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「なんでこうなっちゃったんでしょうね?」と聞いても、たいがい、「わかりません」が返ってくる。そこで「ここ、どうなってます?」と着眼点を伝える。すると「こうなってます。あ、だからか!」と気づいてもらえる。「なるほど。ではどうしたらよいと思います?」と尋ね、仮説を立ててもらう。
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ところが小学校に入ってから、親の態度が激変する。先生に言われたとおり、宿題をさせるのは親の義務、と心得、「今日はもう宿題やった?」と、先回りして子どもに声をかける。最初のうちは素直にやっていた子どもも、あんまり先回りされるから嫌になってくる。
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日本の農業は大規模化が進行中だが、何か落とし穴はないだろうか。一つ懸念されるのが「過疎化」だ。
今はまだ、元農家の高齢者が農村部にたくさん住んでいる。その住民の需要を当て込んで、スーパーマーケットも、ガソリンスタンドも存在している。しかしやがて、高齢者が姿を消していくと。
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子どもが小学校に入るまでの親は、子どもの成長に先走ることはない。先走っても無駄だから。まだ歩けない赤ちゃんに「歩くにはこう!こう足を動かすんだよ!」と言っても、言葉の通じない赤ちゃんにはムダ。「これはミルク!ミルクって言うんだよ!」と言ってもムダ。言葉が分からないから。
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政治に絡む発言をすると、「残念だ」というツイートをされることが多い。フォロワー数も激減する。まあ、フォロワー数を増やすことは目標にしてないのでそれは構わないのだけど、興味深い現象だとは思う。自分と同じであることを相手に期待し、違うと失望する、というのは、日本ではよくある現象。
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「ああ、これでいいんです」と言って、無造作にストッキングの山に右手を突っ込むと、指の股に四つのストッキングが。それをサササッと袋に入れていく。あっという間に袋詰め終了。
次にシールで袋を封するのだけど、それも工夫が。
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その子にとって、分数などを体得するには、少し年齢が上にならないといけなかった、というだけのこと。そして面白いことに、小学校の内容をきっちり習得できると、中学校の内容も理解できる。もちろん、ウンウン言いながらだけど。小学校の内容は体感が必要で、数学理解の基礎であるらしい。
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みんな、財布の中身を減らしたくないから、無料だったり安値販売されていたらそれについ手を出してしまう。しかしそれが連鎖するとデフレスパイラルが始まる。真面目に働く人が生活できる、妥当な価格での購入が、どうしても必要となる。
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初めて断食したとき、大峰山に登り、塩と水だけで何日耐えられるか試してみた。2日間はさほど苦しまずに耐えられた。腹が減ったら塩をなめ、水をがぶ飲みすれば空腹はとりあえずごまかせた。テントの中で寝ていればそんなに苦しまずに済んだ。問題は三日目。
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その外面的なことで大人たちに評価され、断罪され、ダメな子の烙印を押されていた。誰一人、「素」を見てくれる大人がいない、孤独。けれどどの子も、「素」と「素」で付き合うと、子どもによって時間のかかり方は違うが、心を開いてくれた。
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どこでつまづいてるのか、過去にさかのぼっていった。分数は壊滅。1/2+1/3=2/5のように、分母と分子をそれぞれ足したりする。さらにさかのぼると、割り算がすでに怪しい。九九はできる。
よし、では割り算から足固めし、分数を完全にマスターさせよう。
しかし学習は初日からつまづいた。
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経済力の低下する日本で、なんとか力を保つ方法はないか。一つのヒントは「目利き」にあるように思う。
オランダは、世界一のカカオパウダー(チョコの原料)の輸出国。しかしオランダは寒い国。とてもカカオが育つ国ではない。実はカカオ豆の世界一の輸入国でもある。アフリカなどから大量に輸入。
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NHKやEテレを見ても、あるいは新聞記事でも、食品ロス(フードロス)ゼロを目指せ!とよく呼びかけられている。しかし食品ロスゼロは決して目指してはいけない。多すぎる食品ロスは減らした方がよいが、決してゼロにしてはいけないものだということを、今回お伝えしようと思う。
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支援の基本は、自分も食べたくなるようなもの、使いたくなるようなものをお送りすること。ここを外しちゃいけない。また、「ありがたいと思え、感謝しろ」はダメ。どこまでも対等な人間として対することが大切。
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とある野菜研究者が語った言葉を、今も忘れられない。
「野菜を作る農家って、昔はみんな貧乏だったんだよ」
え?今やコメ農家は儲からず、トマトなど野菜農家の方が売上大きいのに?
「コメを作れない農家が仕方なしに作るのが野菜だったんだよ」
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被災地で無料散髪は、消費者としてはありがたい。そのぶん現金が浮くのだから。しかしそれにより、現地の消費が減り、現地がデフレ経済となり、現地が貧しくなってしまいかねない。「善意の安売りはデフレスパイラルへの道の舗装」になりかねない。
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「名探偵コナン」が大好きな息子。そこにたびたび三国志エピソードが挟まるのに興味をもち、「三国志読んでみたい」と言い出した。三国志好きな私はそれで嬉しくなってしまい、熱く語ってしまった。そこから息子はマンガ三国志を読まなくなってしまった。私が詳しいことを察したからだろう。
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消費者も、どこかの労働者。勤めてる会社の売上が落ちれば収入が減らされ、すると消費を減らさざるを得ず、減らした消費が別の企業の売上を減らし、その企業で勤める従業員の収入が減る。こうしてみんなの収入が減り、消費が減るデフレスパイラルに陥る。
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まあ、私も農学部卒業だと言ったら、「今時、畑を耕すのか」なんて言われたから、農学部がとても遅れた分野だと誤解している人は多い。しかし農学部は医学部、薬学部と並んでバイオサイエンスの研究で最先端を走っており、特に食品や飲料メーカーに就職がとても強い。
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日本にイノベーションが起きにくくなった理由。それはもしかしたら、大卒が増えたからではないか、という気がしている。
戦後の日本は、大卒は非常に少なかった。多くが中卒、高卒。場合によっては尋常小学校まで、という人が多かった。パナソニック(松下電器)の創業者、松下幸之助は小学校中退。
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まとめました。
先回りすると興味を失う、後回りして驚くと興味を示す|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
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驚くどころか、子どもに自慢しかねないことに気がつくのだろう。それにウンザリして興味を失うらしい。
他方、親に汚染されていない分野は未開拓分野。ここで親の力を借りずに知識を得たら、それは自分のもの。それを親に披露したら親も驚くだろう。そう考えて、別の道を歩もうとするらしい。