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先日、鳥取大学の人たちに講演した時の参加者から、質問が来た。「点数に結びつかない遊びとかの「余計なこと、無駄なこと」に理解を示さず、ただひたすら勉強してほしい、という期待を親は持ちがち。「余計なこと、無駄なこと」の大切さをどう伝えたらよいですか?」というもの。ちょっと考えてみる。
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まとめました。
人を見下す人が嫌いなのはなぜなのか|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
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実は、先進国はどこも似たり寄ったりで、農業はGDPの1%強にしかならない。小麦を海外に輸出しているフランスも、農業はGDPの1.37%を稼ぐだけ。しかもフランスの農家は、所得のうち90.2%を補助金としてもらっている。アメリカもフランスも世界有数の農業国だが、GDPのわずか1%強でしかない。
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つまり、今の日本で飢餓が起きたら、食糧危機が起きたら、無事で済む人間はいないということ。しかもその混乱のあとは、極端な思想と政治体制に支配される可能性が高い。だから決して飢餓は起こしてはならない。食糧危機を起こしてはならない。それは安寧を絶滅させてしまうことになる。
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ケインズは、なぜこんなことになるかを考えた。そこで気がついたのは、経済学が「生産」に重きを置きすぎて、「消費」を軽視していたこと。たとえ優れた企業、優れた人物が良質な製品を製造したとしても、それを購入する消費者がいなければ話にならない。
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ところが、脳内世間の評価なんか気にせず、自分という存在に、身の回りに、自然に対し好奇心があると、生きているだけで楽しい。世界を肯定し、その世界に生きている自分を肯定できる。こんな興味深い世界の中で、生きている自分も興味深い。好奇心があれば、生きているだけで自己肯定。
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定年退職してヒマになって家にいて疎外感孤独感から子どもの声に苛立ったものか。そんな了見の狭い苦情言ってるくらいなら、子どもたちと一緒に遊べばいいのに。名誉教授?まずは名誉も外そうか。そんなくだらんもん、もういらんでしょ。それより子どものために動いてよ。 msn.com/ja-jp/news/nat…
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あとでスタッフから種明かし。男性側の部屋で沈黙が続いていたのをずっとモニターで見られていたことに、男性たちは苦笑い。他方、女性たちは「あら、恥ずかしい」「余計なこと言ってないかしら」とさらにワイワイ。すっかり親しくなっていた。
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しかし、失業させられた人には収入がなく、安くて良質なはずの製品やサービスを購入することはできない。結果、粗悪でもっと安いものを買うしかなくなる。あるいは、そんな安いものさえ買えなくなる。デフレが加速する。社会格差が拡大する。戦前に起きていた社会状況はまさにこれだった。
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ただし無加工の紙は、ものすごく早く落ちることもあった。彼女らは、滞空時間が長い時と短い時の違いを観察した。滞空時間が長い時は横にシーソーのように揺れて徐々に落ちるのだけれど、早く落ちるときは揺れ過ぎて紙が縦になり、一気にまっすぐ落下するのが原因であることに気がついた。
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その女子大生の卒論をきっかけに、トイレはどんどん快適で臭くなく、むしろあまりにきれいなので汚してはいけないような気になるような美しい空間に変わっていった。遊園地に勝る集客力を誇った刈谷のサービスエリアは、トイレが快適なことでも有名になった。
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次第に遺族の方たちが「まるで元気だった時のよう」と涙を流して喜ぶように。亡くなった方に施すこの化粧技術はエンゼルメイクと呼ばれ、全国から研修に訪れるほどの人気の技術になった。これもある意味、「どうせ」から「どうせなら」への変革のように思う。
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人間って、知らなかったことを知ることができた、できなかったことができた、という喜びが、いくつになってもあるものだと思う。そうした知的好奇心を刺激するようなデイサービスがあれば、絵描きや遊戯に不満な男性や私の祖母みたいな人でも、満足度高いのでは。
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そこで彼女らは、紙が縦に落ちる体制にならないようにするために、ほぼ無加工だけど端の方をほんの少しだけ折ったようなもので勝負することにした。他方、京大は。
何やら、植物のタネの形を真似したり、実に複雑なものを作った。落下するとクルクル回ったりして、それなりの楽しいものができた。
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「能力のある人間しか要らない」考。
株主資本主義者やそれに影響されている人は、よくこのことを口にする。では、能力者だけ集めようとしてうまく回るかというと、うまくいかないと思われる。そんな職場は安心ができないからだ。
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「自分の言葉で話す」とは、「相手の反応を見て、相手の理解できそうな言葉を選んで言葉を紡ぐ」ことだとは!「自分」なんてフレーズあるから勘違いしかけていたけど、実は相手の語彙力に合わせることが「自分の言葉」だったなんて!
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パワハラ上司に「驚き、面白がる」は有効か?という質問があった。私はむちゃくちゃ有効だと考えている。
ある時、初対面にも関わらず私にひどく悪印象を持っている人が訪問してきた。私の喋ることを全て悪意で受け取ってしまう。どうも誰かから私の悪口を聞いてきたらしい。
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他方、トップダウンで決める企業の場合、確かに決断は速いのだけど、決められてから各部署への説明がなされるから「え?この問題が起きたらどうすんの?」という疑問も差し挟めないまま事業がスタート、案の定、現場がアタフタしながらやってるものだからトラブル続出、仕事が遅々として進まない。
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「えー!これどうやったらできるんですか?」「うわー、こんなの、頂いていいんですか?」田舎で目にするもの耳にするもの、全て新鮮で驚き、面白がるよそ者には、みな親切。そして寄り合いがあれば「あの若者に、よそから来た視点を教えてもらおうよ」と、「よそ者」の話を耳傾けようとする。
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科学では、まず「観察」が最重要。理論が観察の邪魔をするようなら、その理論はいったん忘れた方がよい。観察する際の「目のつけどころ」を教えてもらうものとして理論を利用するなら構わないが、あくまでそれは目のつけどころの一つしか示してくれない、という限界もわきまえる必要がある。
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まとめました。
人とのつながりを失うと不安定になる|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
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そう、人間は餓死する前に餓鬼になる。大人しく餓死するわけではない。守るべき家族を守るため、武器を手にとって食料を奪いに行く餓鬼になるステージがある。
「アラブの春」という、中東で相次いだ2010年頃の革命は、美化された表現だが、食料価格の高騰がきっかけだったと言われる。
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私の勧めた図鑑を手にとろうとしなかったのは、私がその図鑑の内容について詳しいからだろう。ということは、その図鑑から知識を仕入れて親に披露しても、親は「ああ、知ってる知ってる」という反応しかしないだろう、それどころか追加の知識も披露して自慢するだろう、と嫌気がさしたのかも。
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一人だけ、1時間程で一箱仕上げてくる人がいた。そのことを他の内職の人に言うと、皆、信じられない、友達に手伝ってもらっているに違いない、という。
ところがとうとうその人は1時間を切って持ってくるように。本人に聞くと、一人でやってるという。一度、目の前でやってみてほしいと頼んだ。
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年配男性のロールモデルだと、いかに高尚な話をするか、知的なところを見せるか、いかに自分がデキる人間であることを証明するか、という会話がスタンダードになっている。基本、スナックのお姉ちゃんにする話しぶり。だから、退職し、仕事から離れると、このスタイルの話しぶりは嫌われる。