276
もしかしたら、「医療崩壊しても構わない、経済の再建こそが最優先」と考えている人がいるかもしれない。経済最優先の立場から見ても、医療崩壊は経済システムの破綻につながる恐れがあると考える冷静さが必要。
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相手の言うことに驚き、面白がる。これかな、と思う。
これまで学生の相談に乗ってきて、「深い話ができる友人がいない、みんな流行とかファッションとか表面的な話ばかりで、それに合わせるのに疲れる」ということをいう男子学生に何人も会ってきた。わかる。私も若い頃、同じように悩んでいた。
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年配男性のロールモデルだと、いかに高尚な話をするか、知的なところを見せるか、いかに自分がデキる人間であることを証明するか、という会話がスタンダードになっている。基本、スナックのお姉ちゃんにする話しぶり。だから、退職し、仕事から離れると、このスタイルの話しぶりは嫌われる。
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被災地支援は、救援物資を送ることだ、と私たちは考えている。生活手段を失い、食事もままならない緊急時には、それは正しい。しかし生活再建を始めようという時に必要なのは、むしろ需要(消費)なのかもしれない。
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いつから「魂飛ばし」が始まったのか尋ねると、お母さんが意を決して話し始めてくれた。その子はおばあちゃんと同居しており、孫を大層可愛がったという。ただ、その世話の焼き方は過剰と言えるもので、ご飯はおばあちゃんが口まで持って行き、着替えはおばあちゃんが手伝い。
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まとめました。
「魂飛ばし」が能動性を取り戻すまで|shinshinohara #note note.com/shinshinohara/…
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単純作業をお願いする上司が単純作業をバカにする思想を持っていると、部下は工夫しない。しかしもし、創意工夫がいかに単純作業を一変させるかを知ってる人だと、任された人はどんどん工夫を凝らし、作業効率を大幅に改善する。上司次第で仕事の質が大きく変わる。
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子育てにおいても、この姿勢は重要だと考えている。理論を子どもに当てはめてはいけない。あくまで、子どもを観察し、五感を通じて観察しまくった結果、無意識が紡ぎ出してくれる仮説をまず大事にする。理論との照合は、仮説が浮かび上がってからでよい。それまでは、理論はむしろ邪魔。
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奥さんから買い物を頼まれた男性。「牛乳一つ買ってきて。もし卵があったら6つ買ってきて」。男性が買ってきたのは牛乳7本。「なんで7つも牛乳ばっかり買ってくるのよ!」「だって、卵があったから・・・」
このエピソード、YouMeさんは女性側、私は男性側に同情した。
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科学では、まず「観察」が最重要。理論が観察の邪魔をするようなら、その理論はいったん忘れた方がよい。観察する際の「目のつけどころ」を教えてもらうものとして理論を利用するなら構わないが、あくまでそれは目のつけどころの一つしか示してくれない、という限界もわきまえる必要がある。
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みんな人それぞれ、事情がある。事情がある中でも笑顔を忘れず、優しさを失わないようにしている人は、それだけで立派。そうした立派な人たちが楽しんで生きていける社会であってほしい。そうでないなら、それを改めていきたい。私の行動原理は、シンプル。
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目の前の事物に様々なインプットをし、その結果現れる現象を五感で味わい尽くす。現象をしゃぶり尽くす。すると、不思議なもので、無意識が仮説を紡いでくれる。「こうしたほうがいいんじゃない?」その仮説に従って新しい工夫をしてみて、また五感で観察。これを繰り返す。
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どんな仕事にも創意工夫する楽しみがある。それを楽しめる職場になっているかどうかで、様子はずいぶん異なる。単純作業は創意工夫の小宇宙。それを知っていると、仕事ってかなり楽しいものだと思う。
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「えー!これどうやったらできるんですか?」「うわー、こんなの、頂いていいんですか?」田舎で目にするもの耳にするもの、全て新鮮で驚き、面白がるよそ者には、みな親切。そして寄り合いがあれば「あの若者に、よそから来た視点を教えてもらおうよ」と、「よそ者」の話を耳傾けようとする。
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自分が子どもの頃ハマったものに、自分の子どもが興味を示さず困ってる、という話をよく聞く。もしかしたら、「先回り」してしまっているのかも。子どもは親がはるか先を走っている、ということに気がつくと、その分野に興味を示さなくなる傾向があるらしい。親がその分野では驚かないことに気づいて。
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「夫の扶養からぬけだしたい」というマンガがある。結婚し、専業主婦となった女性の苦悩を描いている。
夫は「僕が稼いでいる、僕が働くおかげで家族は支えられている」という。まるで女性の仕事は取り替え可能の簡単な仕事で、自分の仕事とは比べ物にならないというかのように。
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私は、科学の理論というのは、研究の初期段階では、目の前の事物や現象を観察する際の「目のつけどころ」を増やすためにだけ役に立つ、と考えている。自分一人では気づかない観察箇所を教えてもらうために理論は知っておくと得だが、理論を信じすぎて観察の目が曇るなら本末転倒。
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「ためしてガッテン」にお坊さんが登場。喫茶店でコーヒーを頼むが、この店、番組の仕込み。「かしこまりました」と言って数分たち「お客様、オレンジジュースでしたっけ?」と、注文を聞き直すことを繰り返し。いつ怒り出すかというたちの悪い設定。ところが。
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「うちのテーブルと少しすべりが違うけど」と言いながら、袋の束ををトントンとテーブルの上で叩くと、前に放り投げた。マジシャンのトランプのように、均等に袋がズレて並んだ。まずこれにビックリ。すると今度はストッキングを雑然と山にした。「きちんと並べなくていいんですか?」と聞くと。
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そして騙されたと思った。チョコラBBなら一回1錠なのに2錠飲めと。倍。これじゃ増量の意味がない。何より効かない!噛んだところが口内炎になる!意味ない!
確かに成分表見ると一緒なのに効果がない。成分同じでも効くとは限らないんだなあ、と思った。
以来、プライベートブランドの薬は買わない。
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パワハラ上司に「驚き、面白がる」は有効か?という質問があった。私はむちゃくちゃ有効だと考えている。
ある時、初対面にも関わらず私にひどく悪印象を持っている人が訪問してきた。私の喋ることを全て悪意で受け取ってしまう。どうも誰かから私の悪口を聞いてきたらしい。
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気力が湧かないとき、次を気を付けている。
①意識的に余裕をこじ開け、休むこと。
②気力はそのうち湧いてくるもんだ、と、待つこと。
③気力のない自分を許すこと。
④気力が湧いても使い切らないこと。
トシをとって、何度も無気力にさいなまされた結果、そうするほかないということに気がついた。
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古代ローマは奴隷労働に支えられてきた。現代文明は石油に支えられてきた。石油は奴隷の代わりに働く機械を動かし、人間の労働のかなりを代替するようになった。過酷な農作業から多くの人々を解放し、農業人口は全人口の8割に達したのに、今や日本もアメリカもわずか1%。石油のおかげ。
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シールのシートを折ると、四枚のシールが半分はがれて頭を出した状態に。それを右手の指に一度に取って、袋にぺぺぺと貼っていく。ものすごいスピードで唖然とした。
それまで両親も、多くの内職の人達も、そんな方法はとっていなかった。ストッキングはきれいに並べて、シールは一枚ずつはがして。
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たぶんなんだけど、それを習った当時は、それを受けとめるだけの体験が不足していたのだと思う。九九を習った時には、足し算をさんざんやって、2を二回足したら4、三回足したら6、のような蓄積がないと、九九はなかなか身につかない。