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「こんなことできてすごいよね、将来はもっとすごい人になるのかな」という「ほめ育て」をされ、大人の期待に応えるビッグな人間に私はなるんだ、と、天井知らずに自己評価を高めて、いよいよいい年になってきて、現実の自分を突き付けられた時、激しく落胆する。「ほめ育て」の屁外の一つかも。
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私は見逃していたのだが、東京大学との対決がその前にあったらしい。対決内容は、紙で作った橋がどれだけの重さに耐えられるか、というもの。
東大生は何とか構造だとか何々理論とか、専門知識をフルに発揮し、理論通りの構造物を紙で作った。
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「私はかつて何億円の仕事をしたことがあって」「それはすごいですね、私はA社と何十億円の仕事をとりつけた思い出が今も忘れられなくて」「そういえばその会社とはこんな新規のビジネスを立ち上げたことが」ニコニコ笑いながら俺の方がすごい仕事したことがあるぞ合戦。私は横で見ていて楽しかった。
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その紙の棒を3本束ねると、はるかに強度が増すことに気がついた。ともかく紙を触り、観察しているうちに気がついたことから改善を進め、彼女らなりの橋を作り上げ、東大生と勝負した。
その結果は。すイエんサーガールの圧勝だった。
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まとめました。
落ち着き始めた被災地に必要なのは「無料の供給」ではなく「お金を伴う需要(消費)」?|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
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いくら善意からとはいえ、あまりに度を過ぎた無料や格安販売を続けると、それを職業とする人たちが生活できなくなる恐れがある。善意によるダンピング、ということが起き得る。すると、善意が悪意よりタチ悪くなることがある。この点、よくよく注意したい。
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それも、一度で済まず、違う部局の人間が一から話を聞きたがるので、何度も説明しなきゃいけない。なかなか契約に至らない中、一通りの部局が話を聞いた後、ようやく社長がお出ましになり、契約。ともかく契約までに時間がかかる。これがいわゆる「決断が遅い」という話。
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読解力より何より、音読単語に慣れていない、ピンとこない子が、すでに三十年前から(いや、私自身も音読単語がピンと来なかったから、四十年前か)いた。しかし彼らが親しんでいる言葉に置き換えたら比較的すんなり理解できる。つまり、音読単語混じりの日本語は、彼らにとって外国語になっている。
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まとめました。
大規模農業と小規模農家の繰り返し|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
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一切否定せず、あなたの考え方は面白いなあ、と、新たな発見に驚き、面白がると、どんどん話してくれる。そして、どれだけ話しても否定せず、面白がる私に興味を持ってくれ、今度は私の話を聞きたがってくれる。聞かれたことには簡単に答え、基本、「訊く」に徹する。
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当然のことを言うようですが、農家は農作物を作って売り、その収入によって老父母の病院代、子どもの学資を得ています。もし購買力のある市民にタダで配られたら、その人たちのお腹はそれで満たされますから、売り物の農作物はその分売れなくなります。すると、農家は自分の家族を支えられません。
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アフリカなどの貧しい地域での食料危機への対策は、食料を
・現地でたくさん作る
・現地にたくさん送る
のどちらかが選ばる。食料が足りないんだから食料がたくさんあればいいんだろ、というシンプルな推理。しかしアマルティア・セン「貧困と飢饉」を読むと、かえって飢餓を深刻化させることも。
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FB で面白い投稿があった。オーストラリア人のピアノ教師と結婚した人の話。その人は子どもの頃、6年間もピアノを習っていたが、つまらなさ過ぎてやめた経緯があった。ところがあることがきっかけでピアノの面白さに気が付き、夫に教えてもらうことに。そのときの話が衝撃的。
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「長兄は病気になる前にみんな原因を取り除き、誰も病気にならないので長兄が医者だと気づいている者はいません。私などは死にかけの人間を治すという派手なことをするから天下に名が響いてしまっていますが、医者としては恥ずかしいことです」。
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中学生で偏差値64未満の子は、小学校の内容であやふやな部分が残っているリスクがある、と書いたら、意外に思われた方もいらっしゃったよう。偏差値64って、結構高い。小学校の内容「ごとき」ができないもんだろうか?と思われる方がいらっしゃるのも不思議ではない。しかし小学校の内容、侮りがたし。
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地元の散髪屋だという方から、「そろそろ営業再開するんやけど、あんたか無料散髪続けると私ら生活でけへん。善意なのはわかるけど」と話された。それできっぱり、大阪の散髪屋の方は無料散髪をやめた。
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テレビは民放のバラエティーばかり、家庭での会話は単語2つまで、つきあう友人も似たような話し方、となると、音読単語を耳にする機会がほとんどない。「機会」という言葉すら、ピンとこない。チャンスと言い換えないと、伝わらない。
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たぶんなんだけど、それを習った当時は、それを受けとめるだけの体験が不足していたのだと思う。九九を習った時には、足し算をさんざんやって、2を二回足したら4、三回足したら6、のような蓄積がないと、九九はなかなか身につかない。
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エンゼルメイクが始まる前に折れた口紅、残りかすのファウンデーションしか用意されていなかったのは、「どうせ」死んでいるから、という気持ちの表れだったのだろう。それを「どうせなら生前の元気だったお姿に」と心をこめたとき、死に化粧は「エンゼルメイク」へと印象を一新したのではないか。
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レイチェル・カーソン「沈黙の春」が警告を発した頃の化学農薬には、二つの問題があった。水に溶けにくく、油に馴染みやすい性質(脂溶性)であったこと。そして、非常に分解しづらい化学構造だったこと。この二つの性質があると、体内に蓄積しやすい。生物濃縮が起きやすくなる。
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目の前の事物に様々なインプットをし、その結果現れる現象を五感で味わい尽くす。現象をしゃぶり尽くす。すると、不思議なもので、無意識が仮説を紡いでくれる。「こうしたほうがいいんじゃない?」その仮説に従って新しい工夫をしてみて、また五感で観察。これを繰り返す。
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組織を有機体で捉える必要がある。ドラッカーの見識を踏まえれば、「決断の速いカッコいいリーダー」は、本当にカッコいいのだろうか?独裁的システムを完全に構築したとき、リーダーには、心地よい情報しか届けなくなる部下ばかりになる。裸の王様になる。独裁は、裸の王様を目指す道。
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まとめました。
呪いを解除し、失敗を楽しむ|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
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私は、科学の理論というのは、研究の初期段階では、目の前の事物や現象を観察する際の「目のつけどころ」を増やすためにだけ役に立つ、と考えている。自分一人では気づかない観察箇所を教えてもらうために理論は知っておくと得だが、理論を信じすぎて観察の目が曇るなら本末転倒。
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この人は天才だな、と思う研究者がいる。成果を次々に出して止まらない。その人の研究の仕方を見てると、二つの原則があるように思う。
①誰もやってないことをやる。
②結果が出そうなことをやる。
研究なら当たり前やん、という気がするが、案外この二つを両立させていないケースが目立つ。