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なぜ日本は長らくデフレ経済に陥ったのか。金融政策に原因を求める意見もあったが、日銀総裁の黒田氏があれだけの金融緩和を続けてもデフレを食い止めるには不十分だった。ということは、別に大きな原因があるように思われる。私は、誤った経営モデルを選択したことに大きな原因があるように思う。
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食品ロスとは、こうした安全余裕の一種でもある。もし消費者が買い求める需要とピッタリ同じ量の野菜しか作らないようにしたら、ほんの少し足らないとなっただけで価格が高騰しかねない。すると、野菜を買いたくても買えない人が出てきかねない。そんなことのないよう、安全余裕をもたせる必要がある。
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山にリンを運ぶものがいるはず。可能性が高いのは、鳥、魚、虫。海辺で魚を食べた鳥は、山の木々に止まってフンをする。サケやアユなどの魚は川をさかのぼり、クマやキツネに食べられ、それらの動物が山で歩き回りながらフンをする。そのフンを食べた虫がまたそこらじゅうでフンをする。
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この断食の体験で感じたこと。もし自分一人だけだったとしたら、もしかしたら死ぬまで我慢できるかもしれない。しかしもし、自分に家族がいて、守るべき人たちがこんなに苦しい思いをしているとしたら。棍棒持って「食料よこせ!」と奪いに行くだろう、と思った。そのくらい、飢えは苦しい。
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いま、海辺には干潟がない。干潟は様々な鳥が魚や貝を食べる重要な場所。そこでたっぷりと魚介類を食べた鳥が山にいけば、リンを豊富に含むフンをまいてくれるが、干潟がなければそもそも食べるものがない。そうなれば、山にリンを運ぶこともできなくなる。
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私は「人間は働くのが好きな生き物」と最初の本に書いた。理由は、自分が必要とされているという感覚、「居場所」感を人間は強く求めると考えるから。社会を設計する際、「自分は必要とされている」という居場所感をいかに提供するかが課題となる。もしその提供に失敗した場合。
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川をダムでせき止め、干潟を埋め立て、魚や鳥、虫たちが「海から陸へ」リンを戻してくれるこの循環を断ち切ったことで、将来、山を枯らし、田んぼを枯らすことにならないのだろうか。こうした現象は100年、200年単位でしか結果が分からないと思う。だからこそ、余計に怖い気がする。
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今回、安倍首相が殺された事件については詳細が明らかになっていないが、不気味なのは、もしかしたら組織的なものではないかもしれない、という点。もし党派色のない、全く個人的なものだとしたら、同様の防ぐことは非常に困難になる。
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子ども食堂やフードバンクの問題を考える際、注意しなければならないことがある。子ども食堂に通う子供の親御さん、あるいはフードバンクに食品をもらいに行く方に、仕事はあるのか、低賃金で苦しんではいないか、という問題。その問題さえ解決すれば、子ども食堂やフードバンクは、本来不要。
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そりゃそうだろうと思う。ブラックな職場環境が明らかになった上、大阪府・市では、教員への敬意が失われ、政治家の支配下に置く話が頻々と聞こえてきて、それにつられた世論も長く続いた。そんな屈辱的な職業につきたくない、と若い人が思って当然のことと思う。
news.yahoo.co.jp/articles/2e801…
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人間は誇りを傷つけられ、いっそ自分を必要としない社会なら壊れてしまえ、という暗い願望に囚われる。居場所が社会的地位の高い人にしか提供されない社会は、たとえ豊かでも不安定化する。
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働きが必ずしもよくない、成果があまり出ていない人もあまりバカにされず、それなりに生活できている職場は、能力者にとっても安心できる場となる。「もしうまく行かなくてもここなら生きていける」その安心感が大胆さを生み、才能を引き出す。画期的なアイディア、成果を出す土壌が生まれる。
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弁舌というのは、結晶の「核」になることがある。ミョウバンの大きな結晶を作ろうと思ったら、小さな結晶を核として漬けておけば、結晶は大きく成長する。竹中氏の弁舌は、そうした結晶の「核」として機能したのだと言えるかもしれない。
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知人が少子化対策を担当するという話が。それに刺激を受けて、少し考えてみたい。
少子化対策で話題になる政策のほとんどは、すでに結婚してる夫婦にいかに子どもを産ませるか、みたいなものが多い。しかし事情がある場合以外では、政府から言われずとも子どもを欲しがってるご夫婦は多いように思う。
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まとめました。誤字脱字も修正しました。
期待や願望は現場・現実を見えなくする|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
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それ以外選択肢がない状態に追い込まれた上で輸入飼料が手に入らないなら、お手上げ。「経営努力」を続けた結果でこうなってる。自業自得論はちょっと厳しすぎるように思う。
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しかし「儲かる農業」の大合唱で、世論を味方につけられない農水省も、コメを守る姿勢を続けられなくなった。コメ優先の政策を諦め、儲かる農業推進にカジを切っている。しかしこれ、カロリーの稼げる穀物生産から手を引かざるを得なかったアフリカの二の舞いになる恐れがある。
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もしかしたら、農学部ってところがどういうところか知らない人が増えているかもしれないので、ちょっとデフォルメしすぎだけれど、農学部の雰囲気を伝えているマンガを紹介しておく。
まず筆頭は「もやしもん」(石川 雅之)。
amazon.co.jp/%E3%82%82%E3%8…
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NHKスペシャル「中流危機を超えて」は、実に腹立たしい内容だった。番組に登場した駒村とかいう慶応大教授は、竹中平蔵氏と寸分違わぬ主張で、ここ二十年の日本の有様から何も学んでいないようだ。
nhk.jp/p/special/ts/2…
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「SDGsなんてマヤカシだ、心ある人をだまして金を儲けようと企む人間の表看板にすぎない」と、SDGsに対して批判的な声をよく聞く。なるほど、そうした面はあるのかもしれない。しかしそれでも、私はSDGsを比較的高く買っている。理由は、SDGsという概念がなぜ生まれたのか、と考えるからだ。
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アメリカが世界最強の国であるいくつかの理由の一つに、世界最強の食料輸出国でもある、という点があるように思う。日本はアメリカの安い小麦やトウモロコシ、大豆を大量輸入しており、その恩恵を受けている国の一つ。そしてそれを可能にしているのが、化学肥料。
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あと、企業経営になると「利益」しか見ていない。もしプランテーションによりその土地が荒廃し、使い物にならなくなっても、他の土地で新たにプランテーションを始めれば経営的に何の問題もない。荒廃した土地がその後どうなろうと、知ったことじゃない、という態度になりやすい。
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企業が農業をする場合、最低賃金以上を保証しなければならない。しかしそうすると、農家が作る栗より高くなってしまう。なぜそうなってしまうのか。農家は自分の人件費のことを考慮しないで安く売っているから。つまり、今の農産物価格は農家の自己犠牲のおかげで安く済んでいる。